■また来れたよ、あわしまマリンパーク。
あわしまマリンパークが好きだ。
水族館なら基本的にどこも好きだけど、その中でも数館だけの特別な「推し水族館」の1つである。
そのあわしまマリンパークが「閉園」を発表したのが、今年の1月22日。
そして閉園は、ほぼ1か月後の2月25日。
あまりにも急な閉園発表(当初の閉園予定はさらに早い2月12日)や、その後の「Final Party」と銘打たれたクラファンイベントへの賛否なども(悪い意味で)話題になっており、胸を痛めつつ、動向を見守っていた。
(個人的「ラスト訪問」は1月27日だった)
2019年頃から報道されていた旧 運営体制に関するトラブル(破産騒動や渡船の差押え 等)については、いろいろニュースを調べれば調べるほど闇が深く。
我々のような一般人には全容は分からないので、ここで詳細について触れるのは控えておく。
そんな閉園から、およそ2カ月が過ぎようとしていた4月19日。
SNSで「前オーナーが株式譲渡し、新社長のもとで営業再開を目指す」というニュースが流れてきた。
新社長は、お笑い芸人・放送作家の今村クニト氏とのこと。
「ラブライブ!」とあわしまマリンパークの大ファンで、「なくなるのは嫌だ!」という思いで”水族館を買い取る” という決断をしたのだとか。
そして、GWのさなか。公式アカウント「しまたろう」からお知らせが。
まだ閉園中のあわしまマリンパークで、新社長からの説明の場も設けた「内覧会」が開催されるという。
我々のような一般ファンも申込み可能とのことだったので、急きょ諸々の予定をすべてすっ飛ばして、あわしままで馳せ参じました!
※わたしは「ラブライブ!」についてはほとんどと言っていいほど知識がないので、「ラブライブ!の聖地」ではなくいち水族館ファンから見た感想を、以下綴っていこうと思います。
■いざ、あわしまへ。(3か月半ぶり)
5月12日。
9時半ちょっとすぎに、あわしまマリンパークの乗船所に到着。
チケット売り場で事前予約画面を見せ、乗船券と内覧会の案内チラシをGET。
(あ、この紫の乗船券は帰路の船で回収されてしまう)
閉園中であることを示す看板や掲示物がポツポツあって、ちょっと切なく、だけどまた来れたことがたまらなく嬉しく。
そうこうするうちに乗船。
渡し船は、通常営業のときと同じように15分間隔で運航されていた。
またこの船に乗れるとは思ってなかったさ。島に着くまでの数分間が、たまらなく愛おしい。
■今村クニト社長からの説明(おぼえ書き)
入園し、水族館内をぐるっと一周した後、11時からの今村クニト社長の説明会を聴くためにアシカプールへ向かう。
以下、ランダムな箇条書きですが説明会の内容です。(午前の部の内容を中心に、午後の部の説明会からも少し補完)
※なるべく忠実に記載することを心がけていますが、誤認等ありましたらお許しください。
(説明会後、今村社長と少しだけお話することができ、説明内容の録音、およびブログへの記載についてご了承をいただいています)
*今回「内覧会」の趣旨説明
・2月の閉園理由について「施設の老朽化が原因」と報道されているが、実際のところ営業できないような状況なのか。また生き物たちはどうしているか。実際に見ていただきたい。
・先日、地域の方々への説明会を実施したが、その次にどうしても開催したかったのが今回の説明会。
・地域の方々および、クラファンで応援してくれた方々や年パスを購入してくれていたファンの方々には、「何やってんだあわしまマリンパーク」と思われていると思う。その声に対してどうしてもきちんと説明したいと考え、急きょとなり申し訳ないが、このような場を設けさせていただいた。
*今村クニト社長の自己紹介
・現在54歳。
・元、お笑い芸人(ボキャブラ天国等に出演)。ネプチューンのホリケンやレッド吉田(TIM)、東MAXと同期。
