まるっと1年近く前の話になってしまいますが、楽しかったイベントのレポートを。
■「撮影特化の水族館ナイト」に誘われて、九州の地へ!
2023年2月某日。
仙台から約2時間半のフライトで、九州・博多へ。
マリンワールド海の中道を訪問するのは、実に6年ぶり3回目です。(すみません……)
海の中道のこの外観、久々に来たけどやっぱりカッコいいよなぁ。
駅から水族館までの絶妙な距離感と、遮蔽物がなくて遠くに見える水族館に一歩一歩近づいていく感じが、最高にワクワク感を駆り立ててくれるんですよね。
というわけで今回参加したのが、こちらのイベント。
マリンワールド海の中道で開催された「#マリンでカメラナイト」。
・通常営業の終了後に
・館内をできるだけ撮影しやすい状態に
・ソニーストア協賛で機材体験会も!
という、ワクワク要素しかないイベント。
(過去に別の水族館での貸切撮影イベントに参加したこともあるけど、モデル撮影寄りでなんか違ったのです。今回はそんなことなさそうだな、と、期待大。)
そしてなによりも、ゲスト:銀鏡つかささん(@tsukarium)による「水槽撮影のコツのお話」があるという!
つかささんゲストならそりゃ行くっしょ!!
というわけで、博多まで飛んで行ってしまいました。
※本当はイベント前日に博多入りして、昼間のうみなかを満喫して、それから佐世保に移動して1泊して海きららに行って博多に戻ってイベント参加、という旅程だったんだけど、説明めんどくさいからまぁいいや(笑)
■ナイトイベント開始。大盛況!!
イベント開始は17時半。(途中、電車が遅れてギリギリの到着になりました。。)
開館後すぐ、大水槽前でつかささんによる撮影講座。
セミナー中の撮影はNGとのことだったので、開始前の様子を1枚だけ。
大水槽前のベンチや壁沿い、そしてスロープ部分にも、レクチャーを聴講するお客さんが何十人もずらり。(右下の赤いパーカーの方々は、ソニーブースのスタッフさんです)
すげえな、つかささん、ここでこの人数を前に喋るんか……。
ソニーストアのブースでは、水族館撮影向けの機材が紹介されていました。
いやいや、ボディ:α7SⅢにレンズ:50mm F1.2って、ガチ装備なんよ(笑)
ソニーブースの皆さん、終始楽しそうに和気あいあいとしていて、なんだかとっても雰囲気よかったです。
つかささんのレクチャー後は、貸切の館内を気ままに撮影散歩。
大水槽前でカメラやスマホを構え、思い思いに写真を撮る人々。
すごく静かで、だけど水族館や写真への想いは、言葉を交わさなくてもお互いになんとなく共有できているような、そんな不思議で心地よい空間でした。
カメラで撮ったり
スマホで撮ったり。
■「反射を消そう!」水族館スタッフの方々の熱意がすごい!!
「館内をできるだけ撮影しやすい状態に」とイベント案内にも書かれていましたが、その環境を実現するための工夫と努力が徹底していて、圧倒されました。
これまで何ヶ所か、似たようなカメラ特化型の水族館イベントに参加したことがありますが、その中では今回の「マリンでカメラナイト」がずば抜けて徹底されていた印象です。
こちらは館内のとある一角。
向かって左側がタチウオの展示水槽、右側はウミガメの展示水槽。
※めちゃめちゃ暗い写真ですが、なるべく実際の明るさ(暗さ)を再現してみました。
まず、とにかく「通路側を暗くする」。
そして、右側のウミガメ水槽の照明を消し、タチウオ水槽側への反射を防いでいるのですね。(わたしも日中にも同じ水槽で撮影しましたが、通常営業時はウミガメ水槽の照明が、ガッツリ反射してしまうのですね)
タチウオ。
上手く撮れているかどうかは別として(わたしの腕の問題)、確かにものすごく撮りやすかったです。
冒頭のつかささんのレクチャーでも、オススメの被写体生物の1つとしてタチウオには言及されており、その影響もあってか多くの人がタチウオ撮影を楽しんでいました。
薄暗闇のタチウオ水槽前に集い、かわるがわるカメラを繰る人々。圧巻です。
※左で赤く光っているのは、どなたかのカメラのAF補助光かと思います。水族館撮影ではOFFにしておかないと、こんな風にかなり目立ってしまうのですよね……。
(申し訳ないなとも思いつつ、個人が特定できないように配慮はしつつ、敢えて掲載しました。参加する側もお互いに配慮しあってこその、素晴らしいイベントだと思うので。)
他のエリアでも水族館スタッフの方がこまめに巡回されていて、ちょっとでも映り込みが気になる水槽があると「こっちこっち!」と何人かで暗幕や黒い板を持ってきて人力で反射を防ぐという光景も……。
