■北海道北見市「北の大地の水族館」に行ってきました。(バーチャルで)
GWも終わりの5月某日。
北海道は北見市・留辺蘂町にある「北の大地の水族館」に行ってきました。
といっても世間は未だ新型コロナウイルスの影響で外出自粛・Stay Home。「水族館に行く」という目的のためだけに宮城 ⇒ 北海道まで飛べるわけはありません。という以前に、そもそも今年のGWは「日本中の水族館が臨時休業」という前代未聞の事態に見舞われております。
(「水族館.com」さんの記事より。改めて前代未聞の出来事なのだなと感じます)
というわけで、今回は当ブログ初!「水族館をオンライン体験してきた」お話です!
■北の大地の水族館「館長のバーチャルアテンド付きオンライン水族館」!
新型コロナウイルスの影響で、3/5より臨時休館となってしまった「北の大地の水族館」。(4/1より営業を再開したものの、4/20~5/15まで再び臨時休館となっています)
その北の大地の水族館が、5/4より開始したのが「館長のバーチャルアテンド付きオンライン水族館」!
北見市へのふるさと納税の返礼品として、山内館長による約1時間のオンライン館内ツアーを体験できます!
金額は1組1万円。オンライン会議システムの「Zoom」を使用します。1日2回(10時/15時)の開催で、1回あたり最大100組まで視聴可能とのこと。
これまでにも、休業中の水族館/動物園の様子を各SNS等で動画配信する、という試みはあちこちの園館で実施されてきましたが、有料コンテンツとしての発信は恐らくこの北の大地の水族館が初めてなのではないかと思います。(ふるさと納税という形ですので、厳密には直接的に水族館の収益になるわけではないようですが)
これはぜひ体験しなければ!
というわけで、さっそくふるさと納税サイト「さといこ」より申し込み、生まれてはじめての水族館オンライン見学となりました!!
※さといこ:
体験型返礼品に特化したふるさと納税サイト。非常に面白い体験イベントが目白押しです。現在は「#おうち体験」コンテンツを多々紹介しています。
■まずはZoom背景の設定から!
テレワークやオンライン飲み会の普及で一躍有名になった感のある「Zoom」。
Zoomといえば、背景をカスタマイズするのも1つの楽しみですよね!
というわけで、オンライン体験前に背景画像を設定。
はい、昨年訪問した時に撮影した「滝つぼ水槽」の写真です!
※こっちの写真とどっちにしようか悩みました……(笑)
そして、せっかくですから大画面で楽しみたいと思い(妻さんと2人での視聴でした)PCをリビングのテレビに接続。これで準備完了です。(もちろん背景の設定等は必須ではありませんし、スマホ等でも観覧できます)
■いよいよオンライン見学開始です!
開始時間少し前にZoom会議にアクセス。山内館長と挨拶し、簡単に通話テストを済ませます。
なお、今回は幸運にも体験者は我々1組だけ。約1時間、館長の解説を貸切という最高にぜいたくな時間をすごさせていただきました!
ここから、ネタバレにならない程度に少しだけオンライン見学の様子をレポートいたします。
▼ 1.滝つぼ水槽
順路最初にある「滝つぼ水槽」前からスタート。スマホで水槽を映していただきながら、まずは水族館の概要や館内の全体像を説明していただきます。
おお!我が家のリビングに滝つぼ水槽が!!!
スマホ越しでも迫力十分です!(でも現地に足を運ぶと、さらに素晴らしい迫力なんです)
ただ見るだけでもずっと眺めていられる水槽なのですが、今回は山内館長による丁寧な展示解説つき。中にいる魚の紹介・説明はもちろんのこと、「限られた水量の水槽で奥行き感を出すための工夫」だとか「魚たちはなぜ滝つぼに集まるのか」、そして「滝つぼ水槽がどうやってできているか」などなど、これまで知らなかった話を次々に聞くことができました。
※この水槽のオショロコマは、地元・常呂川水系の個体たちなのだそうです。水系ごとに模様や体色が異なるのだとか。
▼ 2.四季の水槽
続いて、屋外展示の造形が見事な「四季の水槽」。
(※昨年5月に訪問した時の写真です)
今年も、水槽の中はウグイ・エゾウグイたちの繁殖シーズン到来。
オンライン見学した日はよく晴れて暖かい日で、山内館長より「あ、今日は暖かいのでなんかウグイたちもやる気満々みたいですね!ちょっと待ってみましょう!」との案内が。エゾウグイたちが群れをつくり産卵しようとする様子をスマホで撮影してくださり、しばらく観察させていただきました。
残念ながら目の前で産卵してはくれませんでしたが、こんなふうに魚たちの日々の様子を的確にとらえて伝えてくださるきめ細かさ……感動です!
