『夏の終わりの北海道遠征』旅行記、第3弾です。
9月某日。
遠征3日目は、北見市から一気に足(レンタカー)を延ばしてオホーツク海沿いの町・紋別市へ。片道100kmくらいあるんだけど、その距離もなんかご近所感覚で走れちゃうのが、北海道ドライブの醍醐味よね。
お昼過ぎに、紋別市ガリヤ地区に到着。
駐車場横に立っている看板。
この看板のとおり、紋別市ガリヤ地区には複数の施設が散在しています。
今回はこの中から、
・オホーツクとっかりセンター
(アザラシランド & アザラシシーパラダイス)
・氷海展望塔 オホーツクタワー
を訪問しました。
■施設①:とっかりセンター/アザラシランド
駐車場に車を停め、まずはいちばん近くにあった「アザラシランド」へ。
アーチ形のゲートをくぐり、入場。
横の原っぱには、ゾウアザラシを模したオブジェ(すべり台?)が。
なお、通常時はエサ代等の協力費として入場料金:200円がかかりますが、
今回訪問時は、園内の一部が改修工事中だったため入場無料となっていました。
(※工事は23年末までの予定とのことです)
園内には4つのアザラシプールが。
ワモンアザラシ、ゴマフアザラシの2種類が、25頭ほど飼育されています。
実はここアザラシランドは、野生のアザラシの保護を目的とした施設。
そのため、飼育されているアザラシはほとんどが、近隣の海岸で弱ったりケガをして発見された保護個体。(保護個体どうしの間に生まれた個体も、数匹いるそうです)
「水族館が、調査活動の一環として海獣類の保護を行う」ではなく、あくまでアザラシたちの保護活動がメインとなっているという、実はちょっと珍しい施設。
アザラシプールの地下には水中窓もあり。
晴れた日だったので、水中を泳ぐアザラシの姿も観察できました。
※前述のとおり園内工事中のため、本来なら人気イベントのはずの給餌解説イベント「えさの時間」は休止中でした。
(次は工事が終わったころに来よう)と思いつつ、次の施設へ向かいます。
天気もいいので、人工の海岸「ホワイトビーチ」沿いをぶらぶらと。
すると、芝生の上になにやら船が。
流氷砕氷船・ガリンコ号(初代)!!
船腹の下のドリルが、めちゃくちゃカッコいいんですけど!!男子の心をゆさぶるやつだ、これ。
次回、流氷の時期に行くのもアリだなあ。
■施設②:とっかりセンター/アザラシシーパラダイス
「アザラシランド」から徒歩数分で、「アザラシシーパラダイス」に到着です。
「横浜・八景島」でも「伊豆・三津」でも「伊勢夫婦岩」でもないシーパラダイス、それがここ、アザラシシーパラダイス。
先ほどの「アザラシランド」はアザラシたちの保護施設でしたが、こちら「アザラシシーパラダイス」は ”空港路線の維持 利用と着地型観光の促進のため” という、ちょっと変わった目的で作られた施設。
※同じ紋別市内に「オホーツク紋別空港」があり、羽田-紋別便が1日1便 発着しております。
こちらで飼育されているのはゴマフアザラシ3頭のみなのですが、エサやり体験など体験プログラムがメインの施設だからか、アザラシたちとの距離が近い!
ゆったりとした、とてもいい時間が流れていました。
なんだか、とても尊い光景を見せてもらったような気がしました。
園内の休憩室。
ログハウス調で石油ストーブもあって、床は寝ころべるようになっていて、冬に訪問したらここでずっと、ごろごろぬくぬくと読書していたい。
■施設③:オホーツクタワー/ミニ水族館
「とっかりセンター」の2施設を満喫し、最後に向かったのが防波堤の突端にそびえる氷海展望塔、「オホーツクタワー」。
駐車場や「とっかりセンター」のある港湾部分からは、長い防波堤を歩いて約5~600mほど。徒歩での移動も可能ですが、無料の送迎バスが運行しているのでそれを使うのが便利です。
(あ、バス乗り場の写真を撮り忘れた、、)
防波堤から眺めるオホーツクタワー。
海上部分は展望台になっています。外から見ると、水族館はどこ?という感じ。
館内の構造図。
海上3階建て、海中に1フロア。「B1F」部分がミニ水族館。
エレベーター。
海水面からの高さ/深さ が書いてあるのが面白い。
水族館は、水面下8.15mにあるようです。
(全エリアが完全に海の下にある水族館って、国内だと他にあったかな??)
