バショウカジキをこの目で!アクアマリンふくしま 2Days訪問記

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

■大事件。

2020年10月12日。
水族館好き界隈に激震が走りました。

月曜日の朝10時からこんな話題が駆け巡ったもんだから、この1週間、水族館界隈はもう大騒ぎに。

連日、平日も関係なく誰かしら現地に足を運び、「ほんとにカジキいた!すごい!!」という写真で我がSNSのタイムラインは飽和状態に。

ぼくはというとなかなかすぐに休みが取れず、週末にようやく現地に足を運ぶことができました。その分、バショウカジキとアクアマリンふくしまをガッツリ堪能してやろうと思い、現地に1泊して2日連続で楽しんできましたよ!!

■この手の『祭り』にはあまり縁のない方なのだけど。

今回のバショウカジキに限らず、この手のレア生体(希少種というよりは、水族館での飼育例が少ない生物種)が水族館に入ると全国の生き物好きが一斉に現地に大集合したりします。

割とよくあるのが深海魚、特に深海ザメ(ラブカとか、ミツクリザメとか)。
深海魚の場合は、気温の下がる冬の時期が多かったりしますね。
あとは今回のカジキのように、外洋性で搬送&飼育が難しい魚でしょうか。
(その代表例がわが地元のヨシキリザメなんだけど、2年以上ずっと元気にしてるので地元民はレアリティが崩壊してます 笑)

仙台うみの杜水族館で飼育記録を更新し続けている「世界一美しいサメ」ことヨシキリザメ。飼育開始から2周年の記念イベントに当選し、参加してまいりました!

一方、ぼくはこれまでのところ、この手の『レア生体搬入祭り』的な流れにはあまり乗れたことが無くて。

理由としてはいくつかあって、

・地方(仙台)に住んでるので他地域の水族館まで飛んでいくのがしんどい
・人が殺到した(混雑している)水族館がとても苦手
・瀕死の状態の魚を見てもあまりテンションが上がらない

というところかな、と思います。
(特に深海魚の場合は、採集状態とか水圧の問題もあって、搬入後2~3日が勝負!みたいなことが多い)

唯一見に行ったのは、葛西臨海水族園に入ったイタチザメくらいでしょうか。
これも、搬入後1か月近くしてからようやく見に行けたのだけど。

2019年11月にイタチザメ、アオザメが相次いで展示されて「かさりん秋のサメ祭り」状態に!!アオザメには間に合わなかったけど、イタチザメを見ることができました!

■アクアマリンふくしまのカジキは別!
これは絶対見に行く!!と思った訳。

このように、まぁ大概フットワークの重いぼくなのですが、今回は早々にバショウカジキを見に行くことを決意。

隣県だからという理由(といっても150㎞くらいは離れているのですが)や、SNSに上げられた写真を見る限り比較的状態が良さそうだったという理由もあるのですが。

それ以上に、アクアマリンふくしまが前々からずっと「カジキ展示」を大きな目標として掲げ続けていた、というのが最大の理由です。

アクアマリンふくしまの大水槽前にある、カジキ展示の解説コーナー。

今回のバショウカジキ搬入に合わせて掲示されたのではなく、それ以前からずっとあるコーナーです。アクアマリンふくしまにとって「カジキ展示」は場当たり的な展示ではなく、長年追い続けた一大プロジェクトなのだ、ということを実感できます。

前回のバショウカジキ展示時(2009年9月~11月)の経緯や観察記録がつぶさに紹介されています。こういうデータを蓄積し丁寧に公開するアクアマリンふくしまの姿勢が、本当に大好きです。

大水槽でのバショウカジキ展示は、この水族館の「夢」。
夢を語ってくれる水族館、ほんと大好きだ……。

この解説パネルを前々から知っていたからこそ、「ついにあの夢が実現したんだ!!」という思いに胸が熱くなり、テンションの上げ幅も倍増。「これは絶対に見に行かねばならぬ!!」と即断したのでした。

