【超私的考察】水族館で「癒される」かどうか?

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■たぶん、ぼくは少数派なんだと思う。だけどそれでも。

水族館に行って「癒し」を感じたことがない。

否、「ない」と断言してしまうのは極論すぎるかもしれない。

・たとえば平日夜の閉館間際、サンシャイン水族館のラグーン水槽の前にひとりたたずんだり。

・すみだ水族館の大水槽前でオリジナル・カクテル飲みながらぼーっとしたり。

・ネオケラトドゥスの正面顔と見つめあってみたり。

そんな経験で心癒されたことが、ないわけじゃない。

ただ、果たして「癒されたいから水族館に行く」なのかどうかというと、少なくとも自分の場合、これはちょっと疑問です。という話。

■水族館で感じる「癒し」の正体とは??

試しにぼくのTwitterアカウントで「水族館で癒しを感じたことがありますか?」とアンケートを取ってみた。結果がこちら。(総投票数:120)

なんと89%の人が「水族館で癒しを感じる」と回答されました。ぼくのTwitterアカウントのフォロワーさんはいわゆる「水族館好き」な人が多いので、母集団に偏りがある可能性は十分にあるのだけれど。
言い換えれば「水族館好きな人の多くが、水族館で癒しを感じている」とは言ってもいいのではないだろうか。(そして逆に「癒しを感じない」という人が10%ちょっといる、という点も興味深いな、と思う)

ぼくは心理学者でも、水族館のプロフェッショナルでもないので、「水族館で癒される」ことのメカニズムを上手に(論理的に)説明することができない。(このあたり、時間があればきちんと論文とか探して勉強してみたいですね!)

雑誌記事からの引用になるけれど、たとえば水族館の展示を眺めていると血圧と心拍数が低下する」という研究結果が、英国では報告されている。

秋の行楽シーズンである。紅葉狩りに繰り出すのもいいが、遠出する時間がない貴方にお勧めなのが「都会のオアシス」水族館。夏休みの喧噪が過ぎた今頃は案外、穴場だ。しかも、先日報告されたプリマスに所在する英国・国立水族館とプリマス大学、エクセター大学からの共同研究結果によると、「水族館の展示を眺めていると血圧と心拍数が低下する...

この他によく聞く気がするのは、
・クラゲを見ていると心が落ち着く(クラゲの拍動が、人間の心臓の鼓動と似ている?「1/fゆらぎ」だっけ?)
・イルカの笑い顔に癒される
・波の波動/水音に癒し効果がある(これも「1/fゆらぎ」だったような)
・青い色は人間の心を鎮静させる
・薄暗い空間も人間の心を鎮静させる
・水しぶきからマイナスイオンが発生する(そもそも「マイナスイオン」ってなんですかね??)

というところでしょうか??

科学的に説明できるのかどうか、ちょっと怪しいところもいくつかあるけれど。

(癒しをさらに特盛にした例)

さて。
ここでぼくが常々疑問に思っていることが。

『水族館=癒し』みたいな話の時、なぜだかそこに「魚類」ってあんまり出てこないんだよな。。。

これ、どうしてなんでしょうね。
このブログでも以前から書いている気がするのですが「イルカのいない水族館」や「ペンギンのいない水族館」、「クラゲのいない水族館」は世の中にたくさんあるけど、「魚のいない水族館」ってほとんど存在しないはずなんです。
「魚に癒される」も、あっていいハズ。

みんな、水族館でもっと魚を見ようぜ!!

■水族館なう。ぼくの心理状態。

では、そんな「魚好き野郎」の水族館での心理状態は、いったいどうなっているのか。ちょっと垣間見てみましょう。

ここでは、「仙台うみの杜水族館」に遊びに来た、宮城県在住の30代男性Aさん(カメラ好き)を例にとってみます。

「よっしゃ!久々の水族館!!今日は楽しむぞ~~!」

「カメラの設定よし!レンズよし!バッテリー残量よし!」

「年パスよし!入館します!!」

「ふぉぉぉ!ヨシキリザメ!もうすぐ飼育開始から1年かぁ!!」(水槽前の床にうつぶせになりながら)

「おっ!ニチリンダテハゼ!
 背びれ開け!開け!ひ!ら!け~~!!」(マクロレンズのピントを合わせ続けながら)

「よっしゃあああ!開いたぁ!尊い!!!」

「ニシキアナゴじゃない!1匹だけウツボだ!!なにウツボだろう???くっそ、ピント合わねぇ。。。

「くっそ、いつもの撮影ポイントが占拠されてるし。。。休日の水族館は混んでやがるから疲れるぜ。。。」
(※家族をモデルにしたヤラセ写真ですので、誤解なきよう。)

「隠れキャラ発見ッッ!館内3周してやっと出てきてくれたよ。尊いッ!!

そして唐突なカメラトラブルにイラつく。「ピントあわねー!!!」
(たいてい、マクロフィルターをつけっぱなしにしていただけだったりする)

「ふぅぅ~、大水槽前でちょっと休むか。」(つかの間の癒しタイム)

……まぁ、だいたいこんな感じです。ちょっとだけ盛ったけども。「!」マーク多め、癒し要素は限りなく低い、って感じですね。
これが初訪問の水族館だったりすると、さらに「ここでは魚たちのどんな姿が見られるのだろう」とか「次にいつ来れるか分からないから、今日はめいっぱい楽しまなくっちゃ!」という要素がプラスされて、もう脳内でアドレナリンがドバドバ状態のヤバい奴になってることが、ときどきあります。

これは「水族館で癒されて帰る」などとはほど遠く、「興奮状態のまま気力体力の限界まで水族館を満喫して、疲れ果てて帰る」というのが実態に近いところかと思われます。

■「交感神経系」水族館のススメ。

そんな訳ですので、冒頭に書いた通り「水族館で、癒しを感じたことがない」という極論じみた結論にたどり着いたものと思われます。
(大水槽前とかでぼーーっとしている時間もあるのだけど、それは日々の疲れを癒すというよりは水族館でハシャぎすぎた疲れを回復しているだけだったりする。プラマイゼロ。)

(足立区生物園の金魚大水槽。難しいことなんにも考えず、長時間ぼーっと眺めていられるお気に入り水槽です)

でも、いいじゃないですか。
「癒し」だけが水族館のもたらす効果じゃなくて、「いい大人が童心にかえって子どものように(或いはさかなクンさんのように)はしゃぎまくる」っていう水族館の楽しみ方だって、あっていいじゃないですか。

「癒し」をもたらすのが副交感神経の働きによるものだとしたら、その逆に「交感神経」系、というか。アドレナリン全開で心も体もフル回転の状態で巡る水族館、いいじゃないですか!

そこにあるのは「知らないことを知る」ことによる知的興奮だとか、「見たことのないものを見る」ことによるワクワク感なんだろうなと思います。

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