【一魚一撮!】イトヒキテンジクダイを綺麗に撮ろう!

何年もずっと、あちこちの水族館にカメラ持って遊びに行っていると、「気が付けば毎回なぜか写真に収めている魚」というのが何種類かいたりします。

それはすなわち「好きな魚」、もっと言うと「撮影していて楽しい魚」ってことなのかな、と思います。これからしばらく、不定期ですがそんな魚の1種類1種類に文字通りフォーカスを当てて紹介してみたいと思います。

記念すべき第1回は「イトヒキテンジクダイ」。
先日訪問した仙台うみの杜水族館で、さまざまな顔を見せてくれたのです。

■「イトヒキテンジクダイ」ってどんな魚?

(2018年1月 @仙台うみの杜水族館)

【イトヒキテンジクダイ・基本データ】

学名:Zoramia leptacantha
分布:奄美諸島以南のインド洋、西太平洋
体長:5cmくらい
特徴:なんといっても、青く光る瞳が印象的!透明感のある体色は控えめな美しさで、ボディには橙色のラインが入り尾びれは薄桃色と、よく見ると繊細なカラフルさも兼ね揃えている。
いわば、どんな水槽でも映える水族館の名脇役、といったところ。群泳美は見事で、群れる姿は主役だって張れる。

よく見かける度:★★★★☆(割とあちこちの水族館で見かける)
見つけやすさ :★★★★☆(水槽内で隠れていることは少ない)
撮影難易度  :★★☆☆☆(比較的、誰でも綺麗に撮影できる)
インスタ映え度:★★★★☆(オシャレに撮れば「いいね」が貰える)

(※上記指標は独断です。)

■構図編:ちょっと上から撮ってみよう

イトヒキテンジクダイの最大の魅せどころは、やっぱり美しく輝く青い瞳。
実のところ、この眼の輝きは魚自身が光を発しているわけではなく、外からの光を反射しているもの。ですので、撮影する角度次第でキラキラ具合が増したり、減ったりします。

いろいろ撮り比べてみたところ、この青い瞳は魚のやや上側から撮影したほうが美しく輝くように思われます。照明の当たり方にもよるので、水槽内のどのあたりがいちばん綺麗に写せるか、照明と魚との位置関係をじっくり観察してから撮影ポジションを定めるとよいです。
この辺は、同じように青く輝く瞳を持つ淡水魚のブルーアイ・ラスボラだとかランプアイの仲間にも共通するポイントです。

以下は仙台うみの杜水族館の「世界のうみ/オセアニア」水槽より(2019年4月)。
2枚とも、同じ日時・同じ水槽・同じ個体です。(レンズ:TAMRON 90mm ※35㎜換算:135㎜相当。絞り:f/4.0、シャッタースピード:1/125秒。)

1枚目:魚の少しだけ上側から撮影。

2枚目:魚の下側から撮影。1枚目と比べると、瞳が黒目がちで青い輝きが強調されません。

あるいは、こんな撮り方もアリかも。

イトヒキテンジクダイを背景にしてボカすことで、目の部分の青さが滲むように写してみました。派手すぎず控えめな美しさの魚なので、手前に力のある被写体があるときは、こういう風に脇役にも収まります。もう少しボケ味を強くすることで、綺麗な玉ボケになったかもしれません。


<ワンポイント・アドバイス:そっと近づこう!>

このイトヒキテンジクダイは、体長5cmほどの小さな魚。枝サンゴの周辺なんかに群がっていて、外敵が来ると素早くサンゴの陰に隠れてしまいます。
特に今回のように魚の上側から撮影しようとすると、照明の加減で撮影者の影が水槽側に落ちて、魚たちを驚かせてしまうこともしばしば。不用意な動きで魚たちに警戒させないよう、なるべく静かにアプローチする必要がありますね。

ちなみにこの水槽、実は奥の方にやたらでっかいイトヒキテンジクダイが何匹か泳いでいます。そして、この大きい個体たちはあまり瞳が光らない(成長によるものか、個体差なのか?)。こういう群れている魚を撮るときには自分なりに「美しい!」と思う個体を探し出すのも、ひとつのコツですね。

■設定編:WBはいろいろ試す価値あり!

青い瞳にばかり注目してしまいがちですが、よくよく見るとボディには青色と橙色のラインが入り、背鰭はシュッとモヒカン風に伸び、尾鰭は透明感のある薄桃色。実はとてもカラフルで、繊細な美しさの要素をいくつも持った魚だなぁ、と思います。

きっとこういう魚の場合、カメラ側の設定しだいでもいろいろな美しさを引き出せるはず。そう思って、カメラのホワイトバランス(WB)設定を変えて何枚か撮ってみました。こちらも、仙台うみの杜水族館(2019年4月)。
(レンズ:SIGMA 17-50mm。望遠端の50mmで撮影 ※35㎜換算:75㎜相当。絞り:f/3.2、シャッタースピード:1/125秒。)

WB設定:自動。4枚撮った中ではいちばん自然な色味のような気がします。

WB設定:電球(白熱球)。青みがかるように補正されるため、水中の青さが強調される写真になりました。瞳の青さはほとんど目立ちません。もともと真っ青なルリスズメを添えて。

WB設定:蛍光灯(高色温度)。いわゆる「青白い」蛍光灯の光を想定しているので、赤みがちょっと補正される。ボディや尾びれの薄桃色が強調されて見える。

WB設定:晴天日陰。こちらも色温度の高い(青っぽい)光を想定しているため、赤みが補正される。もともと赤い体色のハナダイの仲間を添えて。

どの設定が好みか、というのは正直、個人の感性だと思います。2枚目の真っ青な写真も、水景としてはこれはこれで綺麗だと思いますし。「水族館で撮影するときって、WBの設定しだいでこんなにも印象が変わるんだよー」という一例として見ていただければと思います。


<ワンポイント・アドバイス:照明を見極めよう!>

ホワイトバランスいじるからには、大元の光源である水槽照明のチェックも超大事ですね!仙台うみの杜水族館の場合は比較的、自然光に近い色味でライトアップされた水槽が多いので、あまりシビアに考える必要もないのですが。

一方で、こんな例も。
これは最近オープン/リニューアルした水族館に多いのですが(特にいわゆる「都市型」の水族館)、LED照明が普及したおかげなのか、極端に青色の強い照明で演出されていたり、特定の色味だけが強調されて写ったりということがけっこうあります。

写真はアクアパーク品川(2018年6月撮影)。

これはこれで綺麗ですし、アクアパーク品川の場合はたぶん狙ってこういう演出にしているんだろうなー、と思います。一方でこういう水槽だと、どう頑張ってもなかなか自然な色味には撮れないんだよなー……。

■個人的・Best Shot of イトヒキテンジクダイ!(2019年4月時点)

@仙台うみの杜水族館、2019年4月

個人的には、これくらいな色味が好きだなーと思います(ちょっと盛りすぎかな)。それにしても、2匹とも背鰭の伸び具合が見事。ファインダーを通してこういう個体に出会うと、なんだかとっても嬉しくなりますね。

スポンサーリンク
写真素材のピクスタ

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

Copyrighted Image