【水族館撮影豆知識】『RAWデータ』って、なに?

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最近、「ツイキャス」というライブ配信ツールにハマっておりまして。

水族館の話やら魚の話やらカメラの話を、(主に酒を飲みながら)ダラダラ雑談配信したりほかの方の配信を見たりしているわけなんですが、そこで先日質問いただいたのが「RAWデータってなに??」って話。

■『RAW』ってなに??読み方は??

「RAW」 ⇒ 「ロー」(または「ロウ」)って読みます。

英語で「生(未加工)」を意味する「Raw」から来ているそうです。

パソコンとかスマホで一番よく使われる画像ファイル形式が「JPEG」だと思うんですが、すごーく大雑把に言うとその「JPEG」形式に変換する前の「生データ」のことを「RAWデータ」って呼びます。

普通は(デフォルト設定では)撮った画像は「JPEG」方式で保存されることが多いと思うのですが、これってカメラの中で「RAWデータ ⇒ JPEGデータ」に自動的に変換されて、メモリカードに保存されているのですよねー。

(そして、その変換のときにファイルの大きさとか画質、色調なんかを設定できます)

その変換前の状態を「RAW」って呼ぶわけです。
大抵の一眼レフとか高級コンデジであれば、保存形式の設定を変えることでこの「RAWデータ」の保存が可能です。(RAWとJPEG両方とも保存することも可能です)

分かりやすいように魚にたとえると(←ん?)

・RAWデータ:丸のままの生の魚

・JPEGデータ:丸のままの魚を加工した「開き」とか「切り身」とか「サク」の状態

みたいなこと。

RAWデータは「丸ごとの生魚」なので、こっち側の都合で好きなように加工ができます。
「焼き魚にしたいなー」とか「いや細かく刻んでなめろうもいいな」とか。

そのかわり、魚屋さん(カメラ本体)では何も処理してくれないので、ウロコを取ったり内臓を取るところから料理にするところまで、全て自分で作業する必要があります。

めっちゃ大雑把にいえば、この処理作業が「RAW現像」です。

ここで要注意なのが、一度RAW現像をして「JPEG」に変換してしまうと、そのJPEGデータは元のRAWデータには戻せません。(元のRAWデータを保存していれば問題ないですが)

「焼き魚にしようと思って2枚に開いて干したアジを、やっぱり刺身が食べたくなったから生魚に戻すのは無理」みたいなことです。たぶん。

■「RAWで撮る」メリットとデメリット

▼ RAW撮影のメリット

・「明るさ」「色あい」「写真の仕上がり」を(ほぼ)自由に調整できる

これが「RAW撮影」の最大の魅力かな、と思います。

RAW現像ソフトで設定をいろいろいじることで、1つのRAWデータから何パターンもの写真を現像してやることが可能です。(JPEGデータでもある程度はレタッチ可能ですが、RAWデータの方が格段に「やれること」が増えます

※①の元データ、まぁまぁ露出不足なんですが、RAW現像で露出補正してみたり、青みを強くしてクールな感じにしてみたり、逆に赤みを強くして暖かい雰囲気にしてみたり。

・写真の一部分だけを補正できる

スポットライトが当たった風に、カエルくんだけ明るくしてみました。
こんなふうに画像の一部分だけ露出や色あいを変えることができるのも、RAW現像ならでは。

まぁ、あんまりやりすぎると「パネルマジック」になっちゃいますけど……。

・撮影現場で「考える要素」が減る

実現場でのメリットとしては、コレ。
撮影のときに考えることは、なるべくシンプルな方がいい。

「ホワイトバランス(色あい)はあとでRAW現像のときに調整すればいいや」「多少の露出不足なら、あとで補正すればいいや」と割り切ることで、目の前のシャッターチャンスに集中できます。

逆にピンボケや手ブレはあとでどうやっても修正できません。ボケ具合(絞り値設定)やシャッタースピードも。
なので、現場ではそっちの設定に集中したほうが得策かな、と思います。

▼ RAW撮影のデメリット

・そのままの形式では使えない

RAWデータは、そのままの状態では(ほぼ)使えません。
たとえばぼくの使っているニコン機では、スマホに転送できるのはJPEGデータのみ。
「撮ってすぐSNSに投稿したい!」とかいう場合には、JPEGで撮るほうが早いです。

・現像ソフトが必要、現像作業に手間がかかる

RAWデータをいじる(RAW現像する)には、専用の現像/編集ソフトが必要。

有名どころだとAdobe社のLightroomとかPhotoshop(フォトショ)、あとは各カメラメーカーからも無料の現像ソフトがリリースされています(大抵、カメラを買うとCD-Rでついてきます)

これを「楽しい」と思うか、「手間」と思うか……。人それぞれですよねぇ。
(RAW現像のテクニックについては、自分もまだまだ勉強中です……)

・データ容量が重くなる

RAWファイルはデータ量が多いので「重い」です。

ざっくり、RAWファイル1つで20~30MBくらい。JPEGだったら数MB~せいぜい10MBくらいかな。

ですので、RAW撮影に手を出すとメモリーカード(SDカードとか)も大容量のものが必要になりますし、PC側のストレージ容量もめっちゃ食います。1TBとかのハードディスクがどんどん一杯になっていくのは、なかなか脅威です(笑)。

■けっきょく、どっちがいいの??

上に書いたとおり、メリットもデメリットもあるRAW撮影。

どっちがいいのか?はなかなかひとことでは言えないのですが、ざっくり言うならば

・あとでいろいろいじりたいなら、断然RAW撮影
(特に「色」をいじりたい人)

・そこまでこだわらない(記録撮影)とか、データ容量を食いたくないならJPEG撮影

という感じかなぁ。

ひとことに「水族館で写真を撮る」と言っても、記録として撮りたい人、ブログやSNS用に撮りたい人、作品作りを目指したい人、いろいろあると思うので……。

でもRAW現像、やってみるとめちゃくちゃ楽しいので、ぜひ一回はやってみることをオススメします!(そのうえで「普段の撮影はJPEG保存でいいや」とか「作品にしたい写真だけRAWデータも保存しとこう」とか決めればいいかと……)

個人的には「JPEG撮って出しするつもり(=本気)で撮影して、あとでそれをRAW現像する」が最強!!と思います。

(自分の場合)最初から「あとでRAW現像するからいいや……」と思っていると、ついつい詰めの甘い撮影になってしまうので……。

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写真素材のピクスタ

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