そこまでやってくれるの??!と、スタッフの皆様の熱意とホスピタリティに頭の下がる思いでした。(そしてそれをすごく楽しそうに対応されていたので、なんだかとても心があたたまってしまった 笑)
■2時間半、たっぷり楽しみました。
この手のナイトイベントとしては、わりと長めな2時間半という時間設定。
おかげで、久々に訪問した「うみなか」の館内を、たっぷりと満喫しました。(日中に一回廻っておいたのも奏功しました)
お気に入りな場所を、いくつか。
大水槽脇にある、エレベーター。
「うみなか」のエレベーター、水槽側がガラスになっていて、大水槽の水中風景を眺めながら昇降できるのです。(最上階は水面の高さなので、潜水艦で潜っていくみたいで楽しい)
通常営業時はベビーカーや車いすの方が優先ですが、今回のイベントタイムの間はほとんど利用する人もいなかったので、何度か乗って楽しんでしまいました。(ただエレベーター近くの照明も消されてほぼ真っ暗だったので、場所を知らないと見つけるのがちょっと難しいです 笑)
屋外エリアへ。
誰もいないショースタジアム。
博多湾をバックにした、いい立地だよなぁ。夜だと、対岸の夜景も遠くに望めます。
今回はイベントタイム中にもイルカショーが一回開催されました。撮影者向けに、「次はあそこから飛びますよ!」と解説してくれながら進行するという、親切すぎる仕様だったとのことです。
そこまで「撮影特化」に徹底してるのか……神イベントすぎるだろ……。
一方わたしは敢えてイルカショーは見に行かず、「その間は館内がさらに空くはず!」と読んで水槽撮影を楽しんでおりました。
見て!!
完全に無人状態の大水槽前。
ひとりじめ!
幸せすぎる!!!
思わず階下に駆け下り、完全無人状態の大水槽前を満喫してしまいました。
幸せすぎた……。
あーしまった、次回開催時マネされちゃう、黙っとけばよかった(笑)
■お気に入りの生きものを気ままに撮影。
イベントは「満員御礼!」とのことでしたが、元々の参加人数自体それほど多く設定されていないのか、館内は適度に空いていてとても快適でした。
見たい/撮りたい生き物にじっくり時間を割けるのは、「これが本来の水族館の楽しみ方!」という気がして最高に居心地がいいですね。
スナメリ。
他の水族館とも連携し、調査研究が行われています。
「うみなか」を代表する生き物のひとつ。
アオリイカ。(あ、これは日中に撮ったやつかもしれない。食事中だから)
博多はイカも名物だよなぁ。
タマカイの巨体に寄り添うホンソメワケベラ。
混雑しているときだとなかなかこんな風に「生き物の行動を観察して、一瞬のシャッターチャンスをじっと待つ」っていう楽しみ方ができないんですよねぇ。
でも、やっぱり我々は水族館に生き物を見に来ているわけなので、それが心ゆくまで堪能できる時間というのは本当に幸せです。
■九州ならではの生き物もしっかり撮りたい!
九州への水族館遠征自体、実は久しぶり。
普段、東北ではなかなか出会えない生き物たちを、たっぷり観察しました。
ムツゴロウ。
身体をくねらせると、泥の粒子が水中を舞う。
立派なヒレをピンと開く瞬間がどうしてもこの目で見たくて、誰もいないムツゴロウ水槽前でけっこう長時間、粘ってしまいました。
カメラ持つ手が重かった、筋トレしよう……(笑)
シオマネキ。
九州だけに分布するわけじゃないけど、東北には分布してないので。
有明海に行きたくなっちゃうなあ。
ヤマノカミ。
九州/有明海周辺にしかいない魚。
海と川を行き来するので、その両方の環境が護られてないといけない魚。
セボシタビラ。
今回の「うみなか」訪問でいちばん見たかった魚。
九州北部のごく一部にしか分布していなくて、国内では最も野生絶滅が懸念されているタナゴの1つ。この輝きがいつまでも見られますよう。
自分はなんで水族館に行くんだろう、写真撮るんだろう。
それって別に『映え』を撮りたい訳じゃなくて、こういうふうに生き物たちの姿を記録したいからなんだよな、やっぱり。
誰もいない淡水魚コーナーでひとりセボシタビラと向き合いながら、そんなことを考えたりもしました。
■きっとまた開催される・・・よね?!
何度も繰り返しちゃいますが、本当に最高すぎる、俗な言葉ですけど「神イベント」でした。
そしてどうやら、今年も開催が決まっているようなのです!
本日(2024年1月20日)現在、まだ詳細は発表されていないのですが、きっとまたあの最高に幸せな空間が生まれることを楽しみにしています。
【追伸】
本日(1月22日)、イベント詳細が発表されました!
今回も、銀鏡つかささんがゲストですって!!!やったーーー!