【2021秋 東海遠征】碧南・南知多・タケスイ3館ハシゴ編

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2021年11月某日。
プライベートではとても久しぶりに、愛知・東海方面へ。

メインの目的地は岐阜県の淡水魚専門水族館「アクア・トトぎふ」だったのですが、その話はまたそのうち。(企画展「極彩蛇頭魚-スネークヘッド-」をどうしても見たくて、会期ギリギリに駆け込み訪問してきました)

2泊3日の2日目は、丸1日完全フリー。
初日からレンタカーを借りていたので、今ならどこにでも行ける。名古屋市から半径100㎞以内に水族館が10ヶ所以上は存在する東海エリア、本当に困っちゃいます(嬉しい悲鳴)。
けっきょく出発日までに行程を決めきれず「まぁ現地に行けばなんとかなるさ!」と、宿ナシ状態で現地に飛びました。

結論から言うと
■碧南海浜水族館(滞在時間:9時~12時)
■南知多ビーチランド(滞在時間:13時~14時)
■竹島水族館(滞在時間:15時半~17時)

という、まさかの愛知県内3館ハシゴ旅となりました!

日頃「1つの園館に朝から夕方までいる」「下手すると2日連続同じ水族館に行く」という水族館訪問をしがちなわたくし。
今回、なぜそんな旅程が錬成されたかは、もしよろしければここから始まる長い長い旅行記(?)を読んでいただければ幸いでございます。

■1館目:碧南海浜水族館

冒頭に書いた通り、この遠征の初日はアクア・トトぎふを訪問しておりました。

「トトぎふ」退館後、駐車場でしばし思案。

(せっかくならまだ未訪問の園館に行きたい)
(もしくは10年以上行っていない名古屋港水族館に行きたい)
(でも日曜日なので、場所によっては混雑してそうだぞ)

という気持ちで揺れていました。

『三密回避』云々という以前に、ぼくは混雑している水族館がとても苦手。
(経営的なことを考えれば、賑わってる館内を見て嬉しくもなるのですが)

この状況で、できるかぎり混雑を回避するには……
・やや僻地の(アクセスのよくない)園館に行く
・開館直後の時間帯を狙う
というのが王道メソッドですね!(たぶん)

そんなこんなで悩んだ結果、第一候補地は「碧南海浜水族館」(愛知県碧南市)としました!この日は知多半田駅近くのホテルにチェックイン。

翌日。
朝イチでホテルをチェックアウトし、碧南海浜水族館へレンタカーを走らせます。道は空いていて、開館15分前くらいには現地に着きました。

臨海公園の一角にある小さめな水族館。
背後に見えるヨットは「ボヘミアンⅡ号」という、単独世界一周した船とのこと。

入ってすぐにウミガメ水槽があって、アカ/アオ2種類のウミガメの幼体が展示されています。
入り口から見える水槽はこれだけなので、この先にどんな水景が広がってるのか想像がつきません。初訪問の身としては、ドキドキしながら開館時間を待っていました。

エントランスからはうかがい知れなかった館内。順路を進むと出迎えてくれるのがこの大水槽!正直「めちゃくちゃ大きい」大水槽というわけではないけれど、大きさの割に見応えがあります。

2年ほど前にリニューアルされたらしくて、なんだかやたら見応えがあったのは擬岩が新しくなったせいなのかも。そして水槽と魚の大きさのバランスとかなんだろうなぁ。(大型魚が少ないので水槽が広大に見えるのかな、とか、素人考察。)

大水槽前のホールには円柱水槽がいくつか。
イマドキの新しい水族館とは言えないけど、こういう楽しげな空間、すごくワクワクします。

順路を進むと、一気に濃密さを増す水槽展示たち。
いちばん手前はキサンゴの群生水槽。そこから先も個性的な水槽が並びます。そして、アクリル面にあえて各水槽のテーマを貼っているのも特徴的でした。

開館直後だったからか、日曜日でも空いている館内。
上質な魚類展示の数々とあいまって、幸せな館内滞在となりました。

もちろん実際には完全無人状態ではなくて、待機列を作って開館と同時に入場された方が何組か。その後もお昼にかけては地元の方と思われるファミリー客が目立ちました。たまたまこの日だけかもしれないけれど、じっくり水槽を眺め、解説板を読みながら館内を廻る客層が多かったのがとても印象的でした。

地元・野間海岸(といっても細かいことを言うと、むしろ南知多ビーチランドの目の前の海岸なんだけど)を再現した磯水槽。

近海性の魚種にこだわっているのはもちろん、擬岩は実際の野間海岸の岩肌を再現していたり、さらには背景の書き割り(イラスト)も実際に海岸から見える飛行機や船の大きさの比率を再現していたりと、とんでもなく現地感にこだわった展示。

造波装置が導入されていて、波に揉まれながら石の間に潜む磯魚たちの姿がとてもよかった。ずっと見ていると、実際に磯に行きたくなる水槽です。

こちらは淡水魚展示。ジオラマ部分の植栽が見事!