・現在は放送作家。とにかく「ビジネスについては素人」。
・息子さんの影響で「ラブライブ!」を知り、そこから「ラブライブ!サンシャイン!!」にハマり、あわしまマリンパークを知ることとなった。
・登場キャラ「松浦果南」ちゃんのファン。(誕生日も一緒)
・元々、水族館は好きだった。
・あわしまマリンパークの手作り感、園内から富士山が見えるロケーション、周辺の海産物の美味しさに魅せられた、本人いわく「ただの太客」。
・「大事な場所を守りたい」と思って動いているうちに、”なんか気付いたら社長になってしまった(笑)” 。
*社長就任の経緯
・2月の閉園は、いちファンとして知った。
・息子さんとともに、2/9に「ラスト訪問」。その際にTV取材も考えていたが放送はかなわず、ただ広報の方づてに、閉園に至った経緯を聞くことができた。
・当時は「館長が悪者/敵」と思っていた。(ステージ脇の伊藤館長、苦笑い)
・報道の通り、閉園を惜しむ多くの人で賑わっており、「なんで閉園してしまうの?」が当時の素朴な疑問。
・伊藤館長宛にその旨を ”ラブレターのように” 連絡し、閉園後の3/1に直接会話することになった。
・そのようにして当時の経緯を知る中で、実際には「施設の老朽化」が主な原因ではないことを知る。
・現場サイドは2024年もこれまで通り営業するつもりで「やる気満々」だった。イルカショー再開に向け新たにイルカを迎える、コツメカワウソも新しい個体を迎えるなどしていた。
・その矢先、1/10に前オーナー会社により閉園が通知され、繁忙期には最大45人いた従業員を大幅に解雇された。(残ったのは11人)
※今村社長は「45人の飼育係の方」と言っていましたが、実際には水族館スタッフ全体の人数のようです。後に伊藤館長より「残った11人のうち飼育スタッフは5名」との説明がありました。
(この点、ニュース報道等でも誤解されているようだったので、補足しておきます)
・前オーナーと地元の方々の間で諸々の軋轢があり、「これ以上沼津でビジネスはできない」との前オーナー判断で閉園の方針となった。
・一方で、あわしまマリンパークの株式を一定金額で譲り受けてくれれば、好きに営業してくれていいという考えも前オーナーは示していた。
・そのような経緯を知り、今村氏として「あわしまマリンパークをなんとか守りたい」という考えに至る。
・芸人仲間やTV業界での人脈、また飛び込み等で100以上の企業や個人にコンタクトし、あわしまマリンパークが当時置かれていた実情の説明や魅力のPR、なんとか営業継続させたいという協力要請を”勝手に”行っていた。
・「情熱だけでビジネスはできない」等と門前払いも受けたが、少しずつ仲間や賛同者、資金援助元を増やすことができた。
・当時は「誰かが新オーナーを引き受けてくれればいい」「必ずしも自分ではなくていい」という考えだったが、周囲から「いやいや、自分自身で社長になるべきだ」という声を受け、結果的にこのような形となった。
・株式譲渡を受け社長となるにあたり、改めて経緯を勉強し、あわしまマリンパークが「こうなってしまった」経緯は本当に複雑に入り組んでいると知った。(ずっと辿っていくと十数年前に遡る話)
・入り組んでいるのに、当事者の顔が見えない。それも問題。
・その解決のために、複雑にもつれた糸は徹底的に解きほぐす。「ぼくが寝ずに動けばいい」くらいの気持ちでいる。
・一例として、ラブライブ!の影響や水族館ファンのおかげで集客はできているが、一方で地元の方々が意外と遊びに来ていない。「なんだかゴタゴタしている」という印象を持たれて敬遠されているし、それは悲しすぎる。
・地元の方々とは、淡島の土地の賃料未納等で今でも問題を抱えてはおり、地元の方々と話すと「あわしまマリンパークを(この状態で)ただ復活されても困る」「過去にわたるゴタゴタも綺麗にする(普通に戻す)必要がある」との声も受けている。
