小さい魚を撮るのが好きだ。

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小さい魚を撮るのが好きだ。

なーんて言うと自分がさも繊細な美的感覚の持ち主のようだけど、見た目も性格もそういうデリケートさとは無縁の男です(笑)。
もしかしたら「自分にないものを求める」みたいな心理なのかもしれない。

もともと、こういういわゆる「小型美魚」から熱帯魚飼育に魅せられた人間なので。
こんな風に水草の茂みを小さな魚たちが泳ぐ光景を見ると、いまでも胸が高鳴ります。

自宅でも飼育が楽しめる種類が多いのも、嬉しいところ。

小型シクリッドって、綺麗で見ていて楽しくて繁殖にも挑戦できる、いい魚たち。(写真はミクロゲオファーガス・ラミレジィ)

水族館でも、この手の魚たちを見つけると撮影魂に火がつきます(笑)。

水草の茂みから見え隠れする、チラリズムな構図が好き。

海水魚でも、小さな魚たちが岩陰やサンゴの隙間におさまっていたり、クマノミがイソギンチャクにくるまってる光景が好き。

水面直下を泳ぐ魚は、鏡像を狙ってみたり。

上から眺める姿も、いつもと違う感じでよいですね。

小さい魚たちはとても繊細で臆病で、ちょっとガサツな近寄り方をすると水槽の奥へ逃げてしまう。驚かせないように息を潜めて、できるだけゆっくりと水槽の中の魚たちと相対する、その距離感がいいのです。
「魚たちと向き合っている」ということを全身で実感できる。
魚たちの住処に、そっとお邪魔するような錯覚。

小さい魚の正面顔。
フォーカス合わせにちょっと骨が折れるけど、ビシッと決まると最高に気持ちいい。

この手の小型魚って、オス同士がヒレを広げて誇示行動をする種類が多い。
全身を興奮させて「これでもか」と見せつけあう瞬間は、こっちも最高に興奮します。その一瞬が見たくて、カメラを構えたままじっとじっと待ち続けるのです。

あと、こういうヒレの条の1つ1つまではなかなか肉眼では観察できない。

日本の魚だと、タナゴの仲間の婚姻色は最高ですね。これもまた、写真に撮ってこその美しさ。(写真はミヤコタナゴ。国の天然記念物、絶滅危惧種ⅠA類)

コモチザヨリ。
鼻管がこんなふうに出てるなんて、なかなか気付けない。
やっぱり、水族館でマクロレンズは手放せない。(現在は40mmと90mm、2本のマクロレンズを携えていることが多いです)

「日本一小さな魚」の1種、ミツボシゴマハゼ。
マクロレンズでもなかなかその姿をとらえられない。
だから、撮れたときの感動はひとしお。

小さい魚をマクロレンズで追いかけていると、ついつい、時を忘れる。

それはまるで、幼いころに路傍にアリの行列を見つけて夢中で眺めていたような感覚。
まわりの目も、時がすぎる感覚も忘れて没入していた記憶。

けれどぼくはもう大人だ。そして場所は水族館。
狭い通路を塞がないように、周囲への配慮も忘れずに。
空いている水族館では、ときに少しだけ大胆に。

こちら、カーディナルテトラ。

こちら、ネオンテトラ。
違いがわかるかしら?

「ネオンテトラをトリミングなしでくっきりはっきり撮りたい」という夢が(いちおう)叶ったので、そんな小さな魚たちへの想いをつづってみました。

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