【水族館訪問記】2020.01.25_鶴岡市立加茂水族館~「冬のかもすい」の良さを知る。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

■東北の誇る、クラゲ水族館へ。

たぶん3年半ぶりくらいに、山形県・鶴岡市立加茂水族館へ。

【鶴岡市立加茂水族館】
・所在地:山形県鶴岡市
・アクセス:JR鶴岡駅よりバス/車で約30分
・営業時間:年中無休、9時~17時(夏期延長あり)
・入館料:大人1,000円(小・中学生500円)
・公式HP:https://kamo-kurage.jp/
(訪問日:2020年1月25日現在の情報です)
仙台から「かもすい」までは公共交通機関の便が悪く、マイカーで高速を走って約2時間半。
途中、蔵王・月山と豪雪の山越えをしなければならないので冬場に遠征するのはこれまでちょっとためらっていたのですが、今年は暖冬で雪が少ないということもあり、初めての「冬のかもすい」訪問となりました。

結果、冬のかもすいにはこの時期にしか味わえない魅力がたくさんあり、今度からかもすい行くなら冬がいいな~、とまで思って帰ってきたのでした。

■まずは魚類展示を堪能!

「かもすい」といえばクラゲが超有名なんですけれど、立派な魚類展示もあるんです!

そしてその魚類展示の特徴は、ほぼすべてが地元・庄内の川&海の生き物たちだということ。「地元の海」をテーマにした水族館は全国各地にあるけれど、たいていは並行して「サンゴ礁の海」とか「アマゾンの魚たち」みたいな展示もあったりして、ここまで全面的に「地魚」で推してくる水族館は実に貴重だなぁ、と思います。

「庄内の海」の大水槽。
大水槽というほど大きくはないのかもしれないけれど、マダイにクロダイ、マアジ、ブリ、コブダイ、キジハタ……と、目の前の海で釣れる魚たちが勢ぞろいしている。
庄内は磯釣りが盛んで(館内に入るとすぐ「庄内竿」という釣竿が展示されている)、この水槽を見ているだけで目の前の海で釣りをしたくなるような、そんな展示です。

(※ちなみに2014年にリニューアルする前の旧館はこんな感じ。2013年7月撮影)

レトロな雰囲気の旧館も嫌いではなかったけれど、リニューアル後の魚類展示はどの水槽もアクリルの透明感が増して、照明の使い方も効果的で、造波装置によって磯っぽい演出もされていて、ぐっと完成度が高くなったなぁ、と思います。

メバル。
こちらの水槽も水流の演出が巧みで、水中に漂う気泡を活かすと雪っぽい(or宇宙っぽい?)写真が撮れるのがお気に入りです。

ヤマメ……ではなく、海水水槽で展示されているサクラマス。実は「山形県の魚」なんだそう。
このあと参加したバックヤードツアーではサクラマス&ヤマメのスニーキング行動についても詳しく解説されていました。本州日本海側(山形県も含む)では海に降りるサクラマスはほとんどメスで、オスはヤマメ状態のまま川に留まっているんだとか。(嘘だろ、だって北海道の「板マス」ってたいがいオスのサクラマスじゃん、と思ってあとで調べたら本当らしかった。水域によって生態が違うらしい。)

ホッケ。ちょうど産卵期だったのか、水槽内で縄張りを誇示したり追いかけっこする姿がよく見られました。

アオリイカ。
ちょっと暗めな水槽で展示されているので、色素胞が黒バックの背景に映えて……暴力的なまでに美しい……。
エギを使ったアオリイカ釣りも、庄内あたりだと盛んですね。

こちらは特設展コーナーに展示されていたミナミウミサボテン。ウミサボテンって意外と綺麗なのね……。
九州のかごしま水族館と姉妹館関係にあるそうで、このときは「かごしまの生き物展」が開催中でした。ウミサボテン以外には、サツマカサゴとかサツマハオリムシを展示中。

■かもすい、実は撮影ルールが厳格なんです

ところで加茂水族館、入館するとあちこちに「館内撮影についての注意書き」が書いてあります。

こちらはクラゲ展示(クラゲドリーム館)手前の注意書き。
この日は「空いている」~「やや混んでいる」というコンディションで、団体のお客さんが通過するとき以外は普通に水槽撮影を楽しむことができました。

