【旅行記】関西〜四国旅行② 民宿「中村」との再会のことなど。

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■宇和島駅より。

関西〜四国の旅、3日目。
この日も予想最高気温は34℃。めちゃめちゃ暑くなりそうだな。

梅雨まっただなかだと思って大雨を心配して旅程を組んでたんだけど、良くも悪くも予想は外れて、真夏の暑さの中を日々旅しています。

この日の第一目的地は、愛媛県松野町にある「虹の森公園 おさかな館」。
宇和島駅からは、どうやらバスか電車の二択のようです。

まずは駅前のバス停をチェック。
ん、この「虹の森公園行き」っぽいな。

んー、8時54分発は「学休日運休」ってなってんな。
この日は土曜日。「学休日」にあたるってことでいいのかな??

確証が持てないまま、駅の待合室で様子見。
まぁバスが来なければ、電車に乗ればいいか。

普段、遠征先で割とすぐレンタカーに頼ってしまいがちなので、この時刻表とにらめっこする感覚がちょっと懐かしい。ローカル線だと、1本乗り逃がすと致命的ですからね。
(今回、なんとなくそういうのも楽しみたくて、あえてあんまりレンタカー使わないで移動してます。そのうちたぶん使うんだけど)

結局、バスは来なかったので(やっぱり学休日だったらしい)、JR予土線で移動。

今日の行程、実は15年前の学生時代にチャリで旅したルートをほぼ逆に辿っていて、だからできればバス移動して当時と同じ道を辿ってみたかったんですけどね。

まぁいいさ、ローカル線の旅もいいもんだ。

電光掲示板を再度チェック。9時33分の窪川行き、これだな。
ほほう、どうやら「トロッコ列車」というのがあるらしい。
※今回乗る区間は対象外でしたが。

コンビニで買った朝食を食べつつ、電車を待ちます。

おおー、来た来た。

一両編成の普通列車に、トロッコ車両「しまんトロッコ」が連結される編成のよう。

めっちゃかわいいじゃん、なにこれ。(今回は区間的に乗れなかったけど、いつか乗ってみたい)

宇和島駅を出発し、のどかな田園風景を見ながら、ゆっくり走るJR予土線。

途中、斜度30度の急勾配を登る区間もあって、そこでは車掌さんによる「雨の日は車輪が空転してしまうこともあるのですが、今日はしっかり登り切ることができました」というアナウンスもあって車内がなごむ。

予土線、かなりなローカル度合いで、ファンになってしまいました。

「にわか乗り鉄」と化しながら、第一目的地・「松丸」駅に到着。

松丸駅。
2階は温泉になってて、駅前には足湯もあります。かわいい駅舎。

駅の時刻表で次に乗る電車の時間を確認したあと(ローカル線遠征、これめっちゃ大事)、大きな荷物はロッカーに預け、カメラリュック担いで炎天下の道をてくてく歩きます。

歩いて5分ほどで、道の駅「虹の森公園まつの」内にある「おさかな館」に到着。

実はこの水族館を訪問するのは2回目。
15年前の卒業旅行(チャリ旅)で四万十川沿いを遡りながら、あまりのどしゃ降りに打たれてここで雨宿りしたんだよな。

ずぶ濡れのかっぱを軒先で乾かしながら、館内を見せてもらった思い出。
(なお当時の写真は、当時使ってたカメラが雨で水没死してしまったので残っていない)

ん、こんな自然光マシマシの展示だったのか。(当時は大雨の日だったので。。)

あ、このアカメの展示は覚えてる!
(水槽手前から投光機で照らされてて、「ここから見てみてください」って書いてある踏み台に登ると目が光って見える)

自然光ばっちりあたったピラルクー、めっちゃかっこよかった。

※詳しい水族館レポートはまた後日、たぶん。。

2時間弱ほど滞在。
また来れてよかった、晴れた日に来れてよかった。

水族館のすぐ裏を流れる広見川。(四万十川の支流)

