【水族館探訪記】年末年始の愛知遠征① 碧南海浜水族館

東海地方の水族館

2025年の年末年始。
カレンダー通りの9連休爆誕!ということで、愛知方面へちょっと長めの遠征旅行を企てた。(時間もたっぷりあったので、仙台からフェリーに乗り、名古屋まで丸1日かけて海上移動したりしてみた)

名古屋の地は水族館遠征民にとって、いい意味で「魔境」である。
愛知県内だけで7ヶ所、隣県も入れると10ヶ所以上も水族館のある「水族館王国」なのだから。さらに動物園や博物館もたくさんあって、首都圏や近畿圏にもアクセスが良くて……ずるいよ。(ぴえん)

▪️まずは大好きな碧南の地へ。

名古屋港でフェリーを降りて(なお名古屋港水族館ではなくシーライフ名古屋に近いところに着岸する)、電車を乗り継いでまず向かったのはこちら。

「碧南」っていう地名がまずキラキラしてて好き。
小ぢんまりした駅舎もなんだか旅情が感じられて良き。
そこへ向かう名鉄線もちょっとレトロな感じの赤い電車でかわいい。

と、見るものすべてがポジティブに思えてしまうのは、これから訪問する水族館が完璧に「自分の好みのド真ン中ストライク」だからなんだろうな……笑。

碧南駅からウキウキと歩くこと10分ちょっと、目的地の「碧南海浜水族館」に到着。

「碧南」「海浜」「水族館」っていう文字列、すべてからなんだか海っぽさが感じられてとてもよい。(もはや偏愛の域)
※といいつつ、まだ4年ぶり2回目の訪問です……ごめんなさい。(他にも行き先が多すぎて、、本当に愛知は魔境!)(近所だったらたぶん毎週くらいの勢いで通い詰めそう)

▪️海獣いない、ほぼ100%魚類展示、だがそれがいい!

碧南海浜水族館は、とにかく魚類・無脊椎動物・爬虫/両生類に特化した水族館だ。
イルカもペンギンもアシカやアザラシもいない。

だけど、それがいい!

チケット受付すぐ横の水槽。
前回の訪問時はウミガメ幼体の展示だったかな。今は地元の河口域に住むカニの水槽になっていた。

順路の冒頭にオススメ展示やイベント情報が掲示されている。フィーチャーされている生物がエビスダイだったりギマだったりメガネカラッパだったり、ニシキテグリ探しを推奨していたり。
ここから既に、純度の高い「魚類展示推し」の雰囲気が感じられる。

大水槽前には冬限定で「こたつ」が設置されていて、こたつに入りながらまったりと水槽を眺めることができる。最高すぎる。
なお、大水槽に泳ぐのはほとんどが地元・三河湾で採集された「地魚」たち。

大水槽のあるホール部分にも大小の魚類水槽が並ぶ。ベンチが多めに置かれて、座ってゆっくり水槽を眺められるのもありがたい。

▪️「海浜水族館」だけど地元の淡水魚も充実!

順路を進んでいくと、随所に手の込んだジオラマ水槽が。地元の水辺を再現したこのコーナーが、本気度高めでとても好き。

アマゴ。
当ブログやSNSでもたびたび言ってますが、東日本在住のわたしは遠征先の水族館でアマゴを見ると「あぁ、遠くまで来たんだなあ」と感慨にふけってしまう。(大雑把に言えば、おおむね伊豆半島を境に、それより東にはヤマメ、西にはアマゴが生息している)

ヤマメとの識別点とされる体側の朱色の斑点。くっきり鮮やかな個体をついつい探して撮ってしまう。

コウライモロコ(かな?)。
濃尾平野から西に局所的に分布していて、これまた西日本を感じさせる魚。

ヨシノボリの仲間のオスが2匹、盛んに闘争を繰り広げていた。
威嚇のために広げた鰭がとても美しい。夕方で空いていたのをいいことに、しばし張りついて観戦してしまった。水槽が大きすぎないので、こういう魚たちの行動を観察しやすい。

そうやって淡水魚水槽をじっくり眺め尽くしていたら、ふと、チロチロと水中を泳ぐ小さな生き物を見つけた。どうやらなにかの魚の稚魚のようだ。
マクロレンズに交換して、接写を試みる。(一番マシに撮れたのが上の写真です)