・また「あわしまマリンパークという名前だけ残せばいいが、水族館は無くす」という話もあったが、今村氏としてはラブライブ!の聖地というだけでなく「水族館として残す」という考え。一例としてアザラシが親子3代続いているなど、すばらしい場所。生き物たちをバラバラにするわけにはいかない。
・「あわしまマリンパークを、”普通の”水族館として残す」が今の目標。
*クラファン「FINAL PARTY」についての説明
・クラファンについては前オーナー会社(ワンダーストリーム社:旧オーロラ社)が実施したことではあるが、あわしまマリンパークの経営を引き継いだ者として無視できる話ではなく、「最後まで向き合います、なんでもいいからちゃんとしましょう」という思い。
・ワンダーストリーム社とは話をしており、クラファンにより集まった資金については2月~3月の従業員の方々の人件費および生き物たちのエサ代として使われたと確認が取れた。
(なお、あわしまマリンパークに残った従業員は11名。ボランティア(無償)で残ってくれた人もいる)
・金銭面について付け加えると、今村氏が社長に就任後、5月~6月の人件費等については今村氏にて資金調達し(お金を借り)、回している状況。
・経営は赤字ではない。またバンダイナムコ社(「ラブライブ!」シリーズの展開元)からも「大切な場所なので、引き続き応援する」と言われている。地元の方や漁業組合の方からも「続けてほしい」と言ってくれている。
・一方で、本来であれば、水族館としてまっとうな姿を整えてから(1年~2年後等に)リニューアルオープンすべきと思われるかもしれないが、それでは企業体力が持たない。
・そのため、「見切り発車だ」と言われるかもしれないが、7月の営業再開に向けて動いている。その代わり、7月の再開オープン後も、諸々の問題の解決のために走り回る。「信じてください」としか言えないが、見届けてほしい。
*裁判問題の件
・4/12付で、ワンダーストリーム社の保有していたあわしまマリンパークの株式は今村氏個人が100%譲り受け、新社長に就任した。
(前オーナーの竹原氏とも直接面会した。訳の分からないラブライブ好きが突然来たので爆笑された)
・その直後の4/17に、既に係争中だった裁判(※あわしまマリンパークの破産宣告に関する裁判)が棄却。
・結論から言うと、これに対し「控訴」という形をとっている。ただし係争関係を引き継ぐものではなく、和解しか考えていない。
・実情としては、本件の裁判を受け、あわしまマリンパークの資産は破産管財人の管理下に置かれている。この資産にはイルカ等の生物も含まれる。
・控訴をしないままだと2週間で判決が確定する。飼育生物も含めたこれら資産は管財人の管理下にあり、もしも売却等されてもそれを止めることができない(=水族館としての営業継続に関わる)。
・そのような事態を避け、話し合いの機会を長く確保するために一旦「控訴」という形式を取った。
・一方で、「前オーナーをあわしまマリンパークの経営から外す」というのが管財人側の大きな目的であるということも判明した。今回、今村氏が経営を引き継いだことで、結果的には同じ方向に向いている。
・そのため、「和解に向けての控訴」というのが実態である。
*「あわしまマリンエイド」の設立と協力依頼
・今回の一連の流れについて、周囲の仲間に本当に助けられた。
・今村氏としてはビジネスは素人、熱意だけで突っ走ってきたが、契約関係や株式譲渡の手続き、また今回の内覧会予約のようなデジタル化(LINEビジネスアカウントの活用)等、専門知識のある仲間が手を貸してくれた。
・今後の運営についても、地域の方々やファンの皆様への協力要請が必要であり、「あわしまマリンエイドClub」という仕組みを立ち上げた。
