【2024/25年末年始】小笠原旅行で見た鳥の話。

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2024/2025の年末年始。

6年ぶり(2018年の年末ぶり)に小笠原旅行に行ってきました。
これで人生6回目の訪問。就職してからは2回目。まさか社会人やりながら2回も渡島できると思ってなかったなぁ。

旅日記的なやつは前回の小笠原旅行でめっちゃ書いたので、今回はテーマをちょっと絞って記事化しておこうと思います。

【2018/2019 年末年始の小笠原旅行記はこちら】

小笠原旅行・第1日目。この日は24時間「おがさわら丸」の中でプチ船乗り生活です。大寒波の襲来で、海はまぁまぁ時化模様。。。

【カツオドリ&アホウドリ編】探鳥は、往路の船上から始まる。

実は、魚の次に好きな生き物はきれいなお姉さん「鳥」であるわたし。
(子どもの頃に文鳥を飼ってたから、くらいの理由であって、鳥の種類は全然知りませんが)

今回の旅行中も、陸上で遊んでいるときは隙あらばちょいちょい鳥を探していました。

いや、正確には陸上ではなく、船の上からも。

往路のおがさわら丸、船上より。

父島までは約24時間の船旅。もちろん船室で寝っころがって(もしくは船酔いに撃沈して)束の間のデジタルデトックスを満喫するのもいいですが、甲板に出て海鳥観察に興じるのも楽しいです。

乗船から約20時間経った午前9時ごろ、船は小笠原諸島の最北にある聟島列島沖を通過。

いた!カツオドリ!!

大きな翼と黄色いくちばしが非常に目立ちます。
小笠原航路では比較的よく見かけられるそうですが、やはり見つけると嬉しい海鳥のひとつ。

風に乗って滑空飛行しながら、けっこう船の近くまで寄ってきます。
(あとで撮影データを見たところ、20分くらいはずっと船と並走してついてきていたようです)

悠々とした滑空から突然、一直線に海面へ急降下!
トビウオかイカかなにか、獲物を見つけたのでしょうか。(捕獲する瞬間は残念ながら撮影できず)

飛んでいる大きな海鳥はすべてカツオドリだと思い込んでいたのですが、後日写真を見返していたところ、クロアシアホウドリも混じっていたようです。
こちらも、聟島列島や鳥島が繁殖地となっているのだとか。

鳥以外にも、運がいいとクジラやイルカが現れたり、更によく観察していると船の進行に驚いたトビウオやトビイカが水面から飛び出してきたりもするのですが、今回は撮影できたのは海鳥のみ。(トビウオは何度か目撃しましたが、撮るのは難しかったです)

中には、志摩での滞在よりも海鳥やトビウオの撮影を主目的として乗船する、なんていう方もいるそうです。実際に、甲板を歩いているとかなり本格的な装備で船上撮影をされている方もちらほら見かけました。

わたしはそこまで本格的な準備はしておらず、唯一の装備らしきものは足元のみ。

小笠原名物「ギョサン(漁協サンダル)」。
船室と甲板を出たり入ったりする時には、とても便利です。靴底のグリップ力がとんでもなく優れているので、揺れる船内や波しぶきで濡れた甲板でも大丈夫。

別に船上撮影するわけではなくとも、船内を歩き回るときにも便利なマストアイテム。
(なお、カラバリがかなり豊富なアイテムなのに、なぜかメンズは青、レディースは黄色かピンク率が高い気がする……船内での履き違えにはくれぐれも要注意です!)

【メジロ&オオバン編】山歩きも楽しい!

父島に到着後、4日間の滞在のうち天気と海況のよくなかった1日は軽く山歩き。

島の南部にある小港海岸(村内バスの終点)から30分ほど山道を登り、展望スポットとして人気のある中山峠へ。

……まぁ、その、もともと天気がイマイチなのは分かっていたので展望には期待してなかったけどね。

けれどそのかわり、登山道にはおそらく朝からほぼ誰も入っていなかったのか、歩いているとあちこちから鳥の鳴き声が。

植物の緑色と完全に同化して見つけづらいけど、メジロ!!

父島にいるのは固有亜種オガサワラメジロ……
だと思っていましたが、実は外から持ち込まれたものらしく、シチトウメジロとイオウトウメジロの交雑個体という説が有力らしい。(つまり実は外来種)

木に咲いた白い花に飛来して、一心不乱に吸蜜していました。

外敵(猛禽類、カラス、ヘビetc)のほぼいない小笠原ゆえか、内地で見るメジロより警戒心が薄いような。けっこう近寄ってもなかなか逃げません。

吸蜜していたのは、(おそらく)シャリンバイ(車輪梅)という花のようです。

「ウメにメジロ」は内地では定番のモチーフ。
父島にはウメの花は咲いていませんが、そのかわりに「シャリンバイにメジロ」という組み合わせを楽しむことができました。

軽いトレッキングを楽しんだ後は、雨脚が強くなる前に小港海岸に戻り、海岸線を散策。

ちょっとした干潟が広がる河口を見つけたのでカニや魚を探していたのですが……

オオバンを発見!

