コラム『水族館とはラーメンである。』

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ぼくはラーメンが好きだ。

……。
のっけからなんだか意味ありげな書き出しだけれど、特に意味はない。
だいたい「ラーメンが好きか嫌いか」という二元論的な質問であれば、日本人の大多数が「好き」と答えるのではないだろうか。(「大好き」かどうかは別として)

※そう思ってググってみたところ、こんな記事を発見。

タイトルは「日本人の6人に1人が実はラーメン嫌い」ということになっているけれど、その半面、「好き」と答えた人は実に64.5%
価値観の多様性が進む現代において、この支持率は地味にすごいことなんじゃないだろうか。

まぁそんなわけで、突然「ラーメンが好きだ!」と声高に宣言したところでまぁ「え、俺もだけど?それがどうかした?」と言われてしまう話ではあります。

■唐突に思いついた「水族館=ラーメン」理論。

水族館とはラーメンである。

……。
またしてもなんだか意味深長な書き出しだけど、大した意味はない

それにしても「ラーメン」という食べ物の奥深さよ。

さっきのアンケート記事通り、「ラーメンが好きだ」は軽々しく口にしていいと思うんだけど、「自分、ラーメンに詳しいんだ」となるとこれはもう、そうそう容易く口にできるセリフではない。

あなた、仮に職場の数十人単位の会合かなにかで「わたしはラーメンに詳しいんです」とでも発言してごらんなさい。
するとどうでしょう。瞬く間に「いちばんオススメのラーメン店はどこ?!」「なにラーメンが好きなの?!」「**の○○亭はもう行ったことあるのか?!」などなど、きっと容赦ない質問の雨あられ。

もしそれらの質問に「……いや、実は○○亭にはまだ行けてなくて……」などと答えてしまえば、きっとあなたの社会的信用はガタ落ち。尊敬と期待のまなざしはあっという間に落胆と軽蔑に変わり、詐欺師ペテン師と罵られ、あなたは飲み会帰りにひとり寂しく「幸〇苑」でラーメンをすするのです。。。

……まぁそれは大げさに過ぎるとしても、とかくこの「自称**マニア」ってやつは危険である。(それと同じくらい、知識量や経験量の差でマウントを取りあうのも危うい風潮だと思うけれど。)

さっきの話に当てはめれば、あなたがもし職場や学校でつい「実はぼくは水族館に詳しいんだ」などと発言したとしましょう。
するとどうでしょう。次々に飛んでくる「どこの水族館がいちばんオススメ?!」「マンボウってやっぱりすぐ死ぬの?!」「水紀行館 水産学習館にはもう行った?!」などなど、遠慮なしの質問が殺到することでしょう。

※なお、筆者は「水紀行館 水産学習館」(群馬県唯一の水族館)にはまだ行ったことがない。

とにかく、ラーメンにおいても水族館においても、軽々しくマニアを名乗ってしまうと時に面倒なことになるぞ、という話である。

■「水族館はラーメンである」理論その1:数がやたら多い。

「ラーメン評論家」として実際に活躍されている方の多くは、数千杯、ときには1万杯以上のラーメンを食しているのだそうである。

これはひとえに、ラーメン店の数がものすごく多いことに起因する。

正確な統計は不明だけれど、軽くググッたところ日本には2万軒とも3万軒とも言われるラーメン店が存在するらしい。これではラーメン店をちょっと100軒や200軒巡ったところで、「ラーメン評論家」なんて名乗れないわけである。

※ちなみに自分は……と思い今まで行ったラーメン店を一生懸命思い出してみたけれど、37軒くらいでギブアップした。

これと同じことが、水族館にも言える。

とはいえ、日本全国に現存する水族館の数はざっと120か所前後と言われており(諸説あり)、ラーメン店と比べればその数は遥かに少ない。
けれどこの約120か所の中にはとんでもない立地にある水族館がいくつもあるし、1杯15分もあれば完食できるラーメンと違って、どんなに小さな水族館でも真剣に見て回れば最低30分くらいはかかる。(大きなところなら1日かかっても回り切れなかったりする)