両生類展示も充実していました。

そしてなにより、国内ではここでしか見ることのできないドラゴンズ・ベビー(ホライモリ)。さすが中日ドラゴンズのお膝元。
愛知万博の際にクロアチアから寄贈されたとのことです。(あとで調べたところ、洞窟内の水質を再現するために海外の硬度の高いミネラルウォーターを飼育水に使っているのだとか。すごい手間だ……)

この両生類展示で、順路は概ねラスト。
とはいえここを抜けると、冒頭の大水槽前に戻るのです。館内を何周もしがちな自分としては最高に廻りやすい順路構成でした。

初訪問の園館の1周目はだいたい広角レンズをつけて館内風景を撮り、2周目からはマクロレンズにつけかえて、生き物たちにぐぐっと迫る楽しみ方をしてました。

けっきょく、滞在時間は3時間くらい。グルグルグルグル、館内を4~5周はしたかと思います。それくらい見応えがあって、そして居心地のいい水族館でした。「奇をてらっていない水族館」というのでしょうか。見たものが、そのままスッと自分の中に知識や情動として入っていくような体感でした。

こういう水族館が地元にあると幸せだろうな。
東海地方遠征の際には、

お昼前くらいから徐々に混み始めたこともあり、ここらが潮時かなと思い水族館を後にしました。あ、移動する前に水族館内のレストランで昼食。

レストランの名前は「キッチン 台所」。
なんだろうこの「ヤングな若者」みたいな語感(笑)。

■2館目:南知多ビーチランド

碧南の地をあとに、次なる目的地を目指します。
ここから近いのは……

南知多ビーチランド(車で30分くらい)
竹島水族館(車で40分くらい)
の2か所でしょうか。

うーん悩む。(ちなみにどちらも未訪問でした)

竹島水族館は数年前から来館者数が急増していて、折からのコロナ対策もあり土日はほぼほぼ入場制限がかかると聞いていました。魚類展示メインで、ぼくにとっては十分に時間を割いてしっかり堪能したいタイプの水族館でもあります。
一方の南知多ビーチランドはコロナ禍で支援プロジェクトが始まったとの情報も……(ということは空いているのだろうか)。

ランチ食べながら少しだけ考えて、「おそらく空いているのではないか」との予測のもとに南知多ビーチランドを目指すことにしました。(※この予測はその後、見事に外れることになります)

天気は快晴。
屋外エリアが多い南知多ビーチランド、晴天がありがたいです!

現地には13時ジャストに到着しました。
ところで、駐車場までのラストの直線道路に入った途端、道の両サイドから「ウチの駐車場に止めてってよ!」的な感じで客引きの地元住民の方が次々と飛び出してきてめちゃくちゃびっくりしました(笑)。どうやら正規の駐車場以外に、近隣の私有地が民間駐車場化してるみたいです。今回は勝手が分からず、割高な公式駐車場に停めてしまいましたけど。

さてその駐車場……あれ、けっこう混んでます。
先ほど書いた通り「空いているのでは」と予測して来たのですが、完全に外れました。予想外の展開におっかなびっくりしつつ、とりあえず入園。

ちょうど13時からイルカショーの時間だったらしく、ちらっと見えたショースタジアムはほぼ満席。「ショーが混んでいるなら……館内展示は空いているはず!」と思い、急いでメイン館である「海洋館」へ。

初訪問の南知多ビーチランド。なるほど、こういう系か……。
沈没船をモチーフにした館内で、変形水槽が多め。探検感覚で楽しむ水族館、という趣向でしょうか。

小魚の探しがいがありそうな水槽!(実際にはここではなく別のいくつかの水槽に、ハゼやギンポやテグリ類が泳いでいました)

かろうじて「無人状態」で撮れたのでまるで屋内エリアは空いているようですが、実際にはこちらも親子連れでそこそこ賑わっていました。小さめの水槽が多くて、しかも「探検しよう!」みたいな作りなので、うっかり撮影に熱中してるとキッズがガンガンぶつかってくる……。

マイワシの群泳が美しい、伊勢湾大水槽。
ここも水槽前は何組かのファミリー客で占拠されていて、あまりゆっくり眺められず。(水槽のすぐ前はキッズ用に1段高いテラスになっていて、自分みたいなお1人さまはなかなか近づけないのです……)