■四万十川を眺めながら、ゆっくり「乗り鉄」の旅。

再び炎天下を歩いて松丸駅に戻り、次の電車を待ちます。

待合室の中にある案内所の窓をノックして、きっぷを買うシステム。
うーんアナログ。

親切なおかあさんが対応してくれました。
カメラリュックと大きな荷物を見て「あれえ、どこから来たの?」と。
仙台からです、というと、「えらい遠くから来たねえ、仙台と宇和島は姉妹都市だけんね」って教えてくれたりして、こっちもつい、15年ぶりの四国旅であることを喋ったりして。

松丸駅。

窓口のおかあさんも、一緒に見送ってくれた。(他に、いつもこの路線を使う常連さんが数人いたらしかった)

ここからは、予土線は四万十川と並行して走っていきます。
15年前にチャリで走ったルートだ。延々と雨に打たれてた記憶しかないけど。

四万十川の沈下橋(増水すると水没する簡素な橋)。
どこかでちっちゃい沈下橋を自転車で渡ったの、怖かったけど楽しかったな。

あの頃はオリンパスのカメディアという安いコンデジ1台だけ持って旅してたけど、それから年月を経て、一眼カメラ2台持ちで旅するようになると思ってなかったな。

そんなことを懐かしみながら、終点の窪川駅へ。
ここで、JR予土線から土佐くろしお鉄道に乗換え。

ちょうど2両並んでたので、にわか撮り鉄と化してしまう人。

ただ乗換えで寄っただけのはずなのに、引き寄せられるように水槽を発見。
「まちなか水族館」というのが町内に点在してるらしいけど、めちゃめちゃ暑いのでそれらを探しに行くのは断念。

ここからは特急列車「あしずり」で、終点の中村駅まで移動。

カッコいいし、シートもくつろげるし、何より車内にトイレがあるのが地味に助かる。(前日に宇和島駅でビール飲んだせいか、ゆっくり走る予土線の車中で地味にトイレが近くなって困っていた)

きっぷ、こんなんなんだ!(窪川駅でJRと土佐くろしお鉄道が切り替わるので、JRの券売機では買えなくて車内で買うらしい)

太平洋を眺めながら電車に揺られる。

終点、そして四万十川観光の拠点、中村駅へ。

■この日2館め:四万十川学遊館 あきついお

到着したのは15時半すぎ。まだ微妙に時間あるな。
さっさと宿に入ってしまってもいいんだけど、さてどうするか。

一瞬だけ悩み、駅から3kmちょっとの「あきついお」へ。
閉館時間まで1時間半を切っていたので、迷ってる時間がもったいなく、荷物をロッカーに放り込んでタクシー頼んで現地へダッシュ。

この施設のことは、実は小学生のころから知っていたのだった。

岩波ジュニア新書の「トンボ王国へようこそ」という本を小学生のころに読んでおり、記憶に残っていたのでした。(当時の自分に刺さった本が2冊あって、1冊はこれ、もう1冊は杉浦宏さんの「水族館は海への扉」。)

それで20歳を超えて、学生最後の旅行で四国を走ったときに「あきついお」に寄ろう寄ろうと思いつつ、チャリ旅という機動性の悪さととんでもない土砂降りという理由で、泣く泣く断念したのでした。

あれから15年。小学生のころから数えれば30年前後。
ようやく来れました!!

「さかな館」。

「とんぼ館」。

※詳しい探訪記はまたそのうち書きます、たぶん。

個人的にちょっと予想外の出会い(展示資料との)もあったりして胸を熱くしつつ、1時間という短い時間ながら、かなり満喫しながら館内を駆け抜けました。

さすがに「トンボ王国」でのトンボ探しはできなかった、、時間的にも、暑さ的にも。

■四万十市・中村にて。邂逅。

帰りは町内を廻るオンデマンドバスに乗り、中村駅前に戻る。
さて、今日はどこに泊まろうか。

そう、実はこの日は特に宿を決めずにいたのでした。

振り返ること15年前。(こればっかですが、今回の旅のテーマが半分くらいこれなので許してください)

