11月最後の週末。広島へ。
広島遠征の主目的だった、シン・マリホ水族館の内覧会の話はこちらから。

シン・マリホ水族館を出た後は、一路、宮島(厳島)へ。
宮島水族館(みやじマリン)の訪問記はまた別途どこかで書きますが、とりあえず「みやじマリンのバックヤードツアーがなんだかとてもよかった」ので、今回はそんなお話です。
■みやじマリン2Days訪問。朝は空いてて最高だぞ!
私が宮島に泊まる理由。
それは「朝イチと夕方の館内がとにかく空いている」ということ。
どこの水族館もたいがい、開館直後と閉館間際は空いているものですが、宮島水族館は特にそれが顕著です。なぜなら、「観光地・宮島の島内にある水族館」だから。
宮島観光って、圧倒的に日帰り訪問が多いんですよね。そして、だいたい朝9時~10時ごろと、夕方16時~17時くらいが来島/離島のピーク。
フェリーで宮島に渡って「厳島神社も参道散策も食べ歩きも後回しにして、まず一目散に水族館を目指す」なんていう人はごくごく一部と思われますので、朝9時の開館直後と17時の閉館間際は必然的に空いています。

開館10分前くらいに現地に到着して得られる、圧倒的無人状態……!
(開館待ちの列に自分しか並んでなかったw)
「館内にほぼ自分1人しかいない」という、束の間のご褒美タイム。
いつもならあわあわと館内を駆け巡りたくなりますが、今回の私には心の余裕があります。そのために前日の夕方にも一度訪問して、2時間ほどしっかり館内を満喫しておいたんだぜ、ふふふ……。
というわけで、この日はちょっとバックヤードツアーに参加してみることに。

バックヤードツアーは参加無料、ただし先着順。(定員10名か15名とかだった気がする)
公式HPにも特に情報がなかったので、不定期開催とかなのかもしれません。
午前中の開催時間は10時半~。
この時間設定も絶妙です。先ほども書いた通り、宮島そのものへの来島が9時~10時ごろからがピークなので、10時半くらいを過ぎると厳島神社参拝から流れてくるお客さんで、館内が一気に混み始めるのです。
というわけで、朝イチの空いてて快適な館内をのんびり満喫した後、満を持してバックヤードツアーの集合場所へ。
■ツアースタート!序盤から解説の充実度が高い!

ツアー集合場所で参加証をGETし、いよいよバックヤードツアーのスタートです!
今回は10人ほどの参加、だいたい30分くらいのコースとのこと。私以外はご家族3組ほどがご参加されていました。

とある通用扉からバックヤードへ潜入。
最初に目の前にあったのはこんな予備水槽。
何の変哲もない予備水槽ながら、「なぜ予備水槽で魚を飼っているのか」とか「魚たちが人に馴れるまで」みたいなことを、とても分かりやすく説明してくださいました。
それともう一つ、このスタート地点に荷物置き用の棚があって、大きい荷物はここに置いていけるようになっていたのもとても助かりました!
水族館に行くときはでっかいカメラリュックを背負っているもので、狭いバックヤードではなにかに引っ掛けたり倒したりしてしまわないかと気を使うのですよね……。(水族館側にとっても、そういう事故を防ぐための配慮なのかな、と思いました)
お子様連れなどで荷物の多い方にとっても、親切な配慮だなあと思いました。ありがとうございます!
■イカ、タコ、カキ……。生き物をはぐくむ「水槽の水」の話。
ツアー序盤。
ミノカサゴの水槽を上から眺めながら、「水槽の水の話」について教えてもらいました。

宮島水族館では、近隣の海から天然海水を取水して使用しているそうです。そして、海水の給水は常時少しだけ開放になっていて、新鮮な海水を常に少しずつ流入させているのだとか。
海から離れた水族館ではなかなかできない贅沢だ……!

