水族館と『3密』の話。どうなるポスト・コロナ?!

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■またまた、水族館と新型コロナウイルスの話。

5月4日夕刻。
TVで総理大臣の会見が中継され、緊急事態宣言が5月末まで延期されました。

少なくともこのブログ上では政治的な話をするつもりはあまりないですし、ぼくは医療・感染症の専門家でもないですから、この判断が適正だったのかみたいな話はしません。

とはいえ自分の生活にも関わることなので、夕方のニュースはしっかり見てしまいました。
われわれの水族館ライフに関わる点としては、

*緊急事態宣言は5月31日まで延長する。(全都道府県)
*5月14日をめどに専門家会議で対応を再検討する。
(地域によっては段階的な宣言解除もありえる)
*都道府県をまたいだ移動や、「3密」となる場所への外出は引き続き控える。
*(博物館・美術館などの)文化施設は「新しい生活様式」を参考に感染防止策を徹底したうえで、活動再開も検討する。

といったところかな、と思います。

もちろんまだまだ感染者が発生している状況ですし、ここで気を緩めれば再び感染拡大してしまうんでしょうけれど、具体的な時期も込みで「緊急事態宣言の解除」の可能性に言及されたのはたぶん今回が初めてじゃないかな、と思います。

早くこの状況を打開して、
また全国各地の水族館に自由に行き来できるようになるといいなぁ。

■果たして、水族館は営業再開できるのか?!

当面の間、都道府県をまたいだ移動は引き続き控えたほうがいいらしいので、いわゆる「水族館遠征」はもうしばらくの間、我慢なのかもしれません。(水族館のない都道府県が約2か所……orz)

でもせめて、ホームタウンの水族館には行けるようになるといいなぁ。
果たして、水族館はいつごろ営業再開できるんでしょうかね。

ここでカギになるのはいわゆる「3密」(密閉、密集、密接)と、政府のいう「新しい生活様式」、そしてそれらに基づいてどれだけ感染防止対策を徹底できるか、ということなのではないかと思います。

■水族館展示に見る「3密」……?!

密です!

密です!!

密です!!!

あ、別に小ボケを挟みたいわけじゃなくて、「個体数密度が上がると感染症リスクが上がるのは人間もほかの生物も一緒だよ」という話です。

水族館展示ではときに意図的に密度を上げた飼育方法を採ることもあります。視覚的効果(見栄えの良さ)を狙うという意図もありますが、特定の個体が縄張りを作って喧嘩するのを防ぐ、というような意図がある場合もあります。

そういう場合は水質管理を徹底するとか、水換え頻度を上げるとか、或いは濾過装置に殺菌灯を組み込むとか、さまざまな対策を講じていたりします。

もちろん種類によってはデフォルトで「密」な環境を好み、群れからはぐれたらむしろ死の危険性が増す、という生き物もいますよね。たぶん生物種ごとに、適正な「密」具合や感染症への対応力は異なるんだろうなぁ。

これは人間の場合だってご多分に漏れずで、どんどん人口が増えていって「密」なシチュエーションが増せば、それだけ(新型コロナに限らず)感染症蔓延のリスクも増すのは自然な道理なんだろうな、と思います。
新型コロナについても現状はまだ特効薬やワクチンは開発されていませんし、緊急事態宣言が解除された後もしばらくは「密」を避ける生活が続くんじゃないかなぁ、と素人ながら思っています。

■改めて、水族館にみる(人間たちの)「3密」。

本日発表されたとおり、「博物館などの文化施設は “感染防止策を徹底したうえで” 営業再開に向けて動き出す」ということのようです。
「不要不急」ということばが流行語のようになってしまっていて、こういう文化施設はまさに「不要不急」な存在ではあるので、このままことが長引いたら「不要」な施設にすり替わってしまわないか心配していました。とりあえずそういう流れにはならなそうで、ちょっと安心。

さて、水族館ファンとしてめっちゃくちゃ気になるのが、その「文化施設」に水族館は含まれるの?!というところ。

そもそも「水族館は博物館なのか」みたいな話は、博物館法あたりをしっかり勉強しなおしたうえでそのうちまた考えてみたいな、と思うのですが……。

アクアマリンふくしまが好きすぎて上手く纏められないので小分けにして紹介してみようシリーズ。その2、「博物館要素」。そもそも水族館って博物館なの??