日本には冬鳥として南方から飛来する渡り鳥で、父島でも冬の間の目撃例が多いのだとか。

河口を我が物顔で泳ぎ回っていました。

水鳥はもう一種類。

町から割と近い水辺のガードレールに、でっかいアオサギが!
(本州でもよく見かける鳥だけど、父島で見つけると一瞬「なにか他の珍しい鳥では?」と錯覚してしまう)

【アカガシラカラスバト編:今回の本命!】

小港海岸から村内バスを乗ったり降りたりして(1日乗車券がとても便利!)、島の山あいを縦断する夜明道路の入り口へ。

バスを降りてうろうろしていると、突然「ヴォー、ホッホー」というような鳴き声が。(無理やり例えると、ウシとハトの間のような声)

ここ父島でこの鳴き声は!
まちがいなくアカガシラカラスバト!!

一気に胸がときめきました!

実は、今回の小笠原訪問でぜひ見たかった鳥の1つがこのアカガシラカラスバト。
前回6年前の訪問時には、山中の「アカガシラカラスバト・サンクチュアリ」まで行ったのに出会うことができなかったのです。

※もう1種類の目当てはハハジマメグロ。今回、滞在中の海況が悪く母島行きを断念したので、その時点でこちらの可能性は潰えた……。

鳴き声を頼りに周囲を見渡すも、姿は見えず。

雨も上がっていたので、そのまま少し周辺を歩き回ってみます。

夜明道路(メインの都道)から少しだけ脇道に入ってみたところ、再びあの鳴き声が!
しかも、かなり近い!!

いました!

念願のアカガシラカラスバト!小笠原諸島の固有種(固有亜種)!!

想像していたより大きいです。(キジバトを2回りほど大きくしたくらい)
上野動物園でも増繁殖目的で飼育されているのですが、動物園のケージの中で見るのより何故か大きく見えました(錯覚)。

それにしても、ぜんぜん逃げない。

同行した妻と2人、望遠レンズでずっと撮り続けていたのですが、5分くらいはずっと同じ木の枝に止まっていました。

そして、言っちゃなんだけど、めっちゃどんくさい。
枝の上でよろめいて落ちそうになる鳥を、ウチで飼ってた手乗り文鳥と野生化したニワトリ以外で初めて見ました(笑)

外敵の少ない小笠原諸島ではあまり飛ばずに地上生活に適応しているらしく、警戒心のなさも相まってノネコに簡単に捕まってしまう、というのもうなづけました。
(その一方で、父島から約40km以上離れた母島へも移動しているらしく、あの飛翔能力でよくそんなに長距離を飛べるな、とも思ったりしました)

わたしが学生時代に小笠原を訪れた(とある調査手伝いで1カ月ほど滞在していた)のは2000年代半ば。

当時は推定30~40羽にまで個体数が減少して絶滅の危機に瀕しており、島内でも「幻の鳥」扱いだったのです。(当時のわたしはこの鳥の存在自体、あまり知りませんでした)

今では推定500羽~800羽程度にまで個体数が回復したとも言われており、こうしてその姿を見ることができるのは嬉しい限り。

※島歩きから戻って、泊まっていた宿のおかみさんに「あかぽっぽ見ました!」と報告したら「あぁ、最近はウチのベランダにも飛んでくるよ」と言われて、嬉しいような悲しいような。

【イソヒヨドリ編】まるでハトかスズメのポジション。

今回の滞在は父島に3泊。
あっという間に最終日を迎えてしまいました。

最終日、おがさわら丸が出港するのは午後3時。
実質半日しかないので、この日は遠出はせず、集落のあたりをぶらぶら。
(より正確に言えば、雨で釣り人もいない防波堤で「波打ち際にいるヤセタマカエルウオを探す」という謎の行動をしていました)

雨の集落、
濡れた羽で佇むイソヒヨドリのオス。

日本全国に広く分布する鳥で、本州でも海岸沿いでよく見かけます。
ここ小笠原でも、あちこちで見かける鳥の1つ。

小笠原にはスズメやハト(ドバト)、カラスが分布しておらず、その代わりに市街地でも割と幅を利かせているのがこのイソヒヨドリ。

こちらはメス。

なんと、テイクアウトの飲食店の看板に止まってカウンターを見上げていました。
まるで注文待ちの列に並んでいるみたい。

※実際、お店の方から餌付けをされている可能性もありそうで、そうだとすればちょっと複雑な気持ちなのですが。

【番外】東京湾のユリカモメ

行きのおがさわら丸、東京湾を出航直後に撮影。(羽田沖くらい)

今回初めて使った望遠レンズの、いい練習台になってくれました。

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