東京タワー水族館 閉館に思うこと~その1・懐古編~

(本当は1つの記事にまとめるつもりだったんだけど、長くなりすぎたので2つに分割します。続編はまた近いうちに。)

■2018年9月1日 閉館を正式発表。

今年の初夏くらいから「閉館の危機」と噂されていた東京タワー水族館が、9月1日に正式に閉館を発表しました(最終営業日:2018年9月30日とのこと)。

うーん。なんだろうな。
今回、Twitterでも公言したのですが、僕は十数年前、20代半ばの1年間、東京タワー水族館で飼育員のアルバイトをしていたことがあります。1年間という短い間だったけれど、たくさんの思い出がつまった特別な場所で、だからやっぱり、今回の閉館決定を知っていろんな思いがこみ上げてきます。
さみしさとか悔しさとか、もちろん感傷的な気持ちとか懐かしい思い出だとか、いろんな感情がまだ入り混じってて、ごちゃまぜにした絵の具を絞り出すような感覚でこのブログを書いている、そんな感じです。

■本当にたくさんのことを教えてもらった!

「水族館で働きたい!」というのは、子供のころから、自分にとって一番の夢でした。1年間の学生アルバイトという(社会的に見れば中途半端にもみえる)立場だったけれど、自分にとっては夢にまで見た憧れの舞台で、今でもキラキラと輝く思い出の1年間になっています。

学生アルバイトといっても、当時は大学を休学(というか留年)してほぼフリーター状態だったんで、週4日フルタイムで朝から晩まで魚と一緒、家に帰ってからも自宅の水槽のメンテ、バイトのない日は別の水族館でボランティア。あんな魚まみれな日々はなかったなぁ。

ひとことで言うと幸せでした。

大学を留年中(それも、卒論も提出し卒論発表もパスし卒業後の進路も決定しているという状況であと1つだけ残ってた必修単位を落とす、まさに「事故」。)という悲惨な立場で、親のスネかじりの一人暮らしも許されず実家に出戻り、当時の彼女からもフラれた直後、という傍から見れば悲惨極まりない状況だったけれど、そういう不幸パラメータ全部ふりきって幸せだった。
それくらい、自分が本当に好きなことを仕事にする、夢の舞台に立つということの意味は大きくて、もしあのとき水族館バイトに就けていなければただ単に暗くて惨めなだけの1年間になっただろうな、とゾッとします。たまたまの偶然で見つけた求人だったので。

■夢の続きは、今でも胸の中に。

当時の自分には「魚類の研究者になる」というもう1つの目標があって(卒論研究の1年間で「自分には向いていない」ということを薄々気付いていたけれど)、進学のために水族館でのアルバイトは1年で“卒業”してしまったのだけれど、辞めるギリギリまで内心この仕事を続けようか迷い続けた上の決断でした。
そのあと、就職活動をすることになったときも社会人になってからも「あの現場に帰りたい」という気持ちはずっと心の奥にあって、どこかのパラレル・ワールドでもう一人の自分はあの場所でずっと魚を飼い続けてるんじゃないか、そんな錯覚を抱き続けてます。

正確に言えば「水族館で働きたい!」がゴールではなくて「水族館で魚という生き物の面白さをたくさんの人に伝えたい!」が、当時からの目標でした。
その夢の続きはまだ果たせていないのだけれど。

いま、自分が社会人生活のかたわら、あちこちの水族館に通って写真を撮ったりブログを書き続けているのは、当時のそんな気持ちを追いかけ続けているからなんだと思います。

■感謝。そして大切な思い出。

当時、現場で一緒に仕事をさせてもらった先輩社員やバイト仲間(10数年たって、今はほとんど残っていないのですが)は根っから魚や生き物が好きな人ばかりで、仕事ももちろん楽しかったし、休憩時間にも水槽を眺めながら魚について語り合ったり時にはバイト後に飲みに行って夜中まで魚の話をしたりという時間も幸せでした。

給餌担当の日に半日ずっとエサのワカサギをカットしていたら、帰りの都営地下鉄三田線の車内で自分の右肘がびっしり鱗まみれなのに気付いたり、昼休みに長年の野望だった「水族館のバックヤードで昼寝をする」を決行させてもらったり、バイト最終日にガーパイクにガッツリ噛まれて右手から大流血しながら観ていたお子さんに笑顔で左手を振ったり(ドン引きされた)、デンキナマズに放電されたり(小さな個体で本当に良かった……)。

長々とセンチメンタルな自分語りをしてしまったけれど、東京タワー水族館を訪問するたびに当時の思い出がいくつも蘇ります。日本中どこの水族館も大好きなので「えこひいきはしない」が自分のポリシーではあるのだけれど、やっぱりここだけは特別な場所でした。

本当に、東京タワー水族館には感謝と楽しい思い出しかありません。
閉館までの間にあと何度か遊びに行こうと思っています。
本当にありがとうございました。

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