【水族館探訪記】なかがわ水遊園~前編:日本の淡水魚たち~

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10月某日。

福島県猪苗代町の「アクアマリンふくしまいなわしろカワセミ水族館」を訪問後、さらに足を延ばして栃木県へ。

※アクアマリンふくしまいなわしろカワセミ水族館の訪問記はこちら↓

いなわしろカワセミ水族館、むしろ「ゲンゴロウ水族館」説!そして、ゲンゴロウ愛&こだわりたっぷりの展示解説がとてもよいです。

栃木県大田原市の「なかがわ水遊園」へ到着しました。
コロナ後、初の水族館ハシゴ。そして初の関東入り。
自粛警察化していたわけじゃないけど、まぁまぁ地元に引きこもってましたねー(笑)。

■8年半ぶりの訪問。。。

なかがわ水遊園、個人的にとても「性癖に刺さる」水族館なのです。
と言いながら、記憶を辿ったところ約8年半ぶりの訪問。。。ううー、そんなに遠くもないし、近いうちに必ずまた行こう、、、

「なかがわ水遊園」というのは水族館と周囲の親水公園を合わせた総称。
こんな感じで、大きな人工池の上に浮かぶようにそびえています。なんというかこう……水攻めされた城みたいな立地。(←例え、、、)

ガラス張りのドームという見た目で館内の様子はなんとなく想像がつくかもしれませんが、そのあたりはまた後で。

ところでぼくは今回、入場にあたり年間パスポートを購入。

「近いうちにまた来たい」「とりあえず翌日もまた来る」という理由もあったのですが、年パス特典の「アクアワールド大洗が入場半額」が決め手になりました!

栃木県なかがわ水遊園は、淡水魚水族館、体験講座、イベント、水遊び、釣り、お買い物などが楽しめる総合公園

・なかがわ水遊園:
入場料:650円 年パス:2,500円
・アクアワールド大洗:
入場料:2,000円 ⇒提携館のため半額!

なので、両館ともときどき行く(もしくはハシゴする)という方にはおトクかもしれません。

■館内、前半は地元・栃木の淡水魚天国!

入場ゲートをくぐると、まずはエスカレーターで1フロア下ります。

エスカレーターと並行して流れる滝!
(「館内に滝がある」って、割と淡水魚水族館あるあるな気がします 笑)

滝の下の水槽でまず待ち受けるはニッコウイワナ。そういえば栃木の地名を冠した魚です。
「地元の魚を、源流/上流域から順番に展示する」も、淡水魚展示あるあるですねえ!

そしてエスカレーターの正面に待ち受けるのはこの水槽!
川の上流の淵を再現した作りこみがすごい。
そしてこれ、屋外水槽なんですね!全面ガラス張りで、晴れた日が楽しみ!
(この日は夕方に到着したこともあり、日陰になってしまいました)

というわけで……!
朝日を燦々と浴びた水槽を満喫したく、翌日朝に再訪問!

バッチリ狙い通りでした!
キラキラと光芒の差しこむ水景。ヤマメの魚影も濃く、あぁ、ここで無限にヤマメを撮影していられる……。

朝日を浴びて輝くヤマメ。
ターンする瞬間、ヒレを広げるのがカッコいいです。光量が十分にあるので、奥行きのあるポーズを狙いやすいのが嬉しい。(もう少し絞って、顔から上半身くらいまでピント来るようにすればよかった)

個体数も多いので自分好みの美個体を狙って撮るもよし、一瞬のポーズを狙って撮るもよし。ときどき紅葉した落ち葉が水流に乗って流れてきたりして、撮ってて最高に楽しい水槽です。

隣の水槽では、艶やかに婚姻色を出した成熟個体が3匹だけ展示されていました。うち2匹はペアになっているらしく、盛んに産卵行動らしき泳ぎを見せてくれます。

産卵シーンを見ることはできませんでしたが、産卵の気配をたっぷり感じさせてくれました!

続いては中流域。

那珂川の中流域といえば!そう、アユ!
産卵期に入っていたこともあり、美しい黄色に染まったアユが見事でした。

ここも天然光が燦々と入る水槽。スポットライトを浴びるように泳ぐアユ、見飽きません。

ところで、なかがわ水遊園の1階フロアは水槽だけでなく建物全体がガラス張りになっています。そしてガラス窓の向こうに広がるのはハスやアシが生い茂る広大な池。

雰囲気抜群ですし、水槽だけでなく館内全体が明るいです。(その代わり、夕方になると西日がきついのですが 笑)

ヤマメやアユが泳ぐ窓側の屋外水槽のほかにも、館内には様々な展示テーマに沿った小型水槽が。

壁にすっぽり埋め込まれた小水槽もあちこちにあります。見逃しやすいので要注意!

