■ニフレル「わざにふれる」ゾーンにて。
「わざにふれる」ゾーンにある、いちばん大きな水槽。
小型水槽・小さな生きものが多いニフレルの中では「大水槽」と言っていいのかも。
トラフザメやメガネモチノウオ(ナポレオン・フィッシュ)、カスリハタあたりが
のんびりと泳いでいます。
まるで寝ているみたいなトラフザメを撮ろうと、水槽まわりをウロウロしていたら・・・…
なんか始まった!!
■餌付けショー?いえ、ちょっと違います!
ウェーダー(胴長)を着たキュレーターさんが1人、水槽内に入り、
その後ろには別のキュレーターさんが、ヘッドセットをつけて解説を始めます。
なにか始まる気配を感じて、周囲のお客さんもじわじわ集まってきました。
さらに、記録用にビデオカメラを回すキュレーターさんも。
そして、水槽内のキュレーターさんの傍らには、餌の小魚が入ったプラ容器が。
(なるほど、大型魚の餌付けショーか)と思ったら、
ちょっと違いました。
解説をよくよく聞いていると、これは「ハズバンダリー・トレーニング」
という、一種の訓練なのだそう。
じつはハズバンダリートレーニングをひとことで表現する日本語はありません。わかりやすく説明すると「動物を長期に健康的に、なおかつ動物も人も安全に飼育するためのトレーニング」ということができます。これには「動物の生理や生態、心理面での飼育管理を可能とするために必要な行動」が含まれます。
■UENO-PANDA.JP:http://www.ueno-panda.jp/news/015.html
ハズバンダリー・トレーニング、簡単に言うと、動物の世話や治療がしやすいよう
普段から訓練しておく、ということのようです。
水族館でも、たとえばイルカの採血や検温がしやすいように、特定の合図で
お腹をみせるとか、そういう訓練をしています。
■魚でも、そんなことができるなんて!!
水族館では、海獣類の飼育で耳にすることのある「ハズバンダリー・トレーニング」。
けれど、魚が相手でもそんなことって可能なんでしょうか??
1枚目は、なんだかメガネモチノウオを蹴っ飛ばすみたいになっちゃってますけど(笑)
このキュレーターさんはトラフザメの担当で、左足を上げるとトラフザメが寄ってきます。
すると、キュレーターさんが餌の小魚をひと切れ。
「左足が上がる」⇒「餌がもらえる」⇒「寄っていく」
という条件付けがされているんでしょうかね。
同じようにメガネモチノウオとカスリハタにも、
水槽両側にそれぞれ担当のキュレーターさんがいました。
実は、ニフレルを運営管理している大阪・海遊館では、以前から
サメの飼育にこの「ハズバンダリー・トレーニング」を取り入れているのだそう。
訓練をはじめて2カ月目ぐらいまでは、「やはりサメに訓練は無理なのか?」と思うこともありましたが、根気よく訓練を半年間続けた結果、無理やりサメを固定することなく、仰向けにして暴れさせずに採血を行うことが出来るようになりました。
■海遊館公式ブログ:「サメにもハズバンダリートレーニング」
カスリハタやメガネモチノウオも、水槽外からのハンドサインに反応して……
とりあえず餌を食べには来ていました(笑)。
採血などをさせてくれるのかどうかは不明ですが、とりあえずサメとかハタとか、
食欲旺盛で物怖じしない魚には、向いているのかな。
トレーニング後、メガネモチノウオと見つめあうキュレーターさんの姿が
実に絵になってました。