そしてラーメン店も水族館も、全国津々浦々に存在している。
これがラーメンでなく「長崎ちゃんぽん巡り」であれば……。水族館でなく「こけし資料館巡り」であれば……。幾人もの自称ラーメンマニア、自称水族館マニアが、そのあまりの広域分布っぷりに涙をこぼしたのではないか……と思われる。

というわけで、「全国水族館巡りの旅」は「全国ラーメン巡りの旅」と同じくらい長く険しい道のりなのではないだろうか、と思うわけであります。

どこにも行けないGWなので、おうちで今までに行った水族館を数えてみました。結果、見えてきた今後の課題(笑)。ポストコロナは、あちこち遠征しまくるぞー!

(ちなみに水族館に関して、ぼくの訪問園館数は現時点で約60か所……。
ぼくが軽々しく「好きな水族館ベスト3」みたいな記事を今のところ書かないのは、まぁそんな理由です。そういうことは、せめて100か所以上巡ってから、そしてできれば各園館に2回以上訪問してから言いたい! ※自分ルール)

ま、誰しもが「ラーメン?1万杯以上食べましたけどなにか?」みたいな評論家にならなくていいのだと思う。
むしろ「ラーメン?詳しくないけど好きだよ?近所の**亭によく行くなぁ。あそこのネギラーメンは最高だよ!」みたいな人の方が圧倒的に多いはずで、水族館に関してもそれでいいと思うのです。

■「水族館とはラーメンである」理論その2:好みの振れ幅が大きい

ぼくが社会人になったばかりのころ。

上司と2人での外回り営業中。
「そろそろ昼だな……ラーメンでも食わね??」
「いいっすね!このへんでどっかオススメのラーメン屋あります??」
「うーん……あるけど……ラーメンの好みって人それぞれだからなぁ」

そんな会話をしたことを、なぜだか今でも鮮明に覚えている。

そう。
ぼくはグルメじゃないから分からないけど、「ラーメン評論」が難しいのってきっと、この「振れ幅の大きさ」があるんじゃないかなぁ。

塩ラーメンもあれば醤油ラーメンも、味噌もトンコツもある。
こってりもあればあっさりもある。
鶏ダシも豚骨ダシも魚介ダシもあり、それらをブレンドさせることもある。
具材もチャーシューに煮卵、メンマ……

要素が多すぎるわっ!!!

ちなみにウチの妻さんは過去にラーメンスープ系のお仕事(なんだそれ)をしていたのですが、まだ付き合って間もないころに2人で入ったラーメン屋でぼくが「あ!このラーメン旨いね!鶏ダシが効いてて!」などと口走ったところ「……これたぶんトンコツ醤油だよ?」って言われたことがあります。

デート中の知ったかぶりは危険。水族館でもな!!
(あと味オンチということが発覚)

というわけで、ぼくは中太のちぢれ麺であっさり醤油系のラーメン(チャーシューがトロトロしてるやつ)がまぁまぁ好きなのですが、世の中にはジロリアンの方もたくさんいらっしゃいますし、福岡旅行に行けばやっぱりトンコツラーメンが食べたくなったりするわけです。
(あと酒を飲んだ後は塩ラーメンが食べたくなる)

これと同じことが、水族館にも言える。

イルカショーの素晴らしさを讃える人もいればペンギン見たさに遠方の水族館に通い詰める人も、ぼくのように魚メインで楽しむ人もいます。(そもそも生き物を見るのではなく蒼々と水をたたえた水槽を眺めるのが好きな人もいれば、入場券の半券をひたすら集める人もいます)

