約3年ぶりに、すみだ水族館に行ってきました。
コロナ禍を理由に首都圏の水族館への足が遠のいていた約2年間のうちに、あちこちで少しずついろんなことが起きており。「閉館してしまうから二度と訪問できない」とかはやむをえず、ブルーな気持ちを抱きつつ最優先で駆けつけていたのですが、逆に新展示・リニューアル園館に行くのが疎かになっておりました。
■昨今のクラゲ大水槽ブーム。
振り返れば、2020年は大都市圏を中心に、クラゲ(主にミズクラゲ)を利用した展示リニューアルが続きました。
・2020年7月:サンシャイン水族館「海月空感」
・2020年7月:京都水族館「クラゲワンダー」
・2020年7月:すみだ水族館「ビッグシャーレ」
・2020年12月:大洗水族館「くらげ365」
まさにコロナ禍突入直後の時期だったということもあり、どの園館にもなかなかすぐには足を運べずにおりました。(その後、2021年にサンシャインと大洗はそれぞれ訪問済み)
首都圏に行く機会もめっきり減ってしまっておりましたが、ようやくすみだ水族館にも足を運べました!
というわけで、こちらがすみだ水族館のクラゲ大水槽「ビッグシャーレ」!
どーん!!!
いやー、めちゃくちゃ綺麗。
長径7mという水盆型の大水槽に、たっぷりのミズクラゲ。
そして、いかにもすみだ水族館らしい、涼しげで派手すぎない光の演出。
スマホでもデジカメでも、もうこれどうやったって綺麗に撮れちゃうやつ。
閉館間際の、空いている時間帯に行けたのもよかったです。最終入場時間(閉館の1時間前)を過ぎると、「貸切状態」すら狙えちゃうんですよねえ。
ちょうど開業10周年ということで、これまでの軌跡を振り返る企画展も開催されていました。
「チンアナゴの日」とか「ペンギン相関図」とかは、他の水族館にも波及したムーブメントですよねえ。
■なんだかんだで魚類展示をガッツリ見る。
久々(約3年ぶり)の訪問ということで、お気に入りエリアもしっかり見てきました!
サンゴ礁エリア。奇をてらわない感じの4本の水槽が好き。
個人的にイチオシの「自然水景」エリア(通称ADAコーナー)。すみだ水族館、なんならここをメインで見に行ってる感すらある。
順路いちばん最初に2つ並んだこの水槽、実は
左:南米産のカラシン(テトラ)の仲間
右:東南アジア産の小型コイの仲間
っていうふうに産地別展示になってるんですよ。
どこにもその説明書きはないけど、そういう密かなこだわりがとても好き。
(水族館側というよりは、このエリアを監修している株式会社アクアデザインアマノ(ADA)のこだわりかもしれないけど)
その水槽に泳ぐ東南アジア産の小型コイ、ラスボラ(トリゴノスティグマ)・エスペイ。
しっかり飼いこまれて、全身はおろかヒレまで橙色に染まる美しさ。好き。
こちらも見事なハーフオレンジ・レインボー。
オス同士が顔を合わせるとウロコの色素胞がギラギラ輝いて、まさにエモーショナル(感情的)。
魚の表情や気持ちは俺には分からないけれど、感情が宿るとしたら顔じゃなくて、ヒレとかウロコなのかもなあ、魚の場合。
この「自然水景」のエリアでいちばん大きな水槽にひっそりと泳いでいる、バディス・ソラヤと思われる魚。2014年からずっと何個体も泳いでるので、たぶん水槽内で繁殖してる気がする。
この魚については過去に別記事にも書いたので、よければそちらもお読みください。
2014年にここで初めて出会ったときは、まだ新種記載前の「バディスの一種」だったんだよなあ。それを思い出して、何度見ても感慨深くなる。
あ、クラゲ大水槽を見てきた話のはずが、最後はけっきょく魚の話になってしまいました。
冒頭にも書いた通り、ここ最近の水族館のリニューアルって「クラゲ」がメインに据えられていることが多くって、それは
・クラゲの飼育技術が確立されたこと
・ミズクラゲに関してはコンスタントに繁殖もできてること
・海獣展示に比べると、諸々のハードル(入手性、コスト面、動物福祉面)が低いこと
とかがたぶん背景にあって。
素人考えながら、これからも「クラゲ展示を1つの目玉にする流れ」は続くのかもなあ、って思ったりしています。
なにはともあれ、そうやって集客を稼いでコロナ禍を乗り切って、すばらしい魚類展示が見られる場がいつまでも残ってくれれば。魚好きのはしくれとしては、それでいい。