【水族館探訪記】2018.05.20_東京タワー水族館_個性派ぞろいの『美熟魚』ワールド

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久々に、東京タワー水族館に行ってきた。

相変わらず、「魚の個性をじっくり観察できる」、魚好きにとってはとてもいい空間でした。

■重鎮ぞろい!『個体の魅力』満載の魚ワールド。

東京タワー水族館、基本的に魚類しかいません(爬虫類/両生類も少しいるけど)。立地や建物の構造上、どうしてもいろいろと制約があるのだそうです。

“東京タワー”という都内有数の観光地だからといって、イルカショーとかペンギンとかを期待して遊びに行くと、想像と違ってしまうので、そこはお気をつけて。

それでも、というか、だからこそ。
「魚類展示」に対するこだわりは、相当なもの。
最近の水族館で流行りの”水塊”的な水槽とは一線を画す、それぞれの水槽で、個体1匹1匹が主役を張っている、そんな水族館なのです!
誰がなんと言おうと、ここの水族館では「魚」を見よう!じっくりと!

(※余談だけど、例の“水塊”ってアレ、「すいさん学部かいよう学科」出身の身としてはどうしても「塩分躍層」とか「温度躍層」とか「モード水」とか、そっちの話を連想してしまう。)

大西洋産のウツボの1種「グリーン・モレイ」(学名:Gymnothorax funebris)。
展示パネルによると、20年以上飼育されているとのこと。確かに、自分が中学生くらいのころからずっといる気がする。
眼が白濁してしまっているが、まだまだ元気。(というか、10年以上前からこの眼のまま元気に生きている)

南米産の巨大ナマズ「ジャウー」(学名:Zungaro zungaro
こちらも、記憶にある限りずっとここで飼育されている。餌やりの時の迫力は、必見!(ハンカチorタオル持参でお願いします 笑)

この2匹は、東京タワー水族館の「顔」といってもいい、最長老クラス。
もしどちらかが寿命で亡くなってしまったとしたら、全国の水族館好きに衝撃が走るんじゃないか、というレベル。

海獣類や鳥類でそういう個体ってときどきいるけど、魚でここまで「個」を確立した個体って、そうそういないのではないか。魚1匹1匹の「個」が尊重された、すばらしすぎる空間。

■重鎮は、この2匹だけではない!

スネーク・ヘッド(雷魚)の一種、フラワー・トーマン(オセレイト・スネークヘッド)。
(学名:Channa pleurophthalma

重厚感のある顔つきと、鱗1枚1枚のラメのような輝きが美しい。

スネークヘッドの仲間も、けっこうな種類数・個体数が展示されています。
ただ、一部水槽のレイアウト変更をしたようで、以前は小型スネークヘッドがもう少し充実していたのだけどなぁ。コウタイとか、ドワーフ・スネークヘッドとか。

クラウン・ローチ(学名:Chromobotia macracanthus)。

40cmくらいある、巨大な個体。
ペットとしても人気だけど、どんなに育っても10cm~15cm以上の個体を見かけるのは稀で、「どうやったらこんなに大きくなるの?!」と疑問の尽きない個体。

国内でフルサイズのクラウンローチが見れるのって、ここ以外だとアクアマリンふくしまくらいかなぁ(アクア・トト ぎふにもいたかも)。これまた貴重な個体です。

そして手前にフェード・インしてきた、なんか変なサカナ。

タイ原産のコイの仲間、タイガー・バルブ(学名:Probarbus jullieni )。

一見、地味な魚ですが、実はCITES(ワシントン条約)、それも最も規制の厳しい付属書Ⅰに記載され保護されていて、観賞魚として輸入されることはまずないという、実はとても貴重な魚。

レッドテール・キャットとタイガー・ショベルノーズとのハイブリッド個体。
通称「レッドテール・タイガー」。

ナマズ類の雑種化は東南アジアの観賞魚ファームあたりで盛んに取り組まれていて、ただ、ハイブリッド個体ってちょっとゲテモノ的な扱いを受けがちなんだけど、これはハイブリッド化の成功例(と、個人的に思う)。

レッドテール・キャットの美しい赤みと、タイガーショベルの繊細な縞模様が絶妙に入り混じった、独特の美しさ。
何年か観察している限り、成長は一定サイズで止まっているようで、元親のレッドテール・キャットほど容赦なく際限なく巨大化しないのも、観賞魚としては嬉しいところですね(成長速度やサイズについては個体差もありますが)。

あえて1つ注文をつけると、東京タワー水族館は「アメリカ/アフリカ/アジア」と展示ゾーンを区切っているのに、この個体はアジアコーナーの水槽に入っているのが、ちょっと気になった。

たぶん数年前に館内レイアウトが変わって水槽数が少し減ったので、その余波でやむをえず、という理由かなとは思うのだけれど。
「東南アジアで作出された人工改良品種だから」ということなら、納得です(笑)。

■小さな魚も見逃せない!

大型魚(特に淡水魚)ばかりに注目しがちだけど、海水魚も成熟した個体が多くて、侮れない。

写真はマンジュウイシモチの、老成個体。

老舗の水族館なので、こんなふうに成熟した魅力たっぷりの魚たちがいる一方、残念ながら、天寿を全うしてしまったと思われる魚がちらほらいるのも事実。

フルサイズのジムナーカスとか、
でっかいタライロンとか、
これまた最長老クラスのバガリウス・バガリウスとか、
昔は展示されていたんだけどなぁ。

■「次の世代」発見!将来が楽しみ!

それでも、きっと次の「長老」になるであろう魚たちがあちこちに展示されていたので、ちょっとご紹介。

アフリカ産の淡水フグ「ファハカ」。
(学名:Tetraodon lineatus

成魚は50cmくらいにもなる、淡水フグ界の大巨人。
展示されていたのはまだ7,8cmくらいのお子ちゃま個体だったけど、きっといつか立派に成長して、新たな「長老格」になってくれることでしょう。
(いまは、同じく大型淡水フグの「テトラオドン・ムブ」が展示されています)

まだ若いクラウンローチ。
先ほどの巨大な個体と見比べて欲しい。

これでも10cm弱くらいはあって、一般家庭なら十分に立派なサイズなんですけどね。

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