【3月末までに行くべし!】東海大学 海洋科学博物館/自然史博物館

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■「水族館」としては次年度も公開継続!”三保のすいぞくかん”

静岡県は清水・三保にある「東海大学 海洋科学博物館」。
1970年にオープンした、水族館と自然博物館の要素を併せもつ素晴らしい施設です。

この施設が、一般公開営業(≒閉館)を2023年3月末で終了すると発表したのが昨年2022年6月。
大好きな水族館の1つだったので、閉館までになんとかできるだけ足を運びたいと思っていたところ……

先日「2023年度以降も水族館エリアは完全予約制で公開継続」が発表されました!!

公式サイトが少々分かりにくくはあるのですが

・1階:水族館エリアは完全予約制/日時限定で公開継続
・2階:博物館エリアは3月末で閉鎖
・隣接する自然史博物館も3月末で閉鎖

ということらしいです。

■「閉館ブースト」前に行ってきた!

そんなわけで静岡まで行ってきました。

否、正確には「4月以降も部分的に公開継続」が発表されるより1週間前(2月4日)の訪問でした。
なので水族館エリアも含めて(これで見納めかなあ)という感傷に終始包まれながら、丸1日、しっかり堪能してきましたよ!

今回は、3月末までしか見ることのできないエリアを中心にお届けします!

3月末までに駆け込みで訪問しようかな~、と考えている人の参考になれば幸いです。
(というか迷ってるならぜひ行きましょう!本当に素晴らしい施設です!)

バス停そばの看板。

「海洋科学博物館」が水族館、
「自然史博物館」が恐竜の博物館。

※これまで水族館の方は何度か訪問してますが、恐竜の博物館の方は恥ずかしながら今回が初訪問でした。(いつも水族館だけで時間が足りなくなる民)

■まずは「海の博物館」から!

なんだかんだでやっぱり水族館から入館してしまう人。
清水駅前からバスに揺られて、開館15分ほど前に現地に到着。

こちらが「海洋科学博物館」、いわゆる”三保の水族館”です。

この日は土曜日。
「閉館ブースト」ってやつできっと混んでるんじゃないかと覚悟して行ったけど、開館5分前でも誰一人並んでなくてちょっと拍子抜け。

※閉館ブースト:それまでは閑古鳥が鳴いてたくせに、閉館や休館が発表されると「最後に1回行ってみっか」と急激に混雑し始めるゲンキンな現象のこと。なら普段から行ってやれって。

開館まで少し時間があったので、入場ゲート横にある館内マップを撮っておいた。
これも見納めかもしれん、と思いつつ。

このマップの2階部分は23年3月末で閉鎖、ということですね。きっと。

逆に1階部分の水族館エリアは、23年4月以降も(条件付きですが)見ることができるようです。とても嬉しい。

※今回は水族館エリアについては割愛します。
ここも23年度いっぱい限定の公開だと思うので、また必ず見ておかねばなあ。
とても落ち着いた雰囲気の大水槽まわり、魚好きにとってはたまらない展示の連続な個水槽、ほんと何度行っても最高なんです。

■水族館の2階は、「海」を学べる博物館!

1階の水族館エリアをひととおり満喫したところで、2階へ上がります。

2階の館内マップはこんな感じ。

順路の前半(マップ上半分)が海洋科学について展示されたマリンサイエンスホール、後半(マップ下半分)が機械水族館「メクアリウム」。

まずはマリンサイエンスホール。こんな感じ。

プランクトンネットや流速計、採泥器などなど、海洋観測機器がずらっと並ぶ館内。

個人的には大学時代の専攻が海洋学(魚そのものというよりは「海」を科学する分野)で、船上実習や卒論研究で馴染みのあった機器ばかりで、ここに来ると否が応でもテンションが上がります。

(プランクトンのここの部分を見て「懐かしいねえ、お世話になったねえ」と話しかけたくなってしまう変人)(コックの向きを間違えるとサンプルが全部流失しちゃう)

そして「東海大の水族館の2階」といえば・・・

見過ごせない(見逃しようがない)のが、こちら!

どーん!

2階フロアのど真ん中に鎮座まします、ピグミーシロナガスクジラの骨格標本!
ピグミーとはいえ、でっかい!

そして、骨からは今でも鯨油が染み出つづけています。
クジラという生き物が蓄える油脂分の量の多さにおののく。
無機質にも見える骨格標本(※Not 化石)だけど、この身体の持ち主はかつて確かに生きていて、海洋生態系の栄養循環の一部だったんだなあ、なんてことを実感します。

あ、クジラの骨格標本、個人的には骨盤骨がいちばん好き。

魚類の骨格標本もちらほら。
館内を飛翔するトビウオ(の骨格)。

生き物だけでなく、物理/科学/気象学ほか、いろんな側面から海洋を学べます。

こちらは海洋系出身の方ならお馴染み(かもしれない)、水圧で小さくなったカップヌードル容器。

こっちはなかなか見れない(気がする)、潜水艦の設計用に実験室で圧力をかけてつぶれた鉄球。水圧ってすげえ。

「海洋と人間」みたいな展示もあります。(ヨットの模型があったりとか)
海洋レジャーの写真、釣り人が誰一人ライフジャケットつけてなかったりダイバーが餌付けしてたり、今だったら炎上しそうだけど、それもまた時代を感じますね。

■順路後半:メクアリウムへ!

