これまた今年のお盆休みの水族館レポ。
市立室蘭水族館の翌日は、隣町・登別市にある「登別マリンパークニクス」へ行ってきました!こちらも、学生時代以来15年ぶりくらいの再訪でした。
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■入場……いや、入城します!!
登別マリンパークニクスを漢字ひと文字で表現するなら、『城』。
だって、こちらをご覧いただきたい。
東欧の高原にひっそりとそびえる古城……ではない。朝9時、まだ開館直前のニクス。
朝もやの奥に見えるオレンジ色の建物……まぎれもなく、城。
園内マップ。
まるでドラクエの地図みたいだ。(どうせならエイプリル・フール限定とかで、ファミコン風のドット画の園内マップ作ってほしい。笑)
ここたぶん、20Gで体力フル回復する宿屋とかあるし、何度話しかけても『ここはニクス城だよ。』としか言わない村人とかいる。大臣の姿に化けて王様を操ろうとしている魔物とかもいるかもしれない。
さて、開館時間。入館、いや入城しよう。冒険の始まりだ。
(雨降りだったので外からの写真が撮れなかったけど)奥が入場ゲート。この橋を渡って館内に入る。しっかりと水をたたえたお濠も作られている。
■館内はしっかり水族館!(でもやっぱり城っぽいけど。)
入館するとまず目の前にででーんとそびえるのが、この大きな円柱水槽『クリスタルタワー』。高さ8m、2階部分からも観賞できる迫力の背高水槽。
順路を進むと、まずはエスカレーターに乗るように誘導される。あぁ、アレですね。ダンジョンに入ると強制的に階段を登って上層階へ誘導されるやつ。
開館直後で他に誰もいなかったせいもあるけれど、「もう後戻りできない……」みたいな謎の緊張感が体を包み込む。
エスカレーターを途中で乗り継いで3階部分まで。
広々した吹き抜けの空間を照らす青い光が幻想的だ。本当にゲームの世界のダンジョンに迷い込んだみたい。そして下を見ると、並々と水をたたえた水槽が広がっている。きっと落ちたらゲームオーバーなんだろうな。意味不明な連想がふと頭をよぎる。
眼下の水槽をよく見ると、大きなサメ(シロワニ)やエイがゆったりと泳いでいる。
あぁそうか、水族館に来ていたんだ、と、ふと我に返った。シロワニの上見なんてなかなかレアなのでじっくり見ていたいけれど、エスカレーターに乗っている間しか眺められない。
大水槽自体は、順路後半でトンネル水槽から楽しむことができる。
エスカレーターを登りきると、西洋風に演出された3階フロア『Aqua Gallery』へ。
ソファとか肘掛け椅子があちこちに配置してあって、観光ホテルのロビーみたい。
唐突に現れる、謎の調度品たち。
万華鏡みたいになったガラス張りの部屋に、ドーム型の金魚水槽が1つ。これは魚を観察するというより、こういう空間を楽しむアートなんだと思う。
■あ、ちゃんと「水族館」してます。魚も撮れます。
ぜんぜんマトモな魚の写真が出てこないやんけ、という感じですが、順路を進めばちゃんと水族館してます。
熱帯性海水魚を中心に、カラフルな水槽が並ぶ。どちらかというと見栄え重視な感じで博物館的な解説要素は少ないけれど、魚たちの状態自体は悪くない。
ウツボとクリーナーシュリンプの共生関係を展示した水槽。
北海道の水族館らしく、北方系の魚たちも充実している。写真は「ハッカク」の通称で食用としても有名な、トクビレ。
深海魚のサケビクニン。けっこう大きな個体が展示されていた。
「バラクーダ」の通称でも有名な、オニカマス(の幼魚)。ガーパイクみたいでかっこよい。
■タッチプールも充実!実はふれあい要素も強め!
ところでニクス、なぜだか館内に3か所もタッチコーナーが。
こちらは形そのまま、ヒトデを中心に磯の無脊椎動物を触れるタッチプール。
こちらはサメ・エイを触れるタッチプール。
こちらはサンゴ礁の魚だとか、カブトガニを触れるタッチプール。
■地味に気になったポイントいくつか。
「北海道最大」のクラゲ展示コーナー。そう言われれば確かに、道内の水族館でクラゲ展示が充実しているところって少ない気がする。
なにげに、繁殖賞をけっこう取っている。
見栄え重視のアート系水族館というだけでなく、実は生物飼育・繁殖にもしっかり取り組んでいる水族館だなぁと感じました。
やたらと広い北海道の中で、「室蘭水族館」と「登別マリンパークニクス」とそこそこの規模の水族館が隣町同士に並んでいるのは実はここくらいなんじゃないかと思う。どちらも交通アクセスも(道内にしては)悪くないのでその気になれば1日でハシゴもできるという点、北海道内では貴重な存在かもしれない。
地元色全開でちょっと地味だけど味のある室蘭水族館、アミューズメント要素強めでお茶化てるけど実は奥深い登別マリンパークニクス。どちらも個性的かつなかなか逆ベクトルで、2館いっぺんに回るとそのギャップにちょっと面喰ったりもするのだけど。