(水族館の中の「博物館っぽい展示」って最高だよね!という話)

そういう定義上の話はさておき、「新型コロナウイルス対策」という点で考えると……。
水族館って博物館や美術館と比べると、「密」になりやすい要素が多いのかもしれない……。。。(園館によっても、立地や時期によっても変わると思うけど)

大好きなんだけど、土日休日に行くといつも混んでいる葛西臨海水族園。

大人から子どもまで、ファミリーでもカップルでもおひとりさまでも楽しめる水族館は、「博物館」的な文化施設であるのと同時にアミューズメント施設的な側面も観光名所的な側面も兼ね備えているので、その分たくさんの人々が集まるのかもしれませんね。

(いわゆる「博物館」だと学習や調べものといった目的の来館者が多いのではと思うのですが、水族館の場合はそれに限らずいろいろな目的意識の方がいるんだなぁ、とよく思います)

いつも空いていたくせに、閉鎖が決まると急に混んじゃう例。
明らかに「密」だ……。

もちろん、水族館だって四六時中「密」であるわけではないのですが……!

平日の葛西臨海水族園。
ほんと、かさりんは平日に限る!と思います。
小さめの水槽が多いのと、通路が狭いのと、照明が暗いので土日は大渋滞しがちなんですよねぇ。。1つ1つじっくり見たい水槽ばかりなんだけど。

こちらは閉館間際のうみの杜水族館。
空いているときに、水槽をほとんどひとり占めできると最高に幸せなんですよねぇ。

水族館はやっぱり「生き物たちをじっくり観察する場所」だと思っているので、混雑している水族館は本当に苦手。。。(土日休みのサラリーマン稼業なので、どうしても混雑を避けられないというジレンマなのですが……)

混雑している水族館より、空いている水族館のほうが断然いい!自分のペースでゆったりとお気に入りの生き物を観察できる時間は本当に至福のときなのです。

(空いている水族館って最高ですよね、って話。
水族館で「密」を避けるには、みたいなこともちょっと書いています)

「混んでいるときは撮影禁止」という水族館も世の中にはあります。(施設の構造上しかたないのですが……)
これは自分のようなお魚カメラ野郎には致命的で、やっぱり水族館は空いている日に行くに限るなぁ。

※超個人的な思考ですけど、そもそも大多数の人が土日に一斉に休みを取るからどこも混雑して「密」になるんじゃねえか、と思っていて、乱暴ですけど人口を7等分して少しずつ休みをずらして働けばいいのにな、などと暴論を思ったりもします。
まぁ、間違いなく不便な社会にもなるんだろうけれど……。

■水族館は、どう「感染防止策を徹底」するのだろうか??

さてさて、そんなわけでこのコロナ禍も水族館の営業再開に向けて少しずつですが動き始めていると信じているのですが、たぶん必ず求められるのが「新しい生活様式」に基づいた感染防止策。

このあたりは、ぼくのような門外漢がいろいろ口を出す以前に各園館の現場の方々が本当に苦労しながら対応されていると思います。

なので、現場も知らない人間がゴチャゴチャ勝手なことを言うべきではないですよね。

うーん、でもこれから先、水族館も多かれ少なかれ変わっていくんだろうなぁ……。そんなことを、今日の夕方のニュースを見ながら考えてしまいました。
(以下は提言でも分析でもなんでもなく、Just 感想です)

「食事は対面ではなく横並びで」ということだと、このお気に入りのフードエリアもダメなのかなあ、とか。(写真は「ぼっちランチ」になってますけど。 笑)

こんなふうに人がたくさん集まるイベントも、しばらくは難しいのかなぁ……とか。

「日本酒ナイト水族館」、館内が大混雑していてもなぜか楽しいという稀有なイベントで、これからもぜひ開催してほしいんですけどね!!

