【水族館探訪記】初訪問!サケ遡る「標津サーモン科学館」

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9月某日。
少し遅い夏休みをいただいて、念願だった久しぶりの北海道遠征へ。

今回の目的地は、北海道の中でも最奥地の感がある道東エリア。
東京からは女満別空港とか中標津空港に直行できるんだけど、我がホーム・仙台からだと地味に遠いんだよなあ……。(今回は札幌を一度経由してから行きました)

高校の修学旅行以来、20年以上ぶりに降り立った中標津空港。
「でっかいどう!」感が強い。

■念願の初訪問!標津サーモン科学館へ!

中標津空港から標津サーモン科学館までは、車で約20分くらい。
(今回はこの後、知床経由で北見まで3日間で廻る予定だったので、レンタカーを借りました)

北海道らしい広々とした公園(標津サーモンパーク)にそびえるタワー、そのふもとの建物が水族館。そして、タワーの上には3粒のイクラが乗っている!!

いそいそと入館。
初訪問の水族館に入っていくときのこの感じ、どこに行っても何回味わっても、なんだかそわそわドキドキする。

入館して順路を進み、最初に出迎えてくれるのはこちらの海水大水槽。
(いや、厳密にはチケット窓口や途中の通路にも小水槽がいくつかあるのですが)

サケ・マス類をはじめとして、地元の海の魚が泳ぐ。
そして、ひときわ存在感を放っているのがこちらの魚。

エビスザメ!!!

2021年8月に標津沖で漁獲された個体が、今でも元気に泳いでいる。
10年以上前に大阪・海遊館で展示されていたことはあるけれど、それ以来おそらく水族館で展示されたことはない、珍しいサメ。

同時期に捕獲・展示されていた2匹のうちの1匹は、2022年11月にアクアマリンふくしまに移送・展示されている。アクアマリンふくしまにはよく行くので、そちらは何度も見ていたけれど。
やはり、元々の採集地である標津でその姿を目の当たりにすると、格別な思い。(水槽の照明的に、こちらのほうが見やすいという理由もあります)

■いざ、サケの聖地でサケとのご対面!

初訪問先ということで、とりあえずそのまま順路を進んでいく。

シアター風の観覧席がしつらえられたこちらが、サケの遡上の様子を観察できる「魚道水槽」。

サケ、いた!!!

数日前の増水で水は濁っていたけれど、それでも十分観察できるくらいの数のサケが泳いでいた。

というか、濁った水の中から見え隠れする姿が、むしろカッコいい。

こちらはメス個体かな。
綺麗に「ブナ」ってる。(遡上を始めて婚姻色の出たサケのことを「ブナ」と呼ぶのです)

■イトウ!チョウザメ!「北の巨大魚」が勢ぞろい!

さらに進むと、温室風の空間へ。

階段状のかけ流し水槽になっていて、ここの主役は北海道の誇る巨大魚・イトウ。

シベリアで漁獲されたという、2.1mの「タイメン」(アムールイトウ)の像が飾られている。めちゃめちゃデカい。こんなのが川にいるんだ……。(北海道にはいないですが)

エサやり体験もできます。
遠くの水槽には、この手作り感あふれるスライダーでエサを投入。こういうギミック、なんか好きだ(笑)

イトウに続いて、次コーナーの主役はチョウザメ。
というか、この温室エリアの半分くらいをチョウザメ展示が占めてる(笑)。

水槽自体は養魚場のようなコンクリ製の水槽なんだけど、魚との距離がめちゃめちゃ近い。

魚との距離が近いというか、もはやゼロ距離でチョウザメと対峙できるのが、こちらの体験コーナー。

その名も「チョウザメ指パク体験」!

先ほどのイトウと同じく、ここのエリアの魚たちにはエサやり体験ができるので、エサを撒いて寄ってきた魚たちの前にそ~~っと指を差し出すと……パクリッ!

ちなみにチョウザメの口には歯が無くて(というかサメの仲間ではない)、指パクされても全く痛くないし怪我もしないのでご安心。むしろ滑らかでちょっと柔らかくて、絶妙にクセになる感触でした。(最初はちょっと勇気が要ったけど)

「指パク」体験すると、体験証明書が貰えます(笑)。

2階の一角には、サケ・マス類の稚魚~幼魚を集めた「稚魚コーナー」が。
種苗生産の盛んなサケ・マスならではの展示。

こちらはマスノスケ(キングサーモン)の幼魚。

ほかにも10数種類ほどのサケ・マス類の幼魚が展示されていて、じっくり違いを観察するのも楽しかった。(夏場だったので、結露してしまってちょっと撮りづらかったけど)

■最後はサケたちの乱舞を堪能!!

館内をぐるっと1周(いや実は2周)して。

最終的に「やっぱりここでしょ!」という感じで、サケ遡る魚道水槽の前に帰還。

この日いた中で多分いちばん立派だった、オスのシロザケ。

ぐいんっと湾曲した鼻づら、赤紫色の美しい婚姻色。
「カッコいい」以外のことばが出ない。

つがいのように見えるけど、たぶん2匹ともメス。
いい具合に空が晴れてきたのか、濁った水中に光の束が射しこんで、最高の雰囲気に。

透明度が低い分、水中の奥の方から唐突に「ぬぅ」っと姿を見せるサケたち。
空いているのをいいことに、カメラを構えてじぃっと待つ。

目の前を悠然と泳ぐサケたち。
けれどまもなく生涯のクライマックスを迎えて、生命を閉じるはずなんだ。静かに対峙していると、なんだか荘厳な気持ちになってくる。

そんな静粛さを、ときおり破る水音。

サケが跳ねた。

最初に見たときは、目を疑った。
想像よりずっと力強く、高く飛びあがっていた。

咄嗟にシャッターを切ったけど、ピントを合わせることができなかった。

今度は水槽のすぐ手前側で。
アクリルにぶつかって、鈍い衝撃音が響く。

水槽の左奥側にしつらえられた魚道の堰。その段差を超えようと、何度も何度も飛び上がる。

かろうじてピントがそこそこ合った一枚。(あぁ、、写真上手くなりたい、、)

水族館のショーで、イルカのジャンプを待つのにも似たような撮影感覚。
だけどそれよりずっと尊いものを、まさに生命を削る跳躍を、目の前で観ているというリアル。

着水後の水飛沫も豪快。

水面がうねる感じだったり、濁った水中に日光が射しこむ感じだったり。

同じ瞬間は二度となくて、ずっと観ていられる。

■本物の「サーモン・ラン」も目の当たりに。

水族館のすぐ裏手には、二級河川・標津川が流れている。
(というより、標津川から遡上水路を引き込んだ場所に水族館が建てられている、という表現が正しいですね)

観覧橋までは歩いていける距離なので、副館長の西尾さんに案内をしていただき、野生のサケを見に行くことに!

観覧橋は自由に利用できます。
橋の真下が水門になっていて、サケマス捕獲場と繋がっている。

水面が反射してしまって分かりづらいけれど、水中にはサケがびっしり!
(偏光フィルターとか持っていけばよかった……)

オホーツク海・根室海峡へつながる標津川。

海と川とのつながり、そして人と魚とのつながりを感じることのできる、すばらしい水族館体験でした。

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