今月末(2018年9月)で閉館してしまう東京タワー水族館。
閉館してしまう前に1匹でも多く、飼育されてる魚たちを紹介しておこう企画、第4弾です!
■「今後が楽しみだった」魚部門
前回が「年季の入った魚たち」ということで、東京タワー水族館らしい貫禄のある“美熟魚”たちを紹介させてもらいました。なので今回はそんな“美熟魚予備軍”とでもいうべき、これからの成長が本当に楽しみだった魚たちをピックアップしてみます。
#1 テトラオドン・ムブ
淡水フグのコレクションもまた、東京タワー水族館が誇る素晴らしい展示物だと思うのですが、現在その代表格的な存在なのがこの「世界最大の淡水フグ」こと、このテトラオドン・ムブ。
とはいえ、最大70cmにもなるということを考えれば、この個体はまだまだ青年といったところ(だいたい30cmくらいの個体です)。
傷ひとつない綺麗な体形で、カメラを持って近づいても物怖じせずむしろ近寄ってくる人懐っこさ。とても大切に育てられてきたことを感じさせてくれる個体です。5年後、10年後……きっと立派な姿をこの場所で見せてくれたのだろうなぁ。
#2 レッド・オスカー
ジャウー水槽の上段にいるのでなかなか目立たないのですが、とても立派な発色のレッド・オスカー。タワ水には昔、成長したオスカーがウジャウジャいる水槽があったのですが今はなく、この個体はきっとまた立派に育てられて水槽の主役を担ってくれるのだろうな…と思っていました。
体形も発色もとても綺麗な個体。東京タワー水族館は、昔からこういうメジャー種、人工改良品種だからこそ良個体を厳選して育て上げて展示してる感があって、魚に対する真摯な姿勢をひしひしと感じるのです。
#3 クラウンローチ
「とにかくデカい魚たち」としても取り上げた本種ですが、あの巨大クラウンローチだけでなく、館内入ってすぐの4段水槽にまだかわいいサイズのクラウンローチが展示されています。
(かわいい、と言っても、普通のペットショップだったら「クラウンローチ L」とかで売られているサイズなんですが)
巨大クラウンローチについてはこちらの過去記事を。
あそこまで巨大化させるのに何年かかるのか分かりませんが、閉館せずにずっと営業してくれていたら、いつかクラウンローチたちの世代交代も見ることができたのかもしれませんね。
#4 ピラルクー
巨大魚の代表格のようなピラルクーなんですけど、いまいるのは1mに満たないまだ若い個体。顔つきからも幼さが漂っています。
以前は館内中央のいちばん大きな淡水水槽(幅3mくらい、今はアリゲーター・ガーが泳いでいる)に1mオーバーのピラルクーがいたのですが、さすがの東京タワー水族館でも実はフルサイズの(2mオーバーの)ピラルクーを展示していた記憶が、少なくとも自分にはありません。
幅3mの大型水槽でもなお狭いということか……。改めてピラルクー、恐るべき巨大魚です。(空気呼吸をする魚なので、本当は水槽上部に十分なスペースを空けてやるか、池みたいな環境で飼育するといいのかもしれませんが……。都内だと足立区生物園のピラルクー展示が見事です)
#5&6 アミア・カルヴァ & ゼブラキャット
これまた、ジャウー水槽の上段にひっそりと展示されています。2匹とも隠れがちなんだけど、運よくツーショットを撮ることができたのでまとめて掲載。確か数年前からこの水槽で飼育されていて、それなりに成長したものの、まだまだ大きくなるサイズ。
このツーショットがすごいなと思うのは、アミアもゼブラキャットも、決して流通量が多い魚でも「ドメジャー」な魚でもないのです(ついでに言うと、一時期より値段は落ち着いたとはいえ、決して安価な魚でもない)。
つまりそんな魚をきっちり入手し育て上げようとしていたということで、現場スタッフの方々はこのアミアやゼブラキャットが立派に育ってそれぞれ水槽でメインを張る日をリアルに思い描いていたんでしょうね。改めて今回の閉館が心から残念に思えてしまう、そんなツーショットです。
とはいえ(一部TVで報道された限り)現在展示されている魚たちの多くは譲渡先が確定しているとのことですので、いつか彼らが成長した姿をどこかで見られることを、本当に楽しみにしています!