カジカの仲間「カマキリ」(別名:アユカケ)。
地味な魚だと思っていたけど、意外と派手なんだなぁ。(婚姻色でしょうか)

■海水魚もいます!(少しだけど)

那珂川の淡水魚たちを上流から中流、下流と辿っていくと、最後は海に辿りつきます。

それが「沿岸・沖合の海」のコーナー。

水槽は写真に写っている2本と、背後にもう1本。
淡水魚たちの展示ボリュームと比べるとささやかですが、「汽水域」⇒「沿岸」⇒「沖合」と、川から海への繋がりを表現しているコーナー。

川魚ばかり見ていると、普段なら見慣れたはずのマアジやドチザメもなんだか新鮮です。

ここの水槽、夕方になると西日が強烈に差しこんできて、ちょっと独特な雰囲気を味わうことができました。

■タナゴたちが美しい「栃木の魚」エリア。

さらに順路を進んでいくと「栃木の魚」のエリア。ここのタナゴコーナーがとても好きです。

展示されているのは、栃木県内に自然分布している種類がメイン。(あと外来種としてタイリクバラタナゴとかも展示されている)

ミヤコタナゴ。
鮮烈な橙色。非の打ちどころのない美しさ。
それと同時に、5cm程度の小さな魚なので肉眼ではこの美しさがスルーされがちだったりもして、ついついマクロレンズで綺麗に撮ってあげたくなる魚。

野生下で生き残っているのは栃木県・千葉県のごく一部。栃木県での自然分布はなかがわ水遊園のある大田原市内の某所だけ。なかがわ水遊園も、本種の域外保全の重要な拠点となっています。

学名「Tanakia tanago」。まさにタナゴの中のタナゴ。それと同時に、日本の淡水魚の中で最も野生絶滅に近い魚の1つ。なかがわ水遊園で、必ず見たい魚です。

アカヒレタビラ。
タナゴ類にそれほど詳しいわけではないのですが、個人的にとても好きなタナゴ。タナゴの良さがギュッと凝縮されている気がする。

ミヤコタナゴと並んで展示されていて、小さくてすばしこいミヤコタナゴを撮影したあとだと癒しを覚えます(?)

ヤリタナゴ。
自然分布が広いこともあって、割とあちこちの水族館で目にするタナゴ。
広めの水槽で水草の茂みを泳ぐ姿が美しかった。

個人的な思い出。
タナゴの仲間って、昔はあんまり魅力的に感じていなかったのです。ぼくの肉眼だとぱっと見イマイチ綺麗に見えなくて。(それと、ぼくの幼少期には既に数を減らしていて、身近な魚でもなかったし)

初めてなかがわ水遊園に行った2012年(だったと思う)、まだ持ち歩き始めたばかりのデジタル一眼レフで撮ったタイリクバラタナゴの写真がとても綺麗で、それ以来「タナゴを綺麗に撮る」ことがとても楽しいのです。

動きの速い種類が多くて撮影難易度も高いのだけれど、ぱっと見では受容しきれないその美しさを写真でなんとか伝えたくて、いつも悪戦苦闘。
タナゴたちが綺麗に撮れる水族館は、問答無用で大好きです。

■タッチコーナーは休止中。そして日本の誇る2大巨魚がそろい踏み!

「タッチング水槽」と館内マップには書いてあるのだけれど、コロナ対策でタッチ体験は休止中。かわりに金魚や改良メダカが展示されていました。

1階フロアの最後は「日本の希少魚」コーナー。

イトウ!!(やや寸詰まりな体形でしたが)

アカメ!!(外光で水槽面が光るので、あの特徴的なルビー色の瞳を堪能しづらい)

北日本の雄・イトウと、南日本の雄・アカメ。
この2種の水槽が並んで展示されているのってたぶん初めて見た気がします。

イトウは北海道の水族館で、アカメは高知の水族館で見るのがいちばんいいのかもしれないけれど、こうして「両雄、相まみえる」という感じで並んでいるのもとてもよい。

なにはともあれ「なかがわ水遊園の日淡エリア、自然再現度と天然光が素晴らしいよ!」という話でした。

館内後半、アマゾンの魚たちを展示したエリアもこの通りの光景でして(チラ見せ)。
……ほんと天然光バンザイ!な水族館です。

(アマゾンエリアの訪問記はまた次回!乞うご期待!)

後編も更新しました!

栃木県唯一の水族館・なかがわ水遊園。後編は圧倒的な現地感の「南米・アマゾン」エリア。熱帯魚好きならば誰もが没入できる水景が広がっています。
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