■ある日のこと。
2月某日。
ひょんなことから縁あって、水族館の若手飼育員の方々が集まった飲み会にこそっと参加。
あちこちの園館の方と出会い、ここでは書けない裏話なんかも含めて、いろいろな話を聞かせていただきました。痛烈に感じたのは、水族館の飼育・展示・教育業務に対する熱意と現状への危機意識。
集まった皆さんの話を聞きながら、いわゆる「水族館ブロガー」のはしくれとして自分が表現したいこと、伝えるべきことは一体なんだろう、なんてことを、心地よく酔っぱらった脳みそで考えていました。
自分は、水族館の「中の人」でも、ジャーナリストでもないのだけれど。
■大切にしたいこと。
水族館を訪れるたびに、ぼくが思うのは現場で働くスタッフの方の真摯な想いと、それに対するリスペクト。ぼく自身が、水族館の飼育員になりたくてなれなかった、という過去もたぶん影響しているのだろうけど、今でも憧れの念を抱き続けています。
水族館に行って、そこの飼育生物や展示内容について「もっとこうしたらいいのに~~。」と思うこともたまにはあるけれど、それらについていちばん熟知しているのは基本的には(例外もあれど)他ならぬ水族館スタッフの方々なんだろうと思っています。いわば「外野」のぼくのような立場ではなく。
一方で、運営上・経営上・設備上の制限があったり、経営側と現場側のギャップがあったりということも、なんとなく理解しています。いろんな考え方が世の中にはあって、これからは動物園・水族館に対する外からの見方が、いっそう厳しくもなるだろうな、ということも。
だからこそ、飼育担当の方が展示生物についてなにかを伝えよう、よりよく展示しようと工夫しているのを感じると、心の底から「あぁ、いいなぁ……!」と思ってしまうのです。
なにかを叩く記事や批判的なことを書くのは、実は、存外、簡単だったりします。一方で、「賞賛する」というスタンスを貫きつつ各園館の違いや特徴を表現するのは、(少なくともぼくにとっては)意外と頭を使い工夫が必要なことだったりします。(いちおう、金太郎アメ的に「しゅごい、しゅごい!」とは言ってないつもり。)
水族館に遊びに行ったからといって、必ずしも写真を撮る必要はないし、訪問記をブログに掲載する必要もない。だけれどそれをしたくなってしまうのは、ぼくが「これいいや!!」と思った水族館の生き物や展示風景を誰かに伝えたいから。
そして、「水族館」という施設にポジティブに興味を持つ人が増えて、水族館の訪問客数や収入が増えてくれたら嬉しいし、より良い展示づくりや水族館スタッフの方の待遇改善、なんてところに微力でも貢献できるのであれば、心から幸いです。(今のところ年間ビュー1万アクセスちょいの、弱小ブログではありますが。)
「アルガのブログ/写真みて、水族館に行ってみたくなったよー!」という感想が、いちばん嬉しいのです。
それがぼくの伝えたいことだったりもして、それを表現するためにこれからも写真を撮り文章を綴っていきたい。現場で働く水族館スタッフさんへのリスペクトの念は自分にとって不変のもので、これからもその想いに出来る限り寄り添っていくようなイメージで、あちこちの水族館を訪問し続けたいなと思っています。
蛇足だけれど、水族館で働く人たちの姿が実はとても好きです。それこそが「生き物と人間が関わり合う姿」だなぁ、と思ったりします。肖像権だったりの問題で水族館のスタッフさんの写真は撮るのを躊躇してしまうことが多いのですが、いつか日本中の水族館で飼育スタッフさんの写真を撮りたい、という野望があったりします。
もし「撮っていいよ!」と言っていただければ、喜んでカメラを向けさせていただきます!
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