・端的に言えばファンクラブだと思っていただければいい。また、これはお金集めではない。
7月の営業再開に向けていろいろな課題があり、それらの解決にむけてお手伝いしていただけないでしょうか、というお願いになる。
・5/10に開催した第1回の内覧会でも、「草刈り機の免許を持っており園内の整備なら協力できる」「主婦だが、炊き出しならできる」「沼津市エリアの弁護士仲間の中で”ラブライブ好きの会”があり(会場:笑)、法律的なことでなにかあれば相談に乗ることができる」など、有難い声をいただいている。
・また、来場されたコスプレイヤーの方からは「年に何回かでもいいのでコスプレOKイベントDayがあるといい」、水族館撮影が好きな方からは「フォトコンイベントを開催し、その写真でカレンダーを作ってはどうか」など、自分では思いつかないアイデアをいただいた。
・”普通に戻す”ことが先決で、まだまだ先の話になるのかもしれないが、皆さんからアイデアをいただき、よりよいあわしまマリンパークを創り上げたい。自分はメディア出身の人間なので、地元の方やファンの方のアイデアとメディアの力を合わせれば、面白いことが生まれるのではないか。
・問題だらけの現状だが、逆にポテンシャルだと信じて進んでいく。「なんとかなるさ」が「なんとかなるかも」になってきたと感じている。
*その他。
・本日このあと、伊藤館長により、園内施設の老朽化の状態についても現地説明を行う。
・また、今回と同様の内覧会を6月にも開催する予定。進捗についても説明したい。
・すぐに信じてもらうのは難しいと考えている。皆さんにおいては「今村がブレていないかどうか」今後もチェックしてほしい。
・今村社長:今日はずっと園内を歩いているので、個別に質問等があれば声をかけてほしい。答えられる範囲で、誠心誠意なんでもお答えします。
・これまで走り回ってきた中で、地元(重寺地区)の漁師の方の言葉がいちばん心に刺さっている。
「移住等、ポジティブなニュースも多い土地だが、実際には少子化が進み、地元の学校(ラブライブ!に登場する浦の星女学院のモデル)が統廃合されるなどしている。自分の娘に『お前の生まれ育った土地は全国から移住したいと言われる町、世界の人が憧れる場所だ』と言いたい。そのためにできる協力はなんでもする」と言っていただいた。
・皆様にもできれば仲間になっていただき、「みんなでこの場所を守ったね、さらにその先に進もうよ」と言えるようにしたい。頑張りますので、引き続き厳しい目で見ていただき、時には優しい言葉もいただきながら応援していただければと思います。本日はどうもありがとうございました。(会場、拍手)
今村クニトさん、とても誠実そうな人柄で、引き込まれるようなお話でした。熱意とガッツが凄すぎる。
そして、「だいたい30分くらいお話しさせていただきます」と言って、本当にジャスト30分で話し終えた。プロだ。
今村クニト社長による説明会のワンシーン。
(※こちらはこの日2回目:午後の部の説明会のものです)
■伊藤館長より、施設の老朽化に関する説明。
今村クニト社長の説明会のあと、少し時間をあけて伊藤館長による施設老朽化の現地説明ツアーがスタート。
(① アシカプール ⇒ ② イルカスタジアム と2か所での説明)
・アシカプール:
観客席のテント屋根は伊藤館長が入社したころ(25年~30年前)からのもの。1年前の台風で被害を受け、現在はビニールシートで補修されている。
(そうなんだ、と思って見上げたら、確かにシートで補修されていた)
・一方、飼育施設については、生物の飼育維持ができるレベル、生物たちが快適に過ごせるレベルは当然、保っている。我々は飼育のプロなので、そこは譲っていない。例えば海水循環ポンプや配管のメンテナンスなどは最優先で行っている。
