【F2.8通し!】シグマ・17-50mm F2.8 EX DC OS HSM レビュー!(水族館撮影編)

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久々に(約1年ぶりに)、新しいレンズを中古購入しました。

折しも、デジタルカメラ市場はフルサイズ・ミラーレス機が群雄割拠し新しい時代の到来を感じさせる2019年。自分も3月のCP+(カメラ・写真の国内最大級の見本市)に行って「次に買うならフルサイズ・ミラーレスかなー」なんて思っていたのですが、まさかまさかのニコンFマウント用レンズ購入。しかもAPS-C専用レンズ。カメラ本体の買い替え・フルサイズ機への移行はまたまた遠くなりそうです。

■今回購入のレンズはこちら!

今回購入したのは、レンズ専用メーカー・シグマの「17-50mm F2.8 EX DC OS HSM」というレンズ。いわゆる、標準ズームレンズの範疇に分類されるレンズです。

SIGMAのレンズ17-50mm F2.8 EX DC OS HSMの基本情報ページです。

詳しいことはあとで(気が向いたら)書きますが、この「ズーム全域F2.8」というのは通称「大三元レンズ」とも呼ばれる大変ありがたいレンズなのでありまして(正確には「F2.8通し」で揃えられた、広角・標準・望遠レンズの3本セットを指す言葉ですが)、その廉価版が中古品とはいえ2万円を切る値段で売られていたものですから、思わず即☆購入してしまった次第です。

(中古カメラ店での状態評価はAB級品。中古ですが、きちんと外箱と専用ケースがついてきました。お店オリジナルの6カ月保証も!)

■さっそく、水族館で撮ってみた!

スペック的な小難しい話はあとで書くとして、さっそくこのレンズを持って何カ所か水族館へ行ってまいりましたので、いくつか撮影画像をば。

(Nikon D7000、1/125秒、f2.8、ISO800、35㎜換算75㎜)

望遠端でヨシキリザメを撮影。これまで単焦点レンズに頼りがちだったシーンでも、ズームレンズでサクサクこなせるのは快感です。

(Nikon D7000、1/250秒、f2.8、ISO800、35㎜換算60㎜)

さすがF2.8、明るいです。今まで苦手だったクラゲ撮影も、割と無難に撮ることができました。

(Nikon D7000、1/125秒、f2.8、ISO800、35㎜換算25.5㎜)

広角端で大水槽を撮影。大水槽とイワシの群れの広さを表現してみました。広角側の35㎜換算25.5㎜という画角は、いま所有している中でいちばんワイドなレンズです。
(ここまで3枚:全て@仙台うみの杜水族館)

調子に乗って、もう少し館内の暗い別の水族館で撮影。
(以下3枚:@アクアテラス錦ケ丘)

(Nikon D7000、1/30秒、f4.0、ISO800、35㎜換算54㎜)

まぁまぁ薄暗い空間なのですが、球体水槽のキラキラ感を上手く拾ってくれました。「17 – 50㎜(35㎜フルサイズ換算:25.5㎜ ~ 75㎜相当)」というズームレンジも、自然な感じで撮れてストレスがありません。
(概ね「35㎜フルサイズ換算50㎜」というのが、人間の目の視野角とだいたい同じくらいの画角と言われています)

(Nikon D7000、1/60秒、f4.0、ISO1600、35㎜換算43.5 ㎜)

こちらは更に暗い空間での一枚。さすがに感度をISO1600まで上げてしまいましたが、奥行きのある構図だったので絞り開放より1段絞って撮りました。こういうときも「明るいレンズ」というのは正義だな、と。

(Nikon D7000、1/40秒、f3.5、ISO800、35㎜換算75㎜)

望遠端で、オスフロネームス・グーラミィの正面顔を。AFでのピント合わせも比較的早く、これも割と暗い水槽ではあるのですが、オスフロがこちらを向いた瞬間をきっちりとらえてくれました。暗所撮影時のAF性能というのも、水族館撮影では重要なところです!

■水族館撮影での、このレンズの良きところ!

【メリット① F2.8通し!】

カメラレンズの「F**」という数字、これはレンズの開放絞り値(F値)を示す数字で、数字が小さいほど「明るい(暗い場所でも明るく撮れる)」レンズということになります。
ズームレンズでの「全域F2.8通し」というのは(一部のぶっとんだレンズを除き)ほぼトップクラスに明るいレンズ、ということになっておりまして、この「F2.8通し」ズームレンズのことを尊敬と憧れの念を込めて「大三元レンズ」などと呼んだりもします(その弟分の「F4通し」レンズは通称「小三元レンズ」)。

水族館というのは基本的に非常に光量の不足している撮影環境ですので、「明るいレンズ」というのは、これはもう単純に正義であります。

【メリット② 使いやすい17-50㎜のズームレンジ】

先ほども書きました通り、「35㎜フルサイズ換算で50㎜」というのが人間の目の視野角にだいたい近い画角と言われています。

このレンズの「広角端17㎜ ~ 望遠端50㎜(35㎜フルサイズ換算:25.5㎜ ~ 75㎜相当)」という画角は、ほぼ「35㎜換算50㎜」を中心に広角側、望遠側にバランスよく振られた焦点距離です。

参考までに、Nikon純正の「大三元レンズ」のラインナップは

  • AF-S NIKKOR 14-24mm f/2.8G ED 
  • AF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8E ED VR
  • AF-S NIKKOR 70-200mm f/2.8E FL ED VR

