年末年始の9連休、2日連続で名古屋港水族館に行った話、その②。
「前編」ではシャチやイルカ、ペンギンなど海獣類を中心にお届けしました。

「後編」ではいよいよ、わたしの大好きな魚類展示を中心にお届けします。個人的にはむしろ、こっちがメインなんだかんね!
▪️いざ、遥か南極を目指す旅へ。「日本の海」〜「深海ギャラリー」
名古屋港水族館、「南館」のコンセプトは「南極への旅」。
名古屋港から船で日本を出発して、地球上のさまざまな海を通りつつ最後は南極に辿りつく、というストーリーの展示構成だ。
(それを意識しながら見学している人がどれだけいるのか?はともかく)
というわけで、スタートはまず「日本の海」。

トビハゼ。
名古屋港近くには「藤前干潟」(ラムサール条約登録湿地)ほかいくつかの干潟があり、野生のトビハゼが生息している。
(一方、南方種のミナミトビハゼは同じ水槽ではなく別コーナーのマングローブ水槽に展示されていて、そのあたりしっかり展示し分けているのが素晴らしい)


スケトウダラ。
名古屋近海の魚というわけではないはずだけど、「すり身の主原料」ということで、ある意味日本の水産業を代表するような形で展示されている。
他にもいろいろと魅力的な展示はありつつ、順路の冒頭で比較的小水槽も多いこのエリアは2日間とも混雑が絶えず……。今回は、1つ1つの水槽をあまりじっくり見ることなく終わってしまった。
続いて「深海ギャラリー」。

「南館」の展示コンセプト的に言えば、日本の沿岸を抜けて三河湾、駿河湾、伊豆・小笠原海溝、マリアナ海溝……と、どんどん外洋を南下していくイメージかな。
そう思うと、展示物のコンセプトも他の深海系水族館のような「地元の深海生物たちをどうぞ!」ではなく「世界の深海研究の歴史」みたいなところに軸足が置かれているようにも思えてくる。
もしかすると、そのモチーフ的な展示がこれなのかもしれない。


左:ディエゴ・ウファノの潜水服
右:クリンゲーツの潜水服
ただでさえ仄暗い深海コーナーの通路奥に佇む、軽いホラー的展示物として有名なやつ。最近ではかわいく(?)デフォルメされて、公式グッズ展開もされてるみたい。
さて、肝心の深海生物たちですが。
これまた小水槽群が多く、年末の混雑の中ではなかなかじっくり滞在もできず……。(言い訳)

かろうじて割とまともに撮らせてもらえた、コワヌケフウリュウウオ。
▪️「赤道の海」。ウミガメ展示が素晴らしい
深海ギャラリーを抜けると、これまでとは一転して明るさたっぷりの大水槽が。
ここのコーナーが「サンゴの海」ではなく「赤道の海」と名付けられているのも、「名古屋から(赤道を超えて)南極へ向かう旅」というストーリーを踏まえているのだろう。

(こんな立派な半トンネル水槽、あったんだなぁ。21年前の記憶が本当に消えている、、)
エスカレーターで上の階に上がると、そこには2つの「サンゴ水槽」が。

左:レプリカ(擬岩)のサンゴ水槽
右:生きたサンゴ水槽(ライブコーラル)

どちらが良いとか綺麗ということでは全くなくて、この2つの水槽を並べて展示している、というのが印象的だった。「右側のサンゴは本物で、生きている」ということが際立つ展示。
(生きたサンゴなので、光合成に必要な波長の照明を当てている)

レプリカのサンゴの方は、こうやって飼育員の方が潜水掃除されていた。
「赤道の海」のコーナー、もうひとつの目玉展示がウミガメたち。


水中側から見たウミガメ水槽。
ドーナツ型になっていてかなり広いのと、魚たちがたくさん一緒に泳いでいたのが印象的。

こちらは陸地側(上階)。幅5m・長さ20m もある、広々とした砂地が作られている。
この人工砂浜で、これまで何度もウミガメ類の人工繁殖に成功している。

別水槽で、アカウミガメの幼体も展示されていた。
▪️実はかなりの時間を溶かしてしまった展示・その1
「赤道の海」を過ぎ、順路はついに「オーストラリアの水辺」へ。
今回滞在したおよそ2日間、実はかなりの時間をここに費やしてしまった。
それが、この水槽。

一見、よくある半水面の大型熱帯魚水槽。
けれど、ここに泳ぐのは南米産のピラルクーやコロソマでも、東南アジア産の魚たちでもない。
「日本からずっと南下して南極を目指す」という全館コンセプトなので、必然、ここを泳ぐのはオセアニア(オーストラリア)の生き物たち、となる。

向かって左半分は、スッポンモドキ(ブタバナガメ)ほか数種類の水生カメと、スポテッド・バラムンディたちの水槽。

スッポンモドキ、とても立派な個体が何匹も泳いでいる。
広々とした水槽を活発に泳いでいて、遊泳力の強いカメなんだなあと改めて思う。

スッポンモドキ以外には、ナガクビガメやマゲクビガメの仲間が何種類か。(正確な種類まで覚えておらず、、すみません)
こちらも広い水槽を気ままに泳ぎ回りつつ、たまにその長い首を伸ばして息継ぎに上がってくる。

向かって右側は、オーストラリアハイギョ(ネオケラトドゥス)の水槽。
こちらは少し水位が高くて、その分なのか水中部分が薄暗い。そのおかげなのか奥行き感があって、本当に現地の水中を覗き込んでいるような没入感がある。
ネオケラたちはあまり泳ぎ回らずに、水底に横たわっている。

