【水族館探訪記】2019.12.08_葛西臨海水族園で「イタチザメ」を撮ってきた!

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昨年(2019年11月)、葛西臨海水族園にイタチザメ(Galeocerdo cuvier)が入りました!

この数日後の11月21日には、同じく遊泳性で大型のサメであるアオザメの搬入も公式Twitter上で告知され、突然の「かさりん秋のサメ祭り」にTwitter上の水族館好き/魚好き/サメ好きは湧きたったのでした!

アオザメの方は搬入後2日ほどで展示終了(=死亡)となってしまったようです。

外洋性で飼育が難しいことでも知られるアオザメ(世界的にも、1週間以上の飼育展示に成功した例は、おそらくほとんど無いはずです)。その姿を拝むことができた方、本当に羨ましいです……!(↓↓中にはこんな例も……笑)

■せめてイタチザメだけでも見に行きたいっ!!!

残念ながら自分はアオザメの泳ぐ雄姿を拝むことはできなかったのですが、機会があればせめてイタチザメだけでも……と思い、12月の東京遠征の際にかさりんに立ち寄ることに。

ちなみに「せめてイタチザメだけでも」なんて言っていますが、イタチザメだって水族館で見かけることは滅多にないレア魚種。
唯一、沖縄の美ら海水族館では比較的長期の飼育にたびたび成功していたり飼育下繁殖の記録もあったりしますが、都内の水族館で多くの人がその姿を観察できるというのは実はとても貴重な機会なんですよね。

そんなわけで、別件(サンシャイン水族館撮影会)で東京遠征した際にどうにか時間を作り葛西臨海水族園へ。

ふだんは1つ1つの水槽をじっくり眺めながら館内を何周も何周もするのですが、この日は(時間がなかったこともあり)入館してまっすぐ大水槽へまっしぐら。

展示されているのは、クロマグロの展示で有名な回遊大水槽。(クロマグロたちとは別ブロックで飼育されています)

■いよいよイタチザメ様とのご対面!!

「大水槽で展示されている」ということは事前に知っていたものの、水槽内のどのあたりにいるのか或いは水槽内を自由に泳ぎ回っているのか分からず、しばらくは大水槽周りをウロウロすることに。
シノノメサカタザメが泳ぐ水底付近……いないなぁ。
オキザヨリやスマの群れに混じって……いないなぁ。

でも、「新入りさん」に会いに行くときのこういうドキドキ感もいいものですね。

そしてついに……いた!!!

(あやしいサメ発見……。もしかしてこいつが??!)

このサバ模様、まぎれもなくイタチザメ!!

水槽搬入から半月ほど経過していて、その間わりと落ち着いたコンディションだったこともTwitter等で目にしていたので、安心してその姿を拝むことができました。(飼育難度の高いサメ類の場合、「ほとんど死にかけ」みたいなこともままあるので)

全身像はこちら(右向きと左向きと両方)。
う~む、確かにしっかりした泳ぎっぷりです。搬入当日に公式Twitterで公開された写真よりお腹もこころなしかふっくらした感じで、きちんとエサを摂れているように思われました。

(しっかり魚名板も追加されていました)

■イタチザメ観察にっき。

その姿に見惚れてしばらくイタチザメの遊泳エリアに釘付けになっていました。

どうやら、写真の赤線部分をメインの遊泳場所にしているようです。スマやハガツオが群泳する円柱部分からちょっと入り込んだ、水路のようになった部分。

グルグルと高速で遊泳するスマやハガツオは、この水路部分にはめったに入り込んでこないようです。
今回入ったイタチザメも体長1mくらいで、スマたちと体格的には引けを取らないサイズではありますが、そこはまだあどけない顔をした幼魚。我が物顔で泳ぎ回るスマたちと対等に渡り合うのはちょっとしんどそうです。水槽内で棲み分けできるスペースを確立できて良かったなと思います。

たまーに写真のオキザヨリがイタチザメの遊泳スペースに迷い込んでくるのですが、やはり広い場所がいいらしくすぐに出ていきます。

左側の鼻先にちょっと傷があるけれど、水槽の壁面やガラス面はしっかり認識しているらしく、ぶつかる様子もなく器用に泳いでいます。(水槽の上部から急造したっぽいパイプが入っていて、上手く水流をつけることで壁にぶつからないよう遊泳を誘導しているのかもしれません)

■我らがヨシキリザメと比べてみた。

それにしても見事な三白眼。
地元・仙台うみの杜水族館で見慣れたヨシキリザメとは印象がだいぶ違います。

こちら、仙台うみの杜のヨシキリさん。黒目がちなんですよね~~。

サイズ感もまだあどけない顔つきも、なんだか共通するものを感じる葛西のイタチザメと仙台のヨシキリザメ。分布や生態は異なる部分もありますが、どちらも長期飼育の例が少ない大型サメ類ということも共通しています。

(仙台のヨシキリザメを見ている限り「なるべく小さめ個体から飼い始める」「あまり他の魚を入れない」「ガラス面にぶつからないよう円柱型の水槽で飼育する」「水流をつけてガラス面沿いに遊泳するよう誘導する」なんてところが工夫されているのかな、と思います)

イタチザメはヨシキリザメと比べると沿岸性が強いので、今回みたいな小さめサイズから飼い始めて上手く水槽に馴れてくれれば長期飼育も軌道に乗るのかな、なんて想像します。少しでも長生きしてそして大きく成長してほしいなと思います。

「ヒレのついたゴミ箱」「人喰いザメ」とも呼ばれてしまうイタチザメ……。その貪欲さと優れたハンターっぷりを正しく伝える、貴重な生体展示になれば嬉しいなぁ。(水族館でツマグロとかシロワニを見て「わぁ、サメだ、おっかない」なんてリアクションを聞いてしまうと、なんだか違和感が……。)

■給餌タイムにも遭遇!!!

そんなこんなで大水槽の片隅でイタチザメを前に立ち尽くしていると、大水槽の給餌タイム&スポットガイドが始まりました!!

まずはクロマグロの泳ぐ大水槽。

エサは青魚(アジ)とイカ。

水槽内、最大級サイズの1匹がエサに突進していく。すごい迫力……。

一方こちらは、反対側のスマ・ハガツオ・オキザヨリの飼育エリア。
スマやハガツオは体は小さいけれど、まるでロケット弾のように敏捷にエサに飛びつく姿は、クロマグロとはまた違う迫力が……。

ほかの魚があらかたエサを平らげたところで、匂いに誘われたのかイタチザメも出てきました。

さっきまでなかなか泳ぎに出てこなかった大水槽の広い部分を、ゆっくりとひと回り。残念ながらエサのおこぼれにありつく姿は見ることができませんでしたが、やっぱりエサの匂いには敏感なんだろうな。貴重な1シーンを見ることができました。

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