となっています(2019年5月現在)。これらをセンサーサイズの小さいAPS-C機にセットすると、それぞれの焦点距離はすべて「×1.5倍」、つまり

  • 21-36mm
  • 36-105mm
  • 105-300mm

となるわけでして、真ん中の標準ズームレンズでも35㎜換算「36-105mm」と、やや望遠側に振れたズームレンジとなります。(APS-C機のセンサーサイズとレンズの関係については、後述します)
純正の大三元レンズを買い揃えられない言い訳ではないですけれど、やはりAPS-C機には、APS-C機専用に設計・開発されたズームレンズをつけるというのが自然なのかもしれません。

【メリット③ 安い!!】

今回購入した「シグマ・17-50mm F2.8 EX DC OS HSM」、実は「APS-C機専用」のレンズです。

ちょっと小難しい話になりますが、「APS-C」というのは、カメラ内部のセンサーサイズの規格のこと。一般に、フィルムカメラの35ミリ判フィルムとほぼ同じ「36×24㎜」サイズのセンサーを搭載するカメラを「フルサイズ機」と呼ぶのですが、「APS-C機」というのはそれより小さいAPS-Cサイズ(ぼくのニコンD7000であれば、23.5×15.6mm)のセンサーを搭載しているカメラのことです。

(※フルサイズとAPS-Cの違いについては、例えばこちらのブログで分かりやすく説明されています)

35mm換算という言葉があります。これ、初心者のうちはなんのことだかチンプンカンプンな言葉なんですが、レンズやカメラを選ぶ際に覚えて置かないとちょっと困ったことになってしまう言葉。 僕がそうだったんですが、なんだかめんど ...

レンズとセンサーの光学的な構造から、APS-C専用のレンズはフルサイズ機には使用できません。その代わり、APS-C専用レンズのほうが軽量で価格も安いことがほとんどです。

今回購入したレンズも、実は最大の魅力はそのコスト・パフォーマンス!2019年5月現在、新品の市場価格およそ3万円くらいです(参考定価:¥89,424)。さらに、今回ぼくは中古品を約2万円弱で購入しました。

これが、だいたい同等のズームレンジでニコン純正・フルサイズ対応レンズとなると、実勢価格でだいたい17万円弱!

もちろん高い機材にはそれなりの理由がありますし、新品の純正品と中古のサード・パーティ品を単純に比較してはいけないと思うものの……この差額約15万円あれば……日本中の水族館、何カ所遠征できるだろう
ぼくの場合「カメラが趣味」というよりは「水族館に通って、そこの生き物を撮影するのが趣味」ですので、機材だけにそんなにお金をかけられません(機材購入で困窮して水族館通いができなくなったら、本末転倒です)。
今のところニコンFマウントのフルサイズ機を購入する予定もありませんので(次に買うならフルサイズミラーレスに流れると思います)、APS-C機専用レンズでも特に支障はないかな、と思っています。

■水族館撮影での、このレンズのちょっと「う~ん。」なところ!

【ポイント① デカい。】

「F2.8」という明るさを実現するためには仕方ないのですが、このレンズのフィルター径は77㎜。これは、いまぼくが持っているレンズの中でいちばん大口径です。

参考までに、これまで使用していた標準レンズ「AF-S NIKKOR 18-55mm f/3.5-5.6G VR Ⅱ」(カメラ買うと最初についてくる、いわゆる「キットレンズ」です)と比べてみました。こちらはフィルター径φ52㎜。

右側がシグマF2.8。うーむ、だいたい2回りくらい大きい感じです(レンズ単体の重量は3倍くらい違います)。左側の元々使ってたキットレンズは沈胴型でかなり軽量・コンパクトなので、荷物に制限があるときなど、まだまだ今後も出番がありそうです。

D7000に装着してみたところ。鏡筒もぶっとくて、なかなかの威圧感です。総重量:約1.2㎏。

フィルター径が大きいというのはもうひとつデメリットがあって、フィルター類やレンズフード等々の付属品も、そのぶん高くなるわけです。

ぼくは水族館撮影時、水槽のガラス面にぴたりと寄れてガラスの反射を防げるようにラバーフードを装着することが多いのですが、フード装着するとこのとおり、さらに威圧感が増しちゃいました。

ラバーフードであればそれほどサイズアップによるコスト高は感じないのですが、ちょっと高価なC-PLフィルター(円偏光フィルター)あたりですと、φ52㎜とφ77㎜では値段が倍くらい違います。

とはいえ、ニコン純正の大三元(F2.8)レンズだとさらに大きくて重量もレンズ単体で1㎏を超えます。フィルター径もφ82㎜。それと比べればまだコンパクト、と考えた方がいいのかもしれません。

【ポイント② マクロ機能がない。】

これはまぁ、単純にないものねだりなのですが、同じシグマ社製で17-70mm F2.8-4というレンズがあります。

こちらはマクロ機能搭載で、最短撮影距離:22cm。シグマF2.8のほうは最短撮影距離:28cm。たかが6cmではありますが、個人的には水族館撮影ではぐぐっと被写体に寄った写真が多いので、されど6cmでもあります。そうは言いながらも、悩んだ結果今回は明るさ重視で「F2.8通し」を選んだのですが。これでマクロ積んでたら、まさに水族館撮影では最強のレンズだなぁ。

と、特に最後はまるで無理難題のようになんとか「デメリット」的な部分もひねり出してみましたが、総合的に言って満足度はかなり高いレンズです。
特に「入門機の一眼レフ買ったけど、どんなレンズ選んでいいのか分からない~~」という人は、とりあえずキットレンズからこちらのレンズに付け替えてみると、一気に楽しさが増すんじゃないかと思います。ぼくも当面はこのレンズで、いろいろ遊んでみたいと思います!

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写真素材のピクスタ

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