(実際、この11年の間にも挑戦は続いていたらしく、今回と同じ佐渡島で2018年にもバショウカジキ捕獲を試みていたのだそうです)

■さて当日。(前置きが長げーよ)

10月16日。
早朝に自宅を出発しまして、一路、常磐道を南下。
無事、開館前にアクアマリンふくしまの前に到着しました。

展示2日目・3日目あたりは(平日なのに)入場待機列ができていたようですが、さすがにそこまでのフィーバーはなく。ほぼ先頭ですんなり入場できました。

そしていざ、大水槽へ。(写真は別日に撮ったものですが)

「いちばん間近で観察できる」と聞いていた3階通路側には、まだ誰もおらず。
ということはつまり……バショウカジキがこの日も生存しているのかどうか分からない!

ドキドキしながら、大水槽の水面直下に目を凝らします。

いました!!!
人生で初めて見る、生きて泳ぐバショウカジキ!
あぁ、言葉が出ない……。

残念ながら、訪問の数日前に自慢の吻(上アゴ)が折れてしまったとのこと。
やはり水槽面への衝突がネックなのかな。

元々マイワシの群泳がとても美しい大水槽なので、油断すると大量のマイワシの群れにカジキの姿がかき消されます。

マイワシたちとともに泳ぐ姿が、野性味あふれていてとてもカッコいい。

しばらく水槽面に張りついてバショウカジキをうっとり眺めていたのだけれど、そのうち遠足や修学旅行の団体客で混雑し始めたので、この場所から移動。

下側から大水槽全体を眺めることのできる(そして比較的オープンスペースが広くて渋滞しない)大水槽の下側(2階側)へ。

実は3階側の通路には「バショウカジキがいます」という掲示はなにもなくて、知らない人はここまで来てようやくバショウカジキの存在を知ることになるのですね。
(あとエントランスにも小さく掲示が出ている)

「へぇー、カジキだって。どこにいるんだろうね??」という声があちらこちらから。

下側(2階側)からだとアクリルガラスの屈折もあり、写真にはやや撮りづらいものの、水槽全体を見渡せるのでカジキの行動をよく観察できます(マイワシの群れに視界を塞がれることもなく)

(明日はこっち側からカジキ見てようかなー)
(14:30からの大水槽エサやりタイムも気になるしなー)
なんてことを思いつつ、この日は閉館チャイムを聞きながら退館。

明日もカジキ見にアクアマリンふくしまに来れるなんて、最高に幸せだーー!!
(あと夜にホテルの近くで食べたメヒカリの唐揚げがめっちゃ美味しかった)

■そして2日目。

翌、10月17日(土)。
この日は妻も現地合流。

週末はやはり平日より混雑していたので、バショウカジキとの初対面に感動する妻を放置し自分はさっさと2階側へ。(というより、前日に見切れなかったカジキ以外の展示を見てました。その話はまた次回)

下側からだとこんな感じ。
広々してるし、ベンチもあるし、ゆったり見るならこっち側が好きです。
(※プライバシーに配慮し写真の一部を加工しています)

写真でも分かる通り、上側で見ているとどうしてもしゃがむ姿勢になるので、無限にスクワット運動を強いられて膝が死にます(笑)。

↓「下からカジキ」コレクション。

下側からの水面キラキラなバショウカジキもカッコいいなーー!
(ただし性能のいい望遠レンズが欲しくなる……ぼくは今回、レンタルで借りて持参しました)

角度によっては水面の反射と影に紛れて見づらくなるカジキさん。
「カウンターシェーディング」(保護色の一種)を感じます。

■バショウカジキの食事シーンも目撃!!!

そんな感じでゆったりとバショウカジキの姿を眺めていたところ!

なんと、水槽内のマイワシを追いかけ始めました!

厳密には、追いかけ回すというより少し弱って群れからはぐれたイワシを狙う、みたいな感じかな。

「興奮すると横縞が出る」と知識では知っていたものの、本当に縞模様が出てる!!!

