【水槽部屋計画①】水槽部屋を作っています。

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(写真はアクアマリンふくしまのお洒落水槽空間。こんな部屋にはならないですが……)

■念願だった「水槽部屋」

昔からずっと「水槽部屋」を持つのが夢でした。

高校を卒業して(浪人時代を経て)実家を出てからずっと、賃貸アパート暮らし。
最初は大学の学生寮。家賃1万円(光熱費込み!)風呂トイレキッチン共同の集団生活。
その後はサークルの先輩との男3人共同生活だったり、家賃3万5千円の6畳ワンルームだったり、水槽を置くと床が沈む(そしてキッチンの床にハサミムシが住んでいる)老朽アパートだったり……。

(震災前の6畳1Kアパート)

(震災後、少しだけ広い部屋へ)

そんな環境でもずっと部屋に水槽を置いて魚(熱帯魚)を飼育し続けてきたわけですが、やはりいつかは水槽部屋が欲しい!思う存分、好きな魚を飼育したい!
そんな思いはずっと胸にくすぶっておりました。

こうして憧れを抱き続けること10数年。

ついに念願の「水槽部屋」を手に入れようとしております……!

■意外と大変な「アクアリストの住宅事情」

「熱帯魚飼育」ってそこそこ市民権を得ている趣味ではあるものの、賃貸アパート暮らしだと意外なほど制約も多いのです。

その理由は大きく、以下3つかと。

1.水槽の重量

まずなんといってもコレ。

アクアリストなら「あるある」ですが、水槽って、思っているより重いのです。
もっとも普及している60cm水槽で、満タンに給水すると約80kgくらい。それより一回り大きい90cm水槽になると、一気に200kg近い重量に。

一般的なアパート・住宅の床の耐荷重は建築基準法で「180kg/平米」以上と定められており、厳密には90cm水槽のサイズで既にこの建築基準を超えてしまうのですよね……。(設計上、必ず安全率を見ている筈ですが)

実際、冒頭に書いたとおり過去に住んでいたアパートでは水槽を置いていた場所の床が少し沈んでしまった経験もあり。フローリングの凹みだけで、その下の構造部分(躯体)に損傷はなかったので事なきを得ましたが。

もちろん一般的にはリビングに90cmを1本置いているだけでも十分「大きい水槽」なのですが……。違うんだ、もっといろんな魚を飼いたいんだ俺は……。

2.水廻り&電源廻り

これは制約というより利便性の面になりますが、水槽の本数が増えてくるとどうしても、水換えやちょっとした洗い物で水場を使う機会が多くなります。

賃貸アパートの場合、作業をするとすれば風呂場か洗面台を使うことになります。独身時代はなにも気にせず風呂場で作業していたのですが、結婚した後はコレが家族との揉め事のネタになりがちでした……。

もうひとつは電源廻り。
水槽って、思ったより電気を使うのです。これは主には水槽保温用のヒーターで、60cm水槽用で100~150W程度のヒーターを設置するのが一般的です。水槽の数や大きさが増えれば増えるほどかさむ電気代、そして足りなくなる電源コンセント。
電力会社に連絡して契約アンペアを上げるというのも「アクアリストあるある」ですよね……(笑)。

3.そもそも賃貸物件の「ペット禁止」にひっかかる??

賃貸アパート/マンション住まいの場合、そもそも「ペット禁止」の物件が多く、熱帯魚飼育がこれに該当するのかが微妙なところです。主には犬・猫を想定していることが多いようですが、入居前に念のため確認しておいた方がいいです。

自分は、不動産会社さんに「金魚をちょっと水槽で飼っているんですが大丈夫ですか~~」とさりげなく聞くようにしていました(「金魚をちょっと」というのがやや詐欺くさいですが。。)
入居後の消防検査等で不動産会社の方に水槽を見られても、これまで何も言われたことはないですが、やっぱりちょっと気になりますよね。

