2019.10.06_葛西臨海水族園~飼育係さんのロマンたっぷり!企画展示『河童を飼ウの法』

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■水族館に、河童を探しに行きました。

2019/8/10~2019/10/15まで、東京・葛西臨海水族園で企画展示『河童を飼ウの法』が開催されていました。この企画展の「河童水槽」がかなり評判だったので、なんとしても会期中に見に行かねばと思い、東京まで遠征することに。

河童水槽が展示されているのは、屋外にある「淡水生物館」の中。
本館を駆け足で見学したあと、いそいそと展示場所へ急ぎます!(本館も久々に行ったので、そのうち別途レポートします!)

■いざご対面、河童水槽!想像以上の本気度がスゴい!!

「淡水生物館」は、葛西臨海水族園のメイン展示(本館)を出た後の屋外エリア(「水辺の自然」エリア)にあります。本館が混んでいてもこちらは比較的静かなので、実は昔からお気に入りエリア。

人工池の水中部分が眺められるよう半地下の「淡水生物館」。コンクリ打ちっぱなしでちょっと無機質な階段通路を抜けると、さっそく河童展示の始まりです!予想以上にスペースをしっかりとった展示でした。

古文書をイメージした、掛け軸風の展示解説!渋い……。

「カッパを展示」なんていうと、なんだか落語に出てくる両国広小路のあやしい見世物小屋みたいですが、これはガチ!本気の水族館展示です!

■知識と知恵と想像力をフル動員!飼育係の方々の「本気の悪ふざけ」(笑)

改めて、河童展示の全貌がこちら。(かなり読み応えのある展示解説なので、クリックしたら拡大して全文読めるように載せときます)

一、河童の体のつくりとくらし
二、河童とわたしたち
三、いつか河童と出会うために

という構成で、形態学/生態学的な視点・文化史的な視点・保全学的な視点から「河童」という生き物をしっかり分析。すごい。本気だ。(ぜひ拡大して全文読んでみてください)

大きさ:8cm~100cmくらい。
参考文献によってずいぶん幅があるようです。8cmの河童はいいなぁ。手のひらサイズ。

そしてこちらが!
「もしも河童を採集できたら」という仮定で準備された河童水槽!

体長25cmの河童を想定。
水槽サイズは恐らく120cm水槽。ちょっと小さいような気もするけど……でも体長50cmくらいの魚をこのサイズの水槽で飼ったりもするし……。(「河童は高度な知能を持った生物なのだろうか」ということでしばし思い悩む……あんまり狭い水槽で飼うと、動物福祉の観点から問題視されそうだなぁ。。。)

河童の採集計画。
生物採集の専門部署(「調査係」)があって、展示している生き物の多くを自前で調達してくる「かさりん」の本領発揮ですね!

・カッパは鉄を嫌うので釣り採集はNGではないか
・ワナのエサは「尻子玉」が大好物!でもキケン!

「エサは尻子玉」についてはしっかり裏付けがあって、葛飾北斎の「北斎漫画」が原案になっているのですね。参考文献に基づいてしっかり分析・考察をしている、この辺の本気度がつくづくすごい。

こちらは飼育計画。
ちょっと感動すら覚えてしまったのでそのまま引用させてください。

河童を飼おうなんて、ふざけているように思われるかもしれません。しかし、飼育係はいつも、まだ誰も飼育したことのない生き物の飼育に挑戦して、その謎の生態を解き明かしたいと思っています。(中略)それが河童のような謎に満ちた生き物であっても、いつか飼育できる日を夢みて準備をします

これはほんと、胸にズバッと刺さりました!

「飼育係という仕事とは」「水族館で生き物を飼育/展示することとは」ということに対して、どこまでもまっすぐに向き合った文章。

「河童」というまだ見ぬ生き物を題材にすることで、飼育係の方々の本音が引き出せたんじゃないかと思いました。きっとこの展示を作り上げるの、すごく楽しかっただろうなぁ……。

・エサの頻度:河童と相談する
・たまには相撲の相手をしてあげる←エンリッチメント
・お皿の水がこぼれると弱るので常に水がしたたるシステムを!

あたりがほんと、ツボです。(実際に、展示水槽は濾過装置からの復水がシャワーパイプからしたたるシステムになっていた)

・「河童は希少生物なので保全活動についても考える」
・捕まえたら新種として記載の予定。(学名も考えられている)

ちょっと、、、すごい。本気だ。

エサの頻度について相談できたり一緒に相撲をとれる、それくらい人間と意思疎通できる生物が新種として発見された場合に、おとなしくタイプ標本になってくれるのか分からないけど……。そもそも水族館で飼育して大丈夫なのか分からないけど……。
(しかし……生態も分類上の位置づけもよく分からない新種の生き物の場合、動物福祉についてどう考えるのだろう??シ●シェパ●ドあたりはやっぱり、展示に反対するのだろうか??)

エサは大好物のキュウリと、しっかり栄養バランスを考えてタンパク源となる魚。キュウリの香りがするアユを!っていう発想がもう、素晴らしいです。

※ちなみにアクアマリンふくしまに行くと、「河童のモデルはカワウソ」という仮定のもとカワウソが展示されていて、その水槽には大量のアユが泳いでいます。

■河童さんのご来館をお待ちしています!

河童展示の横には人工池を利用した水槽展示が。(河川中流域の生物を展示)
そしてここに、河童採集用のカゴ罠が仕掛けられているのです。

展示期間終盤には台風19号が来て水族園が臨時休館になったりもしたので、河童たちも増水した荒川を避けてこっそりここに避難していたかもしれないですね!

■個人的には「河童」といえばアクアマリン、でした。

ところでこの葛西の「水辺の自然」のコーナーは、アクアマリンふくしまの「カワウソのふち」コーナーとどこか似た雰囲気を持っています。

アクアマリンふくしまでは、「河童のモデルはカワウソだ」そして「川で遊ぶ子どもたち=川ガキもいまや絶滅危惧種」というテーマを以前から打ち出しています。河童を世界で最初に展示するのは、葛西じゃなくてAMFだと思っていたぜ……。

河童は川で遊ぶ子どもたち、「川ガキ」の代名詞です。日本列島には北から南まで河童伝説があります。伝説の主、ニホンカワウソ(ユーラシアカワウソの亜種)は1979年以来目撃情報が無いことから、環境省が2012年8月28日に絶滅宣言をしました。 昨

オープン当初から友好館関係にあり、館としてのコンセプトも通じるものがある「かさりん」と「AMF」(現AMF館長の安部さんは、元かさりんの園長です)。
次はぜひ、2館コラボでの河童展示が見たいです!(できれば、かさりんがリニューアルしたら河童展示を常設展にしてほしいなぁ……。カワウソを展示する伏線なのかもしれないけど……。)

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