イルカショーが終わって屋内エリアにさらに人が流れ込んできたので、こちらは逆に屋外へ退散。こういうときは素直に退くのがお互いのためです……。

ショーが終わり、ほぼ無人状態のスタジアムを1枚。
次のショーの時間(15時)まで待とうか、一瞬だけ悩んでやめた。

ショープールの下は水中窓になっていて、水中イルカを満喫できます。ちょうどエサやり体験の時間だったらしくて、食事風景に出会えました。
晴れていたので、水中に射す日射しも綺麗。

スタジアム脇にはサブプールがいくつか。サブプールも公開されていて、イルカたちや世話をするスタッフさんを間近で見ることができます。
(※プライバシーに配慮し、画像は適宜加工しています)

こちらのサブプールにも水中窓が!そして距離が近い!
「イルカホール」という、イルカや鯨類について学べる建物になっています。(個人的には、鯨類展示はこういう方が好き)

再び屋外へ。
南知多ビーチランド、本当に細かくエリア分けされていて、そしてイベントの数がとても多いです。常にどこかで何かしらの体験型イベントをやってる感じ。

ペンギン館で、ペンギンのエサやりイベントが始まりました。
すっごい人……!(※プライバシーに配慮し、画像は適宜加工しています)

園内が混んでいてうっかり忘れそうになってしまいましたが、南知多ビーチランド、支援プログラム始動中なんですよね!

ポスターも貼ってあって、なかなかに危機感の伝わる内容。
この日は休日(コロナもやや一段落した11月)ということもあり割と賑わっていましたが、立地と営業時間を考えると、平日はけっこう厳しかったりするのかな……。

#ビーチランドを救え|南知多ビーチランドの支援プロジェクトです。このプログラムは一般的なクラウドファンディングとは異なる新しい形式の「支援プログラム」です。月額型の支援プログラムでビーチランドサポーターになっていただきます。

そんなこんなで、めちゃくちゃ駆け足で広い園内を一周。

それにしても賑わっています。
いや、混み具合は休日の都市型水族館のそれほどではないのですが、小さめな水槽が多いのと園内の順路がアトランダムなので、どこにいてもなかなかゆっくり水槽を眺められない感じ。

13時に入館してから約1時間。
15時のイルカショーが終われば16時の閉館までの時間は空いてくるかなと思ったのですが、なんだかそれまで待つのもなぁ……という気がしてしまって、ぼくにしては極めて短い滞在時間ながら南知多からの離脱を決意……!

退館前に、正門近くにある「ふれあいおさかな館」にも入ってみました。。
こちらもかなりの混雑っぷりです……。(※プライバシーに配慮し、画像は適宜加工しています)

餌付け体験用の特殊水槽。
ほかにも工夫を凝らした展示水槽がたくさんあって、時間さえ許せば1つ1つ楽しみたいエリアでした。

そんなこんなで超駆け足の「南知多ビーチランド・初訪問」でした!
個人的には、海獣類の「ふれあいイベント」にはそれほど気持ちをそそられないものの、魚類展示もじっくり見たら味わい深そうです。次は平日の空いている日に、しっかりリベンジしたいなぁ……と思いつつ、現地を後にしました。

■3館目:竹島水族館

よもやよもやの3館目。

いやほんと、この日の朝までは「AM:碧南、PM:南知多の2館でちょうどいいな」って思ってたんですよ……。(愛知エリアはナイト営業している水族館が少ない)

正直今回はノーマークだった竹島水族館、だけど前々からずっと行きたいと思ってた竹島水族館、まさかこのタイミングで初訪問が叶うとは!

南知多⇒竹島水族館まではクルマで1時間ちょい。(行き当たりばったりな行程のせいで、途中にある有料区間「衣浦トンネル」の料金を2回余計に払うことになった……笑)

竹島水族館の閉館は17時。現地に到着したのは15時半くらいでした。
そして駐車場からチラッと見えたのは……水族館への入場待機列……!
(マジかよ)という気持ちを抑えつつ、焦りながら車を止めて水族館へ。

バッチリ入場規制中でした!
しかしこれはしっかり公式HPで確認済み。(コロナの状況しだいで変わりますが、当時は館内の人数が上限200人までに規制されていました)

実際に行ってみて分かったのですが、この200名というのは館内が混雑しすぎない(コロナだけでなく観覧面でも)絶妙な人数でした。厳しめの入場制限をして、その分200名のお客さんには1時間勝負でしっかり展示を見てもらおう!みたいな水族館側の配慮と意気込みを、ものすごく感じました。