逆に「ペット飼育可」となっていても「重量物は禁止(ピアノ、大型水槽等)」なんて条件が書かれていることもあり、やはり賃貸住宅での本格的な水槽飼育はハードルが高いなぁ、と思わされます。もし2階以上の部屋に住んでいて水漏れを起こせば、階下の人への賠償問題にも繋がりますし……。

■「飼いたい魚を自由に飼える」生活を求めて。

そんなわけで賃貸アパート生活からの脱却を真剣に考え始めたのが半年前くらい。(新型コロナの影響で、夫婦とも在宅時間が増えたことも大きな理由でしたが)

アクアリスト的に言えば、外来生物法その他の法規制が昨今急速に進みつつあり、今後「いつか飼いたいと思っていた魚が飼育禁止になる」という悲しい未来も少し想像していました。
(外来生物問題の本質を考えれば、飼育禁止ではなくあくまで「放流・遺棄禁止」を厳格化すべきなんですけどね。。。)

2018年4月にガーパイク類の飼育が禁止されたことは自分にとってかなり大きい出来事で、それ以来この「飼いたい魚が飼えない未来」という想定がまぁまぁぼくの心に暗い影を残していました。

もちろん限度はあるけれど(tクラスの水槽を置いてピラルクーを飼おうとかはさすがに思わない)、「飼いたい魚を自由に飼える生活」への憧れは募るばかりでした。

■初めての物件探し。分からないことだらけ。。

「水槽部屋のあるマイホーム」の夢と妄想は膨らむものの、そもそも自分たちが(家計的に)家を買えるのかどうかすら分からず。
まずは某大手不動産サイトから相談窓口にコンタクトし、家づくりの基礎知識を収集。

その結果わかったのは、マイホームを持つには

・注文住宅をオーダーメードで建てる
・新築(建売住宅)を購入する
・中古住宅を購入する

の3つがある、ということ。

いや、家を建てたことのある人には常識なんだろうと思うのですが、当時の自分たちにはそんな知識すらなかったのです。(注文住宅と建売住宅の違いもよく分かってなかったです)

そこからあちこち不動産会社やハウスメーカーを巡り……。
詳細は省略しますが、最終的には新築の建売住宅を購入し、それを改造して水槽部屋を設立することとなりました。

最初は「水槽部屋なんて、注文住宅で大豪邸でも建てないと無理なんじゃないの?」と思っていました。そして案の定、地元の工務店に相談してみたら予算的に我々には無理。。。(超低金利時代のいま、頑張って背伸びをすればローンを組めたのかもしれませんが、それで水族館遠征や熱帯魚飼育といった楽しみを削る生活は、自分たちにとっては本末転倒です)
そして、土地探しをしつつ同時進行で設計プランを決め、それから建築工事……というスケジュール面もネックでした。

その後、リフォームが得意な不動産業者さんと出会うことができたため中古住宅を購入してリノベーションする方針が濃厚となりつつ、偶然がいくつも重なり(中略)最終的には新築建売を購入することになりました。

■水槽部屋は譲れない!リフォーム大作戦!

さて、ここからは「夢の水槽部屋」に向けたお部屋改造!

新築の建売住宅なので、普通に暮らす分にはそのまますぐ住み始めることができるのですが、当初の目的はあくまで「水槽部屋のある家に住む」ことです。
(逆に言えば、それ以外の例えばデザイン性や間取りについては夫婦ともあまりこだわりがなく、そのあたりも比較的コストの安い建売住宅を選ぶ決め手となりました)

※いわゆる「パワービルダー系」の建売住宅で、ネットで調べると「安かろう悪かろう」というような評価も目にするのですが、、自分たちは納得して購入したのでそんなん知らん!あとは中身(主に水槽部屋の)で勝負だ!!!(謎の激昂)