それでも名前のとおり「肺呼吸をする魚」なので、じっと待っていると息継ぎのために浮上してきたり、

ふと気まぐれに、ぬぅっと泳ぎ出てきたり。
このエリア、順路のかなり後半にあるせいか、それともこの先にペンギンという人気者が展示されているせいか、じっくりと足を止める人はそれほど多くなく。
見過ごされるのがちょっと勿体ないような気持ちも抱きつつ、時たま誰もいなくなる時間帯がやってくると水槽に張りついてスッポンモドキやネオケラに魅入る、そんな過ごし方をしておりました。
▪️実はかなりの時間を溶かしてしまった展示・その2
オーストラリアの水辺を過ぎて、いよいよ南館のストーリーの「最終目的地」である南極コーナーへ。
ここには「世界中でここにしか展示されていない生物」がいる。

(イラストでネタバレ感ありありの看板 笑)
水槽手前の床にも、プロジェクターで同じような煽り文句が。

ここで展示されている「世界でここだけの生き物」というのは、ナンキョクオキアミ。

おおお!いた!いっぱいいた!!
まぁ、ぱっと見は「普通のエビ」なんですが。そして釣り餌として非常にメジャーな生き物なので、レア感がないと言えばその通りなんですが。
それでも、南極に棲むこの生物の「生きた姿」を見られる水族館は、世界でもここだけ。

よくよく行動を観察していると、「普通のエビ」と比べて中層をよく泳ぎ回る。時にはお腹を丸めて遊泳脚のクリーニングのようなことをしたり、見ていて飽きない。
※なお、ナンキョクオキアミはオキアミ目、エビは十脚目。実は分類的には少しだけ離れている。

名古屋港水族館では、なんとこのナンキョクオキアミの繁殖にも成功している。
21年前の訪問記憶をかなり失いかけていた名古屋港水族館だったけれど、実はこのオキアミの展示は当時しっかりと見た記憶があった。
当時、わたしの学科の指導教官がオキアミ研究の第一人者だったのである。
そんなわけで、前回訪問時に大学3年だったわたしは生きたナンキョクオキアミをここで(もちろん人生で初めて)目にして、なんだかひどく感動したのでした。
ただ、当時はスマホではなくガラケー時代。もちろん一眼カメラなんてものも持っておらず、ガラケーでぼんやりした物体をなんとなく撮って帰った記憶しかない。
それ以来「いつか再訪して、はっきりくっきり鮮明なナンキョクオキアミの写真を撮るんだ!」という思いを密かに抱き続けていた。


うん、満足だよ満足!!
(といいつつ、被写体はわずか数cmの泳ぎ回る生き物。なおかつ水槽の照明は薄暗く、水温維持のために二重ガラスになっている。というわけで、まともに撮影できる設定を見つけ出すまでにずいぶん時間がかかりました……)
▪️2日間のしめくくりに。
先ほどの「オーストラリアの水辺」水槽とナンキョクオキアミ水槽は順路的にほぼ隣接しているので、1日目の半分ほどと2日目の滞在時間中はほとんど、この2つの展示を行ったり来たりしていた。
多くの人にとって名古屋港水族館のトップスター生物はイルカたちやシャチやベルーガなのかもしれないけれど、自分にとってはネオケラ水槽前がいちばん心癒されオキアミ眺めてる時間がいちばん興奮できる、そんな2日間だったかもしれない。
魚関係で名古屋港水族館の人気展示といえば「マイワシのトルネード」なのだろうと思いますが、こちらも今回は見ておらず。(各回とも大混雑で、つい他エリアに逃げてしまった)


(あ〜〜、なかなか他の水族館では見かけないですね〜〜!)などと心の中で言いながら、ブリモドキの写真だけは撮ってた。
2日目のお昼過ぎ、だいたい満足して(次の予定もあったので)そろそろ退館しようかな、と思った時。たまたま同じ日に館内に滞在されていたフォロワーさんから「屋外にあるカメ類繁殖研究施設もオススメだよ!」と貴重なご連絡が!
北館と南館の位置関係を把握することにばかり気を取られ、完全にノーマークでした……!

南館を出てちょっと歩いた先にある。
大多数の人の流れとは反対側にあるので、自力ではたぶんスルーしてた。

館内。
通路の両サイドに観察窓があって、ウミガメの飼育水槽を観察できる。そしてなんといっても空いている!(15〜20分くらいここにいたけど、我々以外にはほとんど誰も来なかった)

南館では(おそらく)展示されていなかったヒメウミガメを、こちらでは見ることができる。
他にもアカウミガメやアオウミガメの育成水槽やウミガメ繁殖の解説パネルがたくさんあって、見応え十分。(実はここの施設だけなら、入場無料で見学できるのだそう)
21年ぶりの名古屋港水族館。
シャチもナンキョクオキアミも見ることができたし、2日間かけて館内ほぼ全部、しっかり廻ることができた。言われなければ見逃してたウミガメ施設にも行けて、持つべき者はガチ勢仲間!なんて幸せな思いに浸りながら帰路につくことができた。
それでもこうやって後で写真を見返していると「あぁ!あれ見てない」「ここもうちょいしっかり見ときたかった!」っていうポイントが多々あって、名古屋港水族館、やっぱりモンスター級の巨大水族館でした。
まだ半年も経ってないけど、早くも再訪したくなってて困る。

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