・売店前のテント屋根についても同様に、補修して使用している。鉄骨による支柱を増やして補強しており、崩落の心配はない。
・お客様の安全確保には問題ないレベルではあるが、老朽化に対してつぎはぎで補修している、というのが全体的な状況。
・イルカスタジアム:
昨今の台風や爆弾低気圧の大型化により、桟橋やレストラン「離宮」に被害あり。
台風時の安全確保のため、イルカプールに生簀を導入し、荒天時にはイルカを保護収容するようにしている。
・観客席のテント屋根についても、鉄骨の支柱を増やすなどして補修対応している。
・イルカについては、新しいイルカを4頭導入。
・元々、2月の閉園方針を知らなかったため、GWにはイルカショーを再開する方針でトレーニングを進めていた。
・しかしその後に閉園が告知され、スタッフの人数が減ってしまったこともあり、7月の営業再開と同時のイルカショー再開は難しい。(あわしまマリンパークに残った11人のスタッフのうち、飼育員は5人)
・水族館について:
園内でもっとも古い建物(昭和40年代の竣工)。
・いわゆる「水族館30年問題」があるが、館内の大水槽は10年弱ほど前(前々オーナーの時代)に大規模改修を実施している。館内の見た目こそ古いが、当面(今後15年~20年)は問題ない。
・また大水槽以外の個別の水槽についても、都度修繕するなどしており、魚たちの飼育に問題はない。
・一方、ボイラーやチラーなどの熱源機器について老朽化が進んでおり、今後はそちらの対策が必要となる。(機器メーカーと打合せを進めている)
■島内・館内を散策。
説明会が終了した後は、園内を自由に散策。
閉園間際と違い、この日はそれほど混雑しすぎていなく、快適に水族館を楽しむことができた。
海獣(イルカ・ヒレアシ・ペンギン・カワウソ等)については他の海獣ファンの方に譲り、魚や小さな生き物好きな自分としては「淡島水族館」「カエル館」メインでお届けしたい。
まずは「淡島水族館」へ。
あぁ、この入り口をまたくぐれる日が来るとはなあ。
(この日は開催されなかったけど、あわしまのバックヤードツアーが楽しすぎるのでまた絶対に参加したい)
入ってすぐのこの看板が大好きすぎる。
内容はずっと一緒なのに、来るたびに写真を撮っている。
トングで餌をあげるタイプの「お魚たちのごはん」(1回300円)も、この日は用意されていた。
これも大好きな掲示物。
「私なりの水族館の楽しみ方」(しかも他館に行った前提)をそっと伝えてくれる水族館、ほんと唯一無二。無ッ二!!
大水槽。
この前のベンチで、ぼーっと水槽を眺めるのが最高に好きな時間の過ごし方なんだよなあ。
大水槽前の解説ノートも健在。
閉園前のときはゆっくり読めなかったので、今日はちょっと熟読しちゃった。
なるほど、このちっちゃいヒレ(小離鰭)があるのが「マルアジ」ね。
魚たちとの距離が近いのでこういうのもよく観察できるなあと、改めて実感。
初訪問のときにめっちゃツボった、「水槽の上から飛び出してくるトラウツボ」も健在。あ、模型です。
2階へ。
2階も、変わってないなあ。
2階の順路の最初にある、この解説板も本当に胸に刺さる。スタッフの方の水族館愛が溢れてる。
自分のとこだけじゃなくて「全国の水族館を巡るもよし」的なことが書かれてて、優しすぎるよ。閉園中のいま、その優しさが切ないのよ。
そういえば閉園中ということで、魚たちがどこか人間への警戒心を解いて、物怖じせずに泳いでいたような。
ハコフグの幼魚、ぜんぜん逃げずに写真撮らせてくれた。
深海魚への愛が深すぎる水槽群と、タッチプール。
この解説板に、毎回やられてる。
魚たちに向き合う姿勢が、尊すぎる。
「ウニ好きのウニ好きによるウニ好きのためのウニ展」、閉園前のまま、継続開催中!
#ウッニ !!