というわけでここからは、リフォーム専門会社の方との「水槽部屋大改造計画」に突入!
正直、ここがいちばんワクワクする時間でした。毎回の打合せの時間が、あっという間に過ぎていきました。
(水槽部屋だけじゃなく「リビングの断熱を強化したい」とか「キッチンに食洗器をつけたい」とか、ちゃんと家族の希望も入ってますので念のため……)

▼ 改造ポイント①:床の補強

個人的に、ほかを差し置いてもここだけは徹底したかったポイント。とにかく水槽って重いんです。

しかし「水槽は重い」というのは分かっていても、いざリフォーム会社の方に「どれくらいの重量を想定すればいいですか??」と聞かれると即答できず……。

いったん持ち帰り、自宅で新居の間取り図とにらめっこ。
水槽部屋にする予定の部屋は約6畳の個室。うーん、90cm水槽用の水槽ラックに換算したら5ヶ所(10本分)くらいは置けるかなぁ……。しかしせっかくなら1つは大型水槽も置きたいし……。

結局、
・120cm水槽×1≒250kg
・90cm水槽×5≒1,000kg
・60㎝ワイド水槽×5≒750㎏

という計算で、ざっくり総水量2tということにしました。

2tって聞くと馴染みのない人からはビックリされるのですが、いざ水槽の本数に直してみると、アクアリスト的にはそんなに大したこともないような……(苦笑)。

ちなみにこれくらいの水量であれば、基礎を打ち直したりしなくても床下に「床束」という支柱を増やすことで対応可能だそうです。

木造建築に用いる床束は束石を含め腐朽やシロアリなどの蟻害に強い材質の束が最適。2種類の材質束で、建築物の床下を支える城東テクノの新築向け束製品をご覧になれます。

こんなやつ。
自分で床に潜って取り付けることもたぶん可能なのですが、今回はリフォーム工事の一環として施工してもらうことにしました。(あとで水槽の本数が増えすぎたら、DIYも考えよう……)

(床下に潜ってみた、の図)

▼ 改造ポイント②:水道設備の設置

一方で家族から不評だったのは「洗面台・風呂場で水槽グッズを洗うこと」。

風呂場でフィルター掃除をする、の図。
妻にバレると高確率で修羅場となります。でもどうすればよかったんだ。。。(心の声)

というわけで「水槽部屋(もしくはその近く)に洗い場を作れ」というのは家族からの至上命令でありました。ぼくとしては水槽部屋が狭くなるのでちょっとイヤだったのですが(笑)。

1階のトイレをつぶして洗い場にしよう、というぼくの案は「いちいち2階まで行くのは嫌」ということであっさり却下されまして、水槽部屋のクローゼットを改築して流し台を設置することになりました。

(右側のクローゼットが水場になる予定)

ちょうどよくこのクローゼットの裏側に洗面所があるので、配管の取り回しがしやすいのだそうです。まったく気付いてなかったけどナイス間取り!

理科実験室にあるようなフラットな流し台がつく予定です。ホースをつないでそのまま注水もできるように「蛇口はめっちゃシンプルなやつがいいです!」とお願いしました。

▼ 改造ポイント③:窓の断熱工事

先にも書きましたが、水槽まわりでいちばん電気を消費するのは保温用のヒーターです。水槽の数が増えれば増えるほど、倍々ゲームで家計を圧迫していきます……。

そこで水槽の本数がある程度まとまれば、個別のヒーターではなくエアコンで部屋ごと温度管理をしたほうが安上がり、というのも「アクアリストあるある」だったりします。

とはいえここは東北。エアコン24時間稼働で室温を維持するには、部屋そのものの断熱性能も見直したいところ。ということで水槽部屋の窓は二重窓にすることにしました。

さらにコンセントの数も増強。(水がこぼれても漏電しないように高い場所に移設)
どうせ壁と床をいじるのであれば、内装の色も変更、などなど……。

いよいよ今週末くらいから、リフォーム工事に入る予定です。

「水槽部屋を作る」なんて経験は人生で初めて(そして最初で最後かもしれない)ので、またときどき経過報告できればなー、と思います。

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