このときは取り逃がしてしまっていましたが、このあとに無事、イワシを捕食できたようです。(大水槽まわりの人がほぼみんなカジキを見ているので、急に歓声が上がってびっくりした)

こういう行動を見ると……「生きているバショウカジキ」をいまこの目で見ているんだなぁ、と改めて実感。

そして、14:30のエサやりタイム待機。

大水槽の上のキャットウォーク(作業用の通路)とかも今回初めて見た。
大水槽の上の制御モニター?みたいなのを操作しながらの給餌タイム。(上側からの写真は前日に撮影)

まずは、カツオ・マグロ類への給餌から始まります。

エサの小魚(たぶんキビナゴ?)が投入されると、それまで水槽の底近くを泳いでいたカツオたちが一斉に水面に突進してきます!!

水面に水しぶきが上がって、すごい迫力!!!
(カジキと関係なく、これだけでも一見の価値ありです)
カツオの一本釣りを水中から見たら、きっとこんな感じなのかなぁ。

荒ぶるカツオさんたちの猛攻に戸惑っているのか?
それとも、エサの匂いにソワソワしているのか?
なんともいえない風情のバショウカジキさん。

カツオ・マグロたちの給餌に続き、マイワシたちへの給餌が始まります。

恐らくオキアミかなにか、ミンチ状の細かいエサを与えているのかな?
水がけっこう濁ります。
そしてマイワシたちが水槽の中央付近に群がって、まん丸い群れを作ります。面白い。

(そしてバショウカジキが右往左往している 笑)

■寿司をつまみながらカジキを眺める幸せ♡

さて、アクアマリンふくしまの大水槽といえば!
そして土日の楽しみといえば!

そう!寿司!!

アクアマリンふくしま、「水槽を見ながら寿司を食べられる」という、稀有な水族館なのです。

というわけで、さっそく寿司ランチとしゃれこみます。

※寿司ネタには「カジキ」は入っていません。

寿司をつまみつつ、解説パネルを熟読。
魚を「目で見て」「文字でも学び」そして「舌で味わう」。
あー、水族館で最大限に魚たちと向き合ってるなー、いま。

そうこうするうちに、この日も夕暮れ。
日没とともにだんだん暗くなり藍色の闇が濃くなる水槽に溶け込んでいくバショウカジキを閉館ギリギリまで見届けて、2日間のアクアマリンふくしま滞在が終わりました。

きっとまた会いに来るからね。

■バショウカジキで繋がる縁?

さてさて、そんな感じでバショウカジキ目当てでのアクアマリンふくしまを2日間満喫いたしました。(おかげでカジキ以外の展示もしっかり見ることができたので、その話はまた次回)

生きたバショウカジキをこの目で初めて見ることができた幸せ。
大好きな水族館を2日間フルに満喫できた幸せ。

アクアマリンふくしまは本当に大好きな水族館で、そしてその濃厚すぎる展示内容にいつも圧倒されて、丸1日では堪能しきれずにいたのです。
(いつか3日間連続で滞在したいと企んでいる)

大好きすぎるアクアマリンふくしま。好きすぎて上手く纏められないので、その魅力をちょっと小分けにしてみます。その1、「探そう」。

そして、冒頭にも書いた通り今回は「バショウカジキ祭り」状態で、全国からたくさんの水族館ファン・生き物好きが集まっていました。そのおかげで、現地でたくさんの友人・知人・フォロワーさんにお会いできたことがとても楽しくて。

今年は春先からコロナ禍でなかなかあちこち行けず、ずっとお会いできずにいた人もたくさんいたのです。
そういった方々の何人かと現地で(多くは偶然)久しぶりに再会できたことが、実はいちばん幸せだったような気がします。(思い出の走馬灯的なやつにならないように、帰路はめっちゃ安全運転で帰りました)

カジキ展示のおかげで期せずしてそんなひとときを過ごすことができて、そしてその場所がアクアマリンふくしまという本当に大好きな水族館だったということもあり、まるで夢の国にいるような2日間だったのでした!

スポンサーリンク
写真素材のピクスタ

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

Copyrighted Image