当時、高知駅からチャリで走り出し、およそ140kmの道のりを走りきってたどり着いた中村の町。
あのころは平気で野宿とかネカフェ泊しながら旅してたので、まぁどうにかなるだろうと思って走ってたけどそれらしき寝ぐらが見つからず、最後は四万十川河口の日帰り温泉で途方に暮れて、中村駅前までやってきた。

※当時はスマートフォンなんて持っておらず、グーグルマップなんてものもなく、旅先での情報源は荷物に突っ込んだ地図帳「ツーリングマップル」とか弱いドコモの i-モードだけで、宿のネット予約なんて容易にできなかったんです。今では考えられないけどさ。

あのとき、時刻はたぶん21時すぎ。
真っ暗になった中村駅前の民宿やビジネスホテルを1つずつ尋ねていって、3軒めくらいで「ええよ、泊まっていき!」と快く拾ってもらったことを、学生最後の四国チャリ旅のあたたかい思い出として、痛烈に覚えていたのです。

いい大人になって、それと同じことをまたやってみよう……
と思ったわけではないけど、できればあのときお世話になった宿にまた泊まりたくて、でもさすがに宿の名前を覚えてなくて(事前にネットでも探せなくて)、今回もまたぶらりと中村にやってきてしまいました。

荷物ひきずりながら、駅前に数軒ある民宿を眺め、おぼろげな記憶を辿る。

ん、なんか場所といい店構えといい、ここな気がするんだよな。
と思っておそるおそる、1軒の民宿のドアをたたく。

ハキハキした、元気のいいおかみさんが出迎えてくれた。

「ええっと、、予約してないんですけど、素泊まりで1人泊まれますか??」
「ああええよええよ、泊まっていき!」

ん、なんかあのときと似たような展開だぞ。(さすがに当時とちがい、まだ明るいうちに宿は探しましたけど。)

お礼を言い言い、チェックインをすませ、おかみさんと少し雑談。

「あのぅ、実は15年ぶりに四万十にやってきて、それで当時、確かこちらにお世話になったような気がするんですけれど……」(当時の顛末を簡単に話す)

「あぁ、それきっとうちの母やねえ!困ってる学生さんとかすぐ泊めとったからねえ!」

!!!!
やっぱりか!!!

さらにもう少し詳しい話をして(すぐ近くにもう1軒経営してる民宿があって、当時の1泊めはそっちだったんです、とか)、どうやら本当にここが15年前にお世話になった宿だと判明したのでした。

はぁ、なんだろう、
別にこれ読んでる人にはどうでもいい話だとは思うのですが、旅に出る前にちょっとだけ期待していた伏線が、こんなにも見事に回収されるとは。

部屋に通してもらって1人になってから、さすがに泣くことはなかったけど、ちょっとこみあげてくる感情があった。

あのとき、中村駅前で途方に暮れてた自分へ。
サラリーマンなんて3年もたずにギブアップするんじゃないかって自分でも思ってたけど、15年経って、まぁまぁ楽しくやってます。こうやってふらっと旅に出られる程度には、心も体も元気です。

決してまっすぐ生きてきたわけじゃないから、正しいことばかりだったわけじゃないから、きっとたくさんの人に迷惑かけて、たぶん時には恨まれたり嫌われたりもしてるけど、家族と周りの人に助けられてなんとかやってます。趣味も、仕事も。

あのころは「水族館に就職したい」っていう夢が叶わなくて、好きなことすら頑張れない自分が嫌いで、だから水族館に遊びに行くのもちょっと抵抗あったけどさ。
なんか今になって、こうやって全国の水族館をあちこち巡ってます。

あのころは旅先のスーパーで、割引になったパンとかおにぎり買いこんで食いつないでたけどさ。

今ではかつお丼やらアユやらウツボのたたきやら、土佐の名物を美味しくいただいちゃったりしてるんだぜ。どうだ、すごいだろ!!

この日は晩酌はせずにいたんだけど、ちょっとだけそんな感傷にひたりながら、15年ぶりの町で眠りについた。

はー、すみません。独り語りが長くなりすぎました。

それでは、また明日!

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