「おひとりさまナイト水族館」なら……大丈夫かもしれない。
「間隔はなるべく2m空ける」を満たしているんじゃないでしょうか!)

イルカショーも……これくらいの観客密度を推奨、なのかなぁ……。(こちらも「おひとりさまナイト水族館」より。)

あ、でも屋外イベントだからいいのかなぁ。

「密」を避けて!対人距離を保って!という対策が大前提になるのだとすると、たとえば入場者数を制限するみたいなことも必要になるんでしょうかね。あとは土日休日の営業は当面、見合わせるとか。
もしそうなると、今まで通りの収益を確保するには客単価を上げる、という戦略を採る園館も出てくるのかもしれません。

(個人的には、混雑しすぎている水族館は「生き物をじっくり観察する」という環境からかけ離れてしまうので、「客足をある程度しぼりつつ客単価を上げる」という戦略転換はアリなんじゃないの、とコロナの前から内心思っていたりします)
(一方で「公共教育のための施設」という側面もあるので、判断が難しいところではありますが。)

「手洗い・消毒の徹底」もデフォルトになっていくのでしょうね。

水族館の場合(特にオープンな水槽があるエリアだと)アルコールや塩素系薬剤は魚や無脊椎動物にとって有害なので、閉館後に館内に消毒薬を噴霧する、みたいなことは難しいんだろうなぁ。

「手すりやガラス面を消毒薬で小まめに拭きましょう」みたいな、これまでなかった作業が増えるわけで、現場の方々の苦労にはほんとうに頭の下がる思いです。

臨時休館に踏み切る前から、ふれあい系・体験系のイベントを中止する流れは各園館であって、これは営業を再開した後もしばらく続くのかなぁ……とか。

最近、バックヤード・ツアーによく行くようになってその楽しさに目覚めつつあったのですが、これも当面は中止傾向なのかなぁ。代えの利かない飼育スタッフの方々がもしも感染してしまったら……と思うと、仕方ないのかなぁ……。

(※昔は、バックヤードに入ると「くっそ、俺もここで働きたいっ!」って羨ましさと悔しさみたいな気持ちになってしまうので、バックヤード・ツアーが実は苦手だったんです 笑)

<余談>

※完全に余談ですけど、水族館と同じくらい心落ち着く場所がロックフェスの会場やライブハウスだったりします。こちらのほうはある意味「密」そのものを楽しむ場所だったりもするわけで、水族館以上に事態好転の見通しが立たないのですが……。I LOVE 密!!

■早くまた水族館に行きたい、それだけ!

ざっと思いついたことをツラツラ書いただけですが、水族館にも「ポスト・コロナ」での影響は多かれ少なかれあるでしょうね。

なかなかすぐに「元通り」とはならないでしょうし、逆にすべてが「元通り」ではなくて、(できればいい方向に)変わっていくこともいろいろあるんだろうなぁ……と思います。(「水族館の存在意義」とか「生体展示の在り方」というようなこともこの機会に議論されて、将来に向けて動き出せばいいな、みたいなことも考えますが、今回は割愛)

ひとつひとつ課題をクリアしていくのはすごく大変なことだと思うけれど、また早く水族館に行ける日が来てほしい!!

ほんと、それしかありません。

いち水族館ファンとしてはただただ応援すること、「水族館は(不要不急だとしても)社会にとって”不要”な施設ではない!」とささやかながら発信することくらいしかできませんが……。

ほんとうにほんとうに、このコロナ禍が収束することを、心から願っています。

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