▼ 3.イトウの大水槽
さて、いよいよ北の大地の水族館のメイン展示の1つでもあるイトウ水槽。
上は昨年5月に訪問した時の写真ですが、今回も相変わらず、広々とした水槽を悠々と泳ぐイトウたちの姿を拝むことができました。
いまはちょうどイトウたちの繁殖期。悠々と水中をホバリングしつつ、ときおり急に追いかけあうように泳ぎ始めたりして、迫力たっぷりです。
イトウのオスとメスの違いを説明してくださる山内館長。
我が家のテレビに、イトウの肛門まわりがドアップに!(笑)
「アルさんなら魚好きだからこういう話のほうがいいでしょ?」的な、山内館長の大サービスです!(たぶん)。
もちろん、「魚マニアでないと楽しめない」という類の解説ツアーではありません。山内さんの話はとても分かりやすく、「魚や自然のことをどうすれば上手く伝えることができるか」という工夫と熱意に満ちていて、むしろ誰にでも楽しめる素晴らしいコンテンツです。
(こちらも昨年5月の訪問時の写真です)
「北の大地の水族館」の春の風物詩といえば、婚姻色を迎えた「赤いイトウ」。
今年は残念ながら、新型コロナウイルスの影響もあるのか「赤いイトウ」の展示はないそうですが、また来年ぜひ実物を拝みに行きたいと思っています。(「赤いイトウ」は北海道・幌加内町の朱鞠内湖から期間限定でやってきて展示されます)
朱鞠内湖での人とイトウとの関わり、そして朱鞠内湖と「北の大地の水族館」との関わりについても、詳しく教えていただきました。山内さんの、魚や自然や水族館への情熱がZoom越しでもひしひしと伝わってきます。
あとは「イトウの大水槽の真ん中に入っている大きな流木は擬木か、本物の木か」なんていう話も。正解はここではネタばらししませんので、ぜひオンライン見学か実際に水族館を訪れて聞いてみてください。
▼ 4.川魚のジャンプ水槽
イトウ水槽に続いて、ヤマメ(サクラマス)の遡上水槽。
(こちらも昨年5月に撮影した写真。一定時間ごとに水位が上がり下がりし、水位が下がるとヤマメたちが新たな住処を目指して流れをジャンプし遡上する、という展示です。)
今回のオンライン見学時は、休館中ということもあり水槽にはなみなみと水が満ちていました。
だがしかし!水槽の前にたどり着くと「では、ちょっと待っていてくださいね!」と言い残し、山内館長はバックヤードへ。そして循環ポンプのスイッチを切り替え「これから水位を下げますからね!」と、ヤマメたちの遡上ジャンプを実演していただけました!
ギリギリまで水位が下がり、上流へ遡上しようか悩むヤマメ。かわいい。
この日はなかなかジャンプしてくれませんでしたが、水槽前でしばらく粘ってくださり、なんとか1匹が遡上する様子を見せていただくことができました!
先ほどのエゾウグイの産卵行動もそうですが、相手は生き物ですので、こんな風に日によって異なる行動を見せてくれるのも興味深いですよね!それこそが映像展示等では代替し得ない「本物の生命を展示する意味」だなぁと思うのです。
▼ 5.世界の熱帯淡水魚
いちばん最初の滝つぼ水槽からここまでで、おおよそ50分が経過(笑)。
最後に、順路後半の熱帯魚エリアもひととおり見学させていただきました。
(以下、写真は昨年5月の訪問時のものです)
「なぜ、北の大地の水族館で熱帯魚たちを飼育しているのか」とか、「前身の『山の水族館』時代の話」なども聞くことができました。(詳細はぜひ、実際に聞いてみてください)
「変な寝相」が話題のオオウナギは、今回は奥のほうできちんとした寝相で寝ていました(笑)
世界最大の淡水フグ、テトラオドン・ムブ。
相変わらず綺麗な姿を見せてくれました。
そんな感じで館内を一周し、約1時間の解説ツアー終了。最後に質問タイムも設けてくださり、いくつか質問をさせていただいてオンライン見学終了、名残惜しいですがZoomの接続をOFFにいたしました。
とても楽しい時間を過ごさせていただいた山内館長はじめ水族館の方々、本当に有難うございました!!