エレベーターを降りると、まず広がる風景。
天井は流氷、内壁は水中の岩肌を模した装飾です。
ぱっと目に入ってきたのは写真に写っている水槽3基だけで、この段階では「どれくらいの規模の施設なんだろう」とちょっとドキドキしながら順路を進みます。
順路を進んでびっくり。
通路の右側は本物の海中を覗ける海中窓、
左側は汽車窓風の水槽が並び、その間にも円柱水槽が設置されています。
右は海、左は水槽。
どっちを向いても海の生き物に囲まれた、幸せ空間でした。
チョウザメのエサやりコーナーもあり。
水族館好きとしてはつい食いついてしまう、アクリル板の展示。
こちらが、海中観察窓からの光景。
・・・といいつつ、この日はあまり魚影が見られず。窓枠にしがみつくカニが見られました。
この展示には度肝を抜かれました!
1枚だけ、あえて掃除されていない観察窓。
パッと見は汚いけど、海の中にはこういう付着生物がたくさんいるということを、簡単な方法で分かりやすく伝えてくれる展示。いいですね。
海中展望塔から見られる生き物。
オホーツク海らしく、冬になるとクリオネが見られるのすごい。流氷の時期に来てみたい。
それまでに徳を積んで、野生のゴマフアザラシと出会う幸運を手に入れたい!
現地を訪れるまでまったく気付いていなかったのですが、この日は夜間営業イベントの開催日にあたっており。
館内で飼育員の方にも「夜になると灯りに集まって、多分たくさん魚が見られますよ!」と教えていただきました。
とてもとても魅力的だったのだけど、既に北見市に宿をとってしまっており、かなり悩んだ末に今回は断念。。。
■オホーツクといえば、クリオネ。
さて。
オホーツク海に面した水族館、そして流氷をモチーフにした館内装飾。
といえば、クリオネでしょう。
おそらくそんな理由でクリオネ展示コーナーもあったけど、夏の終わりの時期だからか個体数は数えるほど。
そのかわり、その先の順路にはこんなおもしろ展示が。
巨大なクリオネのオブジェ!
しかもバッカルコーン(捕食器官)全開バージョン!
「クリオネに捕食されちゃったわたし」的な写真が撮れる記念撮影スポットになっています。
さらに「クリオネを食べてみた!」という飼育員さんのレポートまで。
生きたクリオネの展示はシーズン外れだったけど、面白く工夫された展示のあれこれで楽しませていただきました。
さらに順路を進むと、今度はこんな小水槽コーナー。
流氷を模した壁面に、小水槽がいくつか埋め込まれています。
展示されているのは主に、オホーツク海に棲む小型の魚類。
思わず水槽に張りついてマクロ撮影に集中したくなるけど、ここ、通路がめっちゃ狭いので邪魔にならないように要注意だな……。
(あと、被写体との距離が取れないので、望遠レンズを疑似マクロ的に使う場合も要注意です←撮影ガチ勢向け情報)
これで順路はおおむね一周。
ざっと回れば30分もかかりませんが、海中観察窓も含めて1つ1つじっくり見ていくと意外と見応えのあるボリューム。(ミニ水族館にしては、ですが)
気に入った魚の写真を、何枚か。
ヤナギノマイ。
魚自体も好きなんだけど、名前が綺麗すぎる。命名者のセンスが好き。
イトヒキカジカ。
初めて見た魚かもしれません。アナハゼの仲間とかスイに近い可愛さがある。
■実はノーマークだった、けど・・・!
「アザラシランド」「アザラシシーパラダイス」「オホーツクタワー」と3施設を廻って、滞在時間はだいたい2時間くらい。
駆け足ならもっと短時間でも廻れるでしょうし、逆にアザラシの給餌解説やえさやり体験に参加したり、海中展望塔でずっと魚を待っていればもっと長居することもできると思います。
率直に言うと、今回の北海道遠征でこの紋別の3施設訪問は、正直ノーマークだったのです。(新規オープンしたばかりのAOAO SAPPORO、サケ遡上中の標津サーモン科学館、カラフトマス展示中の北の大地の水族館と、他のカードが強すぎた感 笑)
実際、たとえば圧倒されるような大水槽だとか、ものすごく手の込んだ水槽展示があるわけではありませんし、とっかりセンターも、「アザラシガチ勢」の方以外には ”どの子も同じに見える” となってしまうのかもしれませんが。
「アザラシランド」から「アザラシシーパラダイス」へ、広々とした芝生の公園をのんびり歩いたり。オホーツクタワーの防波堤から、雄大なオホーツク海を眺めたり。
そういう時間も含めて、実に北海道らしいゆったりした気分に浸れる場所でした。
改めて、駐車場にあった案内板を再掲。
1つ1つは小規模ながら、めっちゃ尖った施設でした。
「オホーツク海洋公園」みたいな名前(総称)にしてPRしたら面白そうだなぁ、なんて、勝手に思いました。(実際、住所は「紋別市海洋公園○○番地」なのです)
※あとは、名称的にはどこにも「水族館」みが出ていないので、それもノーマークだった理由です。。。(ごめんなさい!)
帰り道、ちょうど夕暮れどきだったのでサロマ湖畔に寄り道。
最高に綺麗だったなぁ。