入場待機の間も飽きさせない貼り紙の数々!
噂には聞いていましたが、こういう「小ネタ」みたいなのが本当に秀逸な水族館でした。

10分ちょっと並んで、いざ入館。
日曜日の夕方で帰る人の方が多い時間帯だったせいか、意外とスムーズに入館できました。

文面から「本当はガッツリ展示見て欲しいんだけどごめんな!」という優しさとアツさがめっちゃ伝わってくる貼り紙。

入場したのは15:50ごろでしたので……まぁ閉館時間までいられそうです。(最終入館は16時半)

入ってすぐの通路はちょっと混んでいたので、順路をちょっと飛ばして空いているところから見ることに。

ずらっと並んだ小型水槽!
この一角で展示されているのはほとんどが小型淡水魚、いわゆる「熱帯魚」というやつでした。これはマクロ撮影がはかどってしまう……。

ぼく自身も熱帯魚飼育が好きなこともあり、もうストライクゾーンど真ん中を射抜かれるような水槽群でした。どの水槽もシンプルだけど綺麗に管理されていて、魚が見やすい!

そして、タケスイといえば有名なのは手書きの魚名板・解説ボード!

この「魚歴書」は話題になって、書籍も発刊されています。(前々から読みたかったけど折角なら現地で買いたいと思って我慢してた。今回ようやく買えました!)

秀逸なのが、館内に勝手に出没するフナムシにまで「魚歴書」が用意されていること!
展示されたいのか自由を謳歌したいのか……。

怒涛の手書き解説は「魚歴書」だけにとどまらず……。

館内すぐに掲示されている「飼育スタッフのおすすめ」とか「スタッフ紹介」とか、これらを1つ1つ読むだけでもワクワクしてきます。
とはいえ滞在時間は1時間+α。ゆっくりじっくり読みたい気持ちをこらえて館内を進みます。

個体数&種類数が豊富なウツボたち。
(ここも本当は、時間が許すなら1種類1種類探しながら楽しみたかったところ)

タケスイはほぼ魚類展示にフォーカスした水族館なので(カピバラとアシカもいますが)、館内どこを歩いてても魚類水槽に囲まれています。空いている水槽を見つけては眺め、眺めては撮影し……を延々と繰り返しました。

そうこうするうちに最終入場の16時半を過ぎ、ここからは館内は徐々に空いていく一方。

順路最初には、大きなタカアシガニの標本が。
入館直後は混んでいたのでスルーしたのですが、閉館間際にしっかり見ることができました。

順路最後(というか別室)の「まったりうむ」。
何故かここは割と空いていて、水槽1つ1つをじっくり見ることができました。

綺麗にレイアウトされた水草水槽。
時間があれば、ずっと見ていられます。

タケスイといえば深海生物の展示も有名なのですが、ここだけは時間が足りずにあまり見れませんでした。(深海生物なので、ゆっくり待っていないとなかなか動いてくれないということもあり)

自分は体験しなかったけど(カメラ持ってたので)、オオグソクムシやタカアシガニなどなど、深海生物に触れるタッチプール。

1時間強の駆け足ではありましたが、かなり濃密な水族館滞在となりました!
水槽1つ1つ、魚1匹1匹をしっかり見せてくれる水族館。次回は平日にしっかり時間を確保して、ぜひとも再訪したいと思いました。本当に楽しかったし、自分にとっては居心地のよすぎる水族館でした。

閉館後の夕景。
このあとレンタカーを走らせ、名古屋市内まで戻りました。

■「3館ハシゴ」は久々だった。

水族館の「1日3館ハシゴ」は久々でした。(以前は沼津エリア3館ハシゴ、あと都内水族館5館ハシゴチャレンジとかかなぁ)

特に後半はめっちゃ駆け足で、南知多ビーチランドと竹島水族館はそれぞれ約1時間ずつの滞在でした。(前述しましたが、これは自分にとってはとても短い訪問時間です)

それぞれ1時間ずつの「水族館内巡回RTA(Real Time Attack)」が、まったく違う印象を残したのも興味深かったです。

かたや、入場はまったく並んでなくて、でも園内のあちこちに人が溢れて賑わっている、ふれあいイベント多めの南知多ビーチランド。
かたや、入場するのにしばらく待つ必要があるけど、館内は人数制限が効いていて無理なく展示を見られる、魚類展示多めの竹島水族館。

どちらのやり方が正解という話ではありませんし、館内の広さも、展示の特徴も、水族館としての性質も違う南知多とタケスイ。単純に比較はできません。

ただ「お待たせしてごめんね!その分ガッツリ、展示を見ていってね!」というメッセージを随所に感じられたタケスイでの1時間(+α)が、これまでのどの水族館訪問にも勝るくらい、なんだかとても濃密な時間だったのです。

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