■オンライン見学、めっちゃアリ!!
こんな風にモニター越しに水族館を見学するなんていう体験はもちろん初めてで、どんな感じになるのか想像がつかない部分もあったのですが、結論から言うととても素晴らしい体験でした。
もちろん実際に現地に足を運び、自分の目や耳や手で水族館を体感するのが一番だと思います。けれど、残念ながら今のところまだなかなか遠方の水族館に足を運ぶのは難しい状況ですし、これからもしばらくはそんな状況が続くのかもしれません。(北の大地の水族館は今のところ5/16から営業再開予定だそうですが、遠方から遊びに行くのはまだちょっと難しそうです……)
オンライン見学はその期間だけのいわば代替措置なのかもしれないけれど、これはこれで楽しい要素がたくさんあり、とても良いなぁ……と感じました。
・1つ1つの展示を、館長自ら丁寧にそして情熱たっぷりに解説してくれること。
・館長やスタッフの方々のイチ推しポイントを直接教えてもらえること。
ふだん水族館を訪問して、最初から最後までスタッフの方にマンツーマンで案内してもらう、なんてそうそう無いことです。(北の大地の水族館の場合は、比較的スタッフの方との距離が近い水族館でもあるのですが)
北の大地の水族館、実のところ駆け足で廻れば30分で1周できてしまうくらいの規模の水族館ですが、こうやって1つ1つの展示をじっくり眺め、そして注目ポイントを解説していただくことで、何倍も楽しく水族館を見学することができると思います。
(今回が「初訪問」となった妻さんいわく「じっくり見てたら2時間くらい余裕でかかりそうだね、コロナ収まったら早く行きたいね」とのこと。宣伝成功だぜ!!笑)
Zoomを使うので複数接続も可能で、たとえば友人同士で誘い合わせて同じ日時のオンライン見学を申し込んで「バーチャル水族館旅行」みたいな楽しみ方もできると思います。
1組1万円という価格設定も、北見市までの交通費よりはきっと安いですし、きちんと控除手続きをすれば実質2,000円ですし、興味を持った方はぜひお試しあれ!!
(↓↓↓お申込みはコチラ!!↓↓↓)
■「有料でのバーチャル体験」について
「どこの園館も、もっと有料での動画配信とかやって少しでも収益を稼いだらいいのに。」ということは、この新型コロナウイルスの問題が広がり始めたころから内心、思っていて。
今回、その先陣を切ったのが「北の大地の水族館」だということに、半分びっくり半分納得というのが、個人的な感想です。
北海道・北見市は残念ながら比較的早期に新型コロナ感染者が出てしまった地域で、「北の大地の水族館」もかなり早い段階(3/5~)から臨時休館を余儀なくされました。
そして、休館となった初日からずっと、Facebook等SNSで館内の様子を発信し続けていました。(これは他のいわゆる大手の水族館と比べても、かなり早い段階での試みだったと思います。)
きっと、「どうにかして水族館の生き物たちの様子を伝えたい!」という関係者の方々の情熱と試行錯誤のおかげで今回のオンライン見学が実現したのだろうな、と、そんなことにも密かに胸が熱くなっていました。
改めて、貴重な「おうちで水族館」という体験の場を作ってくださったこと、本当に有難うございます。おかげで、久々に水族館に行けた気持ちになれました。
※ 文中でもところどころ1年前の写真を挟みましたが、ぼくはちょうど1年前の2019年5月に北の大地の水族館を訪問しました。春夏秋冬、四季それぞれに異なる表情を見せる水族館だと聞いていますので、いろいろ落ち着いたらまた必ず、何度も訪問したいと思います。