最新鋭の都市型水族館でキラキラの映え映え水槽に圧倒されたいときもあれば、地方のややさびれた水族館のレトロさに浸りたいときもあるわけです。

なので……頼むから「どこの水族館がいちばんオススメ?」って質問をやめていただけないだろうか。。。ラーメンガイド本でランキング1位のラーメンが、必ずしも「全員が美味しいと思うラーメン」じゃなかったりしますし……。

(そして、だからあまり「**水族館はイマイチだった」的なことを書きたくないわけです。だってそこが「誰かのイチオシの水族館」だったりするかもしれないじゃん。)

■「水族館とはラーメンである」理論その3:いつでも誰とでも。

『北の国から』というテレビドラマの中で、「子どもが、まだ食ってる途中でしょうが!!」という名シーンがある。

詳しい説明は省くけど、あのシーンで食ってるのが「ラーメン」だから絵になるんだろうなぁ、と思うわけです。

※なお、この名シーンのロケ地となったラーメン店(三日月食堂)は富良野駅前に実在。今ではもう閉店してしまったそうですが。(学生時代に『北の国から』ファンだった両親と食べに行きました)

「ラーメン」という食べ物の包容力というか懐の深さみたいなものが、「親父が一生懸命建てた丸太小屋をウッカリ全焼させちまったこと(しかもそれを親友のせいにしたこと)を泣きながら告白する幼い子ども」とかいうめちゃくちゃ重すぎるシーンを包み込んでくれるわけです。
(うん、我ながらうまくこじつけたぞ)

それはさておき。
ラーメンってほんと、夏でも冬でも旨くって(夏は暑いという人は山形県の冷やしラーメンをどうぞ!)、朝でも昼でも夜でも食べられて、ひとりでもカップルでも友達とでも食べに行けて……。
ラーメンって大衆的なイメージがあるけれど、なかには「一流の料亭で修業した料理人が作る至高&究極のラーメン」みたいなのもありますし(何ジャッシュのタナベさんだよ!)、その汎用性には目を見張るものがある。

これと同じことが、水族館にも言える。

家族で行ってもよくって、デートコースにもなり、遠足でも行ける。
雨の日でも晴れの日でも楽しめて、夏でも冬でもやっている。(なのに何故、夏ばかり混むのだ。。。)

最近は我々のような「自称・水族館ガチ勢」が声高に「おひとりさま水族館 is 最高!」とか言ったりもしてますが、やっぱり誰かと行く水族館は楽しいです。

別に水族館は「自称・ガチ勢」(なんだよガチ勢って)とか「生き物マニア」のためだけにある施設じゃないので。
カップルが水槽前で2人だけの世界に浸っていたり、親子連れで賑わっていたりする館内も、いいなーと思います。さっきも書いたけど、誰もかれもが「むずかしい顔してカウンターに座ってラーメンを食す評論家」ばかりじゃなくていいでしょ。

まぁ……生体展示そっちのけで「映え」にばっかりこだわるのって(そういう園館が実在するかどうかはともかく)、「インスタ映え目当てでオシャレな創作ラーメン店に行ってちゃんと食べずに帰る」みたいな話に思えて、あんまり好きではないですが。

■身もふたもないまとめ。

というわけでやや唐突に思いついた「水族館とはラーメンである」理論。

まぁぶっちゃけ「ラーメン」という食べ物の懐の深さに助けられたところが大きいです。

だって「ロックンロールとはラーメンである」だって、

「巨人軍とはラーメンである」だって、

頑張ればなんか無理やりこじつけて、それなりに書けちゃいそうだもの……。

■最後に懺悔。

「水族館とはラーメンである」というパワーワード(笑)が天啓のように舞い降りてきたとき、ほぼ瞬間的に「よし!トップ画像は鶴岡市立加茂水族館のクラゲラーメンにしよう!」と思った。

けれど不覚にもクラゲラーメンの写真を撮っていませんでした。
とても悔しいので某水族館の天丼の写真にしておきました。

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