続いて2階フロアの後半・機械水族館「メクアリウム」へ。

機械水族館……どんな世界が待っているのでしょうか。

海の生き物の姿にヒントを得て作られた機械生物「メカニマル」たちが展示されています。

例えばこんな「いきもの」。

しっかり大きな水槽が用意されて、水槽展示の様相をなしているのがすごいです。

これらの機械生物は単なるお遊びではなくて、生物学と機械工学の融合、いわばバイオミメティクスの世界を体現した展示。

生物多様性に関する展示。
1m四方のサンゴ礁にこれだけの種類の生物が暮らしているのだそうです。

昨今話題の再生可能エネルギーや、海底資源に関する展示も。
生物多様性の保全とはときに対立する分野でもありますが、これらも大事な「海の恵み」。バランスが大切なんでしょうね。

そういえばこの館内には「中2階」ともいうべき場所があります。

バックヤードを見学できるようになっている場所。
クマノミ類をはじめとして数多くの魚の繁殖にも取り組んでいます。

個人的にはここの館内でも1,2を争うほど大好きなコーナーなので、できれば4月以降も見学可能なまま残しておいて欲しいなあ。どうなるでしょうね。

屋外の休憩スポットでひと休み。

ちょうど水族館の裏側にあたるのですが、どこか時間が止まったような郷愁のただよう、エモーショナルな空間です。

閉館前独特のノスタルジアを感じたい方にはおすすめ。

回転式の出口扉にも、なんだか少し懐かしさを感じてしまいます。

■いよいよ「自然史博物館」を初訪問!

「海洋科学博物館」を少々早めに切り上げて、すぐお隣の自然史博物館へ。
(両方行く場合、共通券がお得です)

冒頭でも書きましたが、今まで水族館の方は何度か訪問したものの、こちらの自然史博物館に入るのは今回が初めてです。

入り口で共通券を見せ、エスカレータで順路を上ります。

まず登場するのが、「恐竜より前」の時代の両生類や爬虫類の化石。

ディメトロドン、かっこいい!
そして1mちょっとくらいの大きさで、こんなん現世に生き残っていたら、、とちょっとワクワク。(サイズ的にギリギリ飼える??と思いつつ、その鋭い歯と顎を見て無謀を悟った)

そして大恐竜時代へ!

メインホールは高々とした天井に、巨大な恐竜の化石が何体も展示されています。大迫力。

恐竜界のスーパーメジャー、トリケラトプス。
重厚感がすごい。

大型肉食竜のタルボサウルス。
照明の当て方もうまくて、背後に映る影が臨場感をあおります。

恐竜って全身カッコいいけど、個人的にはこのツメの鋭さに最高に魅せられる。
(上:ディノニクス 下:ユタラプトル)

続いて2階は海洋生物の化石、そして哺乳類の時代へ。

首長竜、プレシオサウルス。
さっきまで水族館にいたので、「こんな生き物が大水槽で泳いでたらすごいだろうな」とかつい考えちゃう。

ケナガマンモスの全身骨格。

近くには人類に狩られるマンモスの解説パネルもあって、哀愁を誘います。

そして、何よりも心に響いたのがこちらのステラーカイギュウの骨格標本。

1741年に探検隊によって発見され、そして27年後には乱獲によって絶滅してしまったとのこと。(ネット記事を検索すると詳しい記事がいくつも出てきます。切なくなるぞ。)

わずか300年ほど前には地球上に生きていたんだなぁ。
なので「化石」ではなく「骨格標本」なのですね、これは。

以上、2階・3階は恐竜を中心に古代生物たちの展示。

上野の科学博物館だったり期間限定の「恐竜展」だと大混雑しがちなところ、ここではゆったりと恐竜の化石を眺められるのが非常にいいです。

子どものころ(魚に魅せられる前)恐竜の本とかを読み漁ってたなー、なんてことを久々に思い出しました。

1階エリアでは、うってかわって静岡県の自然を展示しています。

水槽もあるぞ!!(カワバタモロコとミナミメダカを展示)

水族館の方はあくまで「海洋科学博物館」、だから海水魚だけ!
淡水魚はこっちでね!というこだわりを感じます。

■「水族館以外」も非常に上質な博物展示!3月末までに行きましょうね!

というわけで、今回は東海大学海洋科学博物館・自然史博物館の「水族館以外のエリア」を中心にご紹介しました。

・海洋科学博物館の2階:
マリンサイエンスホール
機械水族館「メクアリウム」
・自然史博物館(恐竜の博物館)

はいずれも、今年2023年3月末をもって閉館してしまいます。

もし
「今のうちに行ってみようと迷っていた」とか
「水族館はあと1年見られるから、まぁそのうち行こうかな」という方、
ぜひラストに一度 ”博物館” のほうにも行っておくことをオススメします!

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