あ、今年の「春のカシパンまつり」は開催かなわずだったけど。
個人的に勝手に、カシパンまつりしてきたよ。
(内覧会の日はレストラン休業中だったので、コンビニでパンを買ってランチにしていた)
そして今回、個人的にとてもとても感動してしまったのが、こちらの水槽たち。
なんの変哲もない、ウニを飼ってる小水槽。
でもね、小型水槽を、それも小さな外掛けフィルターで回してる海水水槽を、数カ月も維持するのはとても難しいのだ。
砂の中にうっすらとだけ溜まった汚れも、岩肌をうっすら覆う茶色いコケ(珪藻)も。
そして、それにも関わらずガラス面のコケは綺麗に磨かれていて、ウニたちが元気に過ごせる水質も維持されていて。
きっとこの水槽2つ、「内覧会のためにあわててリセットし直しました」ではなくて、閉園後も日々しっかりメンテナンスされ続けていたんだろうな。
それに気付いて、いつ営業が再開するか分からない館内でずっとこの水槽をメンテし続けていたスタッフの方のことを想像して、人知れず胸が熱くなっていた。
「ラブライバーの聖地」というだけじゃなく、いやそれ以前に。
「深海生物の聖地」
「ウニ好きの聖地」
「カエル好きの聖地」
でもあるんだよなあ、あわしまマリンパーク。
続いて、そんなカエル愛に満ちた「カエル館」へ。
こちらも、閉園前とあまり変わりなし。
サビトマトガエル。
チャスジアオガエル。
基本的にはPOPでほんわかした雰囲気を出しつつ、ところどころでこういう重めでストレートなメッセージを伝えてくる。こういう姿勢が本当に好きだ。
ウーパールーパーの水槽。
こちらも閉園中とは思えないくらい、綺麗に維持されてた。
カエルや生き物(動物)だけじゃなくてさ。
飼育ケージの中の植物までしっかり維持されてて、花も咲かせてる。
本当にずっと閉園中だったのかな、って思っちゃう光景。
島内も、ぶらぶらと散策。
とはいえ遊歩道の手すり等の安全整備がされ尽くしていないらしく。
島の裏側へは、立入禁止。
島の裏側を一周するの、水族館とはまた別な楽しさがあるので、営業再開したらまたゆっくり散策したい。
レストラン離宮。こちらも今回の内覧会では休業中。
実は一度も入ったことがない。(閉園前の訪問のときは、ラブライバーの方で大混雑していた)
次に来たときは、ここで水族館メシも堪能するんだ。
遊歩道から見下ろした、淡島の海。
青く目立つ小さな魚はソラスズメダイ。
あわしま、この「目の前に”本物の海”がある」っていうのもすごくいいロケーションなんだよなあ。
個人的には、「水槽の中の魚を見て、そこから本物の海の中にも興味が繋がる」というのが、水族館という施設の理想形だと思っている。
あわしまマリンパーク、ロケーションとしては限りなく理想的な立地なんだよな。
目の前の海で磯採集とか観察会とか、そういうのも楽しめる水族館になったらいいな、と昔から勝手に思っている。
■今はとにかく、期待しています。ずっと応援します。
たまたま現地で遭遇した水族館仲間の方々とお喋りしたりもしつつ、気付いたら夕方近く。
午後の部の説明会も参加して、その後、帰りの渡船に乗り込んだ。
本当に来れてよかったよ。
本当に、復活への道を歩み始めてくれてよかったよ。
そしてそれを叶えてくれた今村クニトさん、心の底から尊敬するし、応援し続けます。
施設の老朽化だとか、それより前からこじれている諸問題(訴訟問題とか権利関係とか)だとかもあるけれど。
それ以外にも「微妙なアクセスの悪さ」だったり、ただでさえ水族館激戦地の静岡県で、すぐ近隣にも別の水族館があったり(これはやり方次第で、「競合」にも「共存」にもなるんだろうけど)、台風や悪天候の影響をめっちゃ受ける立地だったりとか。
一筋縄ではいかないんだろうなと、素人ながらに思ったりする。
だけど、あわしまマリンパークが再スタートを切ったこと、「みんなでつくる水族館」というコンセプトを掲げていること、そしてこの日の今村クニト新社長の誠意と熱意のこもった説明会。
なんかもう、応援するっきゃないよなあ、という気持ちになりました。自分にとってここはやっぱり「推し水族館」なんだよな。
奇跡を起こしてみせるって、言ってくれたもんね。
(2月の閉園決定後に訪問した際、売店のレシートにそっと打ち込まれていたメッセージ)