ん~~~、、書き方はちょっと堅苦しいような気もするけれど、「フラッシュ撮影」「三脚の使用」「水槽の独占」が禁止って明記されているのは嬉しいですね。

たびたび議論になる「水族館でのフラッシュ撮影」。結局のところアリなの?ナシなの?「魚好き」かつ「カメラ好き」という立場でちょっと考えてみました。

こちらは入館してすぐに掲げられている注意書き。
「空いているとき」でも「多少の撮影」しかダメなのかぁ……。しかし「多少の撮影」っていったいどういうこと???と、こちらはちょっと読み解くのが難しかったです。
あと、こっちにはフラッシュ撮影の禁止が書かれていませんね。クラゲより魚たち(特に深海魚)のほうが、光には敏感な気もするけれど……。

9月の連休を利用して長野に来ておりまして、大変長らく行くことができていなかった「蓼科アミューズメント水族館」を見学させていただきました!

(↑↑かもすいとはまた別ベクトルで、撮影ルールが厳しい水族館の例)

それで、かもすいがなんでこんなに撮影ルールに厳格なのかというと、それは展示生物への影響という理由もあるんだけれど、たぶん水族館の(建物としての)構成と最近の人気っぷりに理由があるんじゃないかと思います。

こちらがかもすいの館内マップ。
特に魚類展示コーナー(マップの上側)は通路が狭く入り組んでいるのです。これは敢えて通路を蛇行させて「曲がり角を抜けると、そこは**水槽だった!」というサプライズ効果を狙っているのだそう。実際、館内を歩いていると本当にそれを実感します。限られた敷地面積を上手く利用した、見事な演出だなと思います。

一方でクラゲ人気に後押しされて、今では年間50万人以上が訪れるかもすい(ちなみにブーム前の1997年には、過去最低の年間9万2千人を記録しているそうです)。
夏休みシーズンなんかは超満員で、駐車場は水族館から遠く離れた第3駐車場までぎっしり、なんてこともあるんですよねぇ。そんでもって目玉が写真映えするクラゲたちだから、誰しも写真を撮りたがって立ち止まり、通路の狭い館内は大混雑、という様子は想像がつきます。

だから混んでるときの撮影NGは分かるんだけど……空いてるときくらい自由に撮影したっていいじゃん……。「多少の撮影」ってなんだよ、「多少」って。。。(やや根に持っている)

※今回は特になにか言われることはなく、自由に撮影ができました。

※数年前に訪れたときはクラゲ展示室をボランティアのガイドの方が仕切っていて、いつもどおり水槽撮影していたら声をかけられて、「あー、本当は撮影禁止なんだけど……今日は空いてるから特別にOKだよ。」とか「まぁ、クラゲの撮影は難しいから上手く撮れないと思うけど。」みたいなことをやや上から目線で言われて、ちょっと傷ついたのを覚えています。(こっちの話は完全に根に持っている)

※そのときは直前に撮ったまぁまぁベストショットの一枚をモニター表示して「そうなんですよねぇ、、難しくてどんなに頑張ってもこんな風にしか撮れなくて。」と見せたら黙ってくれましたけど。って、性格悪いなオレ。

……さて、話がちょっとあぶなくなってきたので先に進むとしよう。
魚類展示を抜けると、いよいよクラゲ展示室「クラネタリウム」です。

(クラゲコーナーに入る手前にある展示コーナー。実はここは展示会場としても貸出しているのです。いつかここで、かもすいの魚たちの写真展やりたいなぁ……。)
(なので空いてるときにまた「多少の撮影」させてください! 笑)

■いよいよクラゲ展示へ!

実際のところかもすいの魚類展示が大好きで何周でもできちゃうんですけれど、やっぱりここに来たらクラゲたちも見なくてはいけないと思う。

今年2020年は都内や関西のいくつかの水族館でクラゲ展示のリニューアルが発表されていて、さながら「クラゲ水族館・戦国時代」の様相を呈しそうなんだけれど、かもすいのクラゲ展示はやっぱりひと味違うと思うのです。
否、思いたいのです。すみだもサンシャインも京都もまだクラゲ展示リニューアル前だから、なんとも言えないけれど。

「クラゲ研究所」と銘打ったクラゲ展示室。
研究室室みたいですごくワクワクする。(かもすいの影響なのか)ほかの水族館でもバックヤード風・ラボ風のクラゲ展示はちらほら見るけれど、やっぱり充実度ではかもすいだなぁという気がします。

「KURAGE BAR」と名付けられた、バーカウンター風の展示室。
1日4回の給餌解説(夏期は「クラゲのはなし」)はいつも人気。解説イベントの時間以外にもスタッフの方が常に出入りしていて、クラゲについていろいろ教えてもらえるのもとても嬉しいです。なお、実際にお酒は飲めません(笑)。