たまたま夕方の給餌に来られた飼育員さんに聞いてみたところ、正確な同定ではないものの、ハヤの仲間(タカハヤ?)の稚魚ではないか、とのこと。ときどき産卵行動が見られるそうで、次回訪問時にも運が良ければ出会えるかな。

地元の両生類の展示も充実している。小型水槽がずらっと並んでいて、圧巻。
テラリウム部分が作り込まれすぎてなくてカエルやサンショウウオたちを見つけやすいのも(観覧者目線としては)嬉しい。

両生類といえば、地元の生き物ではないけれど、こんな激レア生物も。

ホライモリ(ドラゴンズ・ベビー)。
ヨーロッパの洞窟に生息する両生類。洞窟生活に適応した結果、目が退化している。
2005年の愛知万博の際にクロアチアから4匹寄贈された個体が、今でも1匹展示されている。
寿命がかなり長くて平均60年以上生きるという研究結果もあるらしいけれど、とはいえ国内で見られるのは間違いなくこの1匹だけなので、確実にチェックしておきたい生き物だ。

(愛称の「ドラゴンズ・ベビー」のおかげで、地元球団ファンからも愛されているのかもしれない)

▪️特別展「飼育革命」が凄かった・・・!

今回、年末の遠征先にこの水族館を選んだ理由。
「飼育革命」という、冬の特別展をぜひ見たかったのだ。

順路冒頭、大水槽のあるホールの一角が特別展コーナーになっていた。

限られたスペースながら、展示密度がかなり高い。
「エサ」「設備」「水質」というような切り口で、水族館の飼育技術の進化と将来像についてかなり詳しく、そして(やや大人向けながら)分かりやすく展示されていた。
クロマグロ養殖用の人工飼料(ペレット)の実物なんて初めて見た。なんなら常設展示にしておいてほしいくらい、上質な特別展だった。

「イカはなぜ飼育が難しいのか」という切り口。
水槽下がくり抜かれた窓になっていて、オーバーフロー濾過槽が見られるようになっている。

サンゴの増繁殖技術をテーマとした水槽。こちらも水槽下部が窓になっていて、プロテインスキマーを見ることができる。
水槽の設備/配管/裏側が大好き人間としては、この展示方法にめっちゃ萌えてしまった。

そんな特別展のエピローグ。
こんなメッセージで締められていた。

「なぜ人は生きものを飼うのか」。
ちょっと文字が多いけれど全文を熟読して、心にガツンと刺さるものがあった。

ぼくは水族館が好きだ。これはほぼ間違いなく、これからもたぶん変わらない。
その一方で「生き物をただつかまえてきて見世物として消費するのはよろしくないな」という感覚もあって、「水族館は単なる見世物小屋ではない(はずだ)」という思いもあって、その答え合わせをするために水族館に足を運んでいるようなところがある。

このエピローグのメッセージの中に、なんとなくその答えの一端が見えたような気がした。

 

冒頭に書いたとおり、愛知県(とその周辺)はとんでもない「水族館王国」だ。シャチのいる巨大水族館、国内で唯一ラッコのいる水族館、手作り感たっぷりの深海魚つよつよ水族館、生き物たちとゼロ距離で出会える水族館、etc……。

そんな中で碧南海浜水族館は、あんまり目立たないし知名度もちょっと低いけれど、行くと確実に満足できて、安心感があって、ここでしか得られない栄養があるんだよな。
誤解を恐れずに例えれば「普段あんまり目立たないクラスのあいつ、だけど話してみると性格良くてめちゃめちゃまとも」みたいな感じ。

特別展とは別の場所、常設展示の一角にこんな展示があった。

近郊で捕獲された、アリゲーターガーの標本が2体。

「写真撮影OK」と、あえてこの展示に書かれている。
“拡散希望”なのはバズりそうな映え水槽とか面白ネタとかではなくて、あえてここ。

生体展示ではないけれど、この水族館の館内で個人的に大好きな展示の1つが、このアリゲーターガーの標本展示です。ほんとこういうとこだよ、碧南大好き。

コメント

Copyrighted Image

タイトルとURLをコピーしました