※当記事は、旧ブログ(http://aquapicture.blog71.fc2.com/)に掲載したものを移設したものです(掲載日:2017年8月22日)
■ナイトズー、いちばん見たかった動物。
夜の動物園で、ぜひ見てみたかったのがトラ。
シマウマやゾウといった草食獣が、夜のサバンナに佇む姿もいいけれど、肉食獣が獲物を探し、威風堂々と夕暮れの藪の中を歩く姿を一度見てみたかった。
(夕暮れ時のトラ飼育場。うっそうと植栽が茂り、雰囲気満点)
ここ、八木山動物公園で展示されているのは「スマトラトラ」。
インドネシア・スマトラ島だけに住んでいる亜種で、トラの中では最も小柄なのだとか。野生での個体数は約500頭。レッドリストでは「CR(近絶滅種)」に指定されている。そんな貴重な動物を、入園料480円で眺めることのできる幸せと、いつか近い将来、「動物園でしか見られない生物」になってしまうのではという不安。
■スマトラトラ、降臨。
そんなことを考えながら観察窓の前でカメラを準備していると…、
来た。
トラは見回りをするように、悠然と放飼場内をひとまわり。ガラス越しの人間達をひとにらみ。その迫力に思わず、ピントがブレた。
ひと通り縄張り内のパトロールを終えたトラは、飼育員の方が茂みに隠してあった鶏肉を見つけ、あたりをうかがった後、獲物をくわえて岩の上へ。
どっかりと腰をすえて、ご馳走を味わい始めた。
食事後、リラックスした様子で歩き回るトラ。
あの縞模様が、薄暗い藪の中では案外、保護色になっていることに気付く。そして、すごい犬歯だ。絶対に戦いたくはない。