そして種類数が半端ない。
全国の水族館でいちばん多く展示されているのはミズクラゲで、実際のところ「オシャレ」「癒し」という要素を演出するためにミズクラゲを展示するのは間違っていないと思うんです。だって水族館で自家繁殖できるから野生個体への負荷も少ないし。

だけれど実際には世界中にたくさんの種類のクラゲがいて、それぞれに姿かたちも生態も違う。それだけたくさんの種類のクラゲたちを展示するためには当然、1種類1種類の飼育方法を確立する必要があって、そのためには生態学的な研究も不可欠なはずです。
かもすいが挑戦しているのはまさにそういうことなんじゃないのかな、と、ずらりと並んだ何種類ものクラゲたちを見て、そして今回バックヤード・ツアーにも参加して、再認識したのでした。
(バックヤード・ツアーの話はまた次回書こうと思います。冬季限定!)

「冬のかもすい」ならではの楽しみ、バックヤード・ツアー!魚類展示の裏側もクラゲ展示の裏側もとても面白くて、これだけで1日楽しめます!

オワンクラゲ。
ノーベル化学賞を受賞した下村教授が研究に使ったことで、かもすいもこのクラゲも一躍有名になりました。水族館で展示されていた個体はかなり小さいクラゲだったけど、緑色の蛍光が実に幻想的。

こちらは個人的に大好きな「目玉焼きクラゲ」こと「コティロリーザ・ツベルクラータ」。ヨーロッパ・地中海のクラゲだそうです。
傘が肉厚で存在感があるのと、触手の青い色がとても美しい!

形がしっかりしていて立体的なので、撮っていても楽しいクラゲです。(そして比較的、誰でも綺麗に撮れるクラゲでオススメだと思います)

シンカイウリクラゲ。
この群泳は本当に見ごたえがあります。今回はあんまり上手く撮れなかったけど、個体密度が高いときは最高に綺麗な1枚が撮れます。

パープルストライプド・ジェリー。
ほかのクラゲを食べる種類だそうで、かもすいではミズクラゲを餌にしているのだとか。そういう意味でも、ミズクラゲはクラゲ展示の基礎をなしているのだそうです。

こちらは超有名なミズクラゲの大水槽、「クラゲ・シアター」。
注目は右下に見えるコタツ。冬限定で、コタツでまったりしながらこの大水槽を満喫できるのは最高に贅沢!(コタツの電源は入っていません。あと、コタツの上のミカンはつくりものです 笑)

この3色の光の演出も、冬限定とのこと。
冬のかもすいはアクセスが悪くて入場者数が減る分、「冬限定」の企画や試みがたくさんあって、そして空いていて館内もゆっくり見て歩けるし、なんだかすっかり「かもすいは冬に限るなぁ。」と思ってしまったのでした。

※次に書こうとしているバックヤード・ツアーも、冬限定のイベントなんだそうです。

■おまけ。

ちなみに、この素晴らしいクラゲ展示のはじまりは、まったくの偶然の産物だったとのこと。

年間入館者数が過去最低(9万人)に落ち込んだ1997年、サンゴ水槽でたまたま湧いた1匹のサカサクラゲを展示してみたのが、かもすいのクラゲ展示のいちばん最初なんだそうです。
(参考文献:月刊アクアライフ2019年8月号「納涼!クラゲギャラリー!」内、村上名誉館長の手記より。かもすい館内にも同様の経緯が解説されています)

すごいなぁ。ぼくは無神論者だけれど、もし「水族館の神様」がいるとしたらきっとその神様からの贈り物なんだろうなぁ。

(という話はこれまでぼくもよく知らず、今回帰りがけに↑のメッセージを見つけて初めてきちんと知りました!)

■おまけのおまけ。

旧館時代からなぜだかずっと展示されている「ケサランパサラン」。
その正体は……「白粉(おしろい)を食べる謎の物体」???

たまたま通りかかったお客さんが「なにこれ?これもクラゲなの??生きてるの??」とめっちゃ食いついてて、ちょっと楽しくなりました。

【関連記事】

「冬のかもすい」ならではの楽しみ、バックヤード・ツアー!魚類展示の裏側もクラゲ展示の裏側もとても面白くて、これだけで1日楽しめます!
スポンサーリンク
写真素材のピクスタ

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

Copyrighted Image