宮島水族館はイカ・タコ類の展示が非常に充実しているのですが、水質に敏感なイカ・タコの仲間が状態よく飼育できている秘訣のひとつも、こうして新鮮な海水をふんだんに使用できる点だそうです。
他にも、カキいかだの水槽だけは海水を濾過せずにそのまま使用している、なんて話も教えていただきました。
カキは海水中の植物プランクトンを食べているので、濾過せずそのままの海水で飼育した方がよいのだとか。

なるほど、だからこの水槽だけちょっと水の色が緑がかっているのか。
前々から気になってた謎がめっちゃ解けた。
■エサやり体験もできる!
水質管理の話なんかはけっこう大人向けだと思うのですが(それでも対話形式で、とても分かりやすく説明されていたのが驚きでした)、決してマニア向けのガチすぎるバックヤードツアーではなく、ツアー内にはエサやり体験もありました。
親子連れのお客さんたちへは、かなり人気のようでした。

エサは乾燥したペレットタイプ。
(なんだけど、カメラ持ってるとこういう指先が汚れるアクティビティってつい敬遠しがちになるよね……タッチプールとかも。)(なので、残ったエサはお隣にいた親子連れの方に譲ってしまったw)
エサやり体験をした後で、調餌室を見に行くという流れ。

活きたイサザアミもキープされていました。

(たぶんイサザアミ飼育やアルテミア培養用に)塩分の計算がメモってあったのと、
イイダコが産卵した時のための案内板が置いてあったりして、こういうのにくすぐられるマニア心よ。

さかなクンさんのサインもありました!
■スナメリ水槽の裏側も見られる!

宮島水族館の名物展示といえば、個人的には「カキとイカタコ」なのですが、おそらく一般的に人気動物の1つなのが、瀬戸内海に棲むクジラの仲間・スナメリ。

バックヤードツアーでは、スナメリ水槽の裏側も見学できました。表から見るよりも、水槽が意外と大きい!!
宮島フェリーから見られることもあるくらい身近な鯨類であること、繁殖や生態研究にも力を入れていること、そんなことも丁寧に説明していただきました。
■希少生物の域外保全と、カブトムシ展示の裏側。
ツアーの終盤は、水槽だらけの部屋へ。

市販の規格水槽がズラッと並ぶ小部屋。
ここでは、アユモドキやスイゲンゼニタナゴなどなど、希少淡水魚の飼育・繁殖が行われています。(域外保全、といいます)

アユモドキにスイゲンゼニタナゴ……あぁ、「はつこい庵」のあの水槽で飼育されている魚たちですね!
※アユモドキ、個人的に推し魚なんだけど、ここで撮ろうとすると、水槽の下に這いつくばる変質的な撮影スタイルになるw

ところで気になるのが、水槽以上に目立つ大量のプラケース。中には水ではなく土が入っていて、明らかに魚以外のものが飼われています。

先ほどの小部屋だけでなく、実はバックヤードの通路のそこかしこに、同じようなプラケースが。もはや、隙あらばプラケースに侵食されています。
これらは主に、カブトムシ類の飼育ケースとのこと。
そう、宮島水族館は水族館なのに、カブトムシ展示が「ガチ」なのです。

「カブトムシといえば夏の風物詩」という概念を覆す、「幼虫/さなぎ/成虫」が1年中ほぼいつでも観察できる、ガチすぎるカブトムシ展示。この展示を可能にするために、バックヤードでは大量のプラケースで、季節をずらしながらカブトムシを飼育しているそうです。
宮島水族館は観光地にある水族館で、客層が必ずしも水族館好き・生き物好きというわけではない。そのため、ずっと魚類展示だとお客さんが飽きてしまうので、カブトムシのような陸上の生き物もアクセントとして展示に組み込んでいる、とのことでした。
ずっと「なぜ宮島水族館でカブトムシ??」と思っていたけど、宮島という立地ならではの、そんな理由もあったようです。
■ツアー後には丁寧に質問に答えてくれた!
所要時間はおおよそ30分くらいでしたが、時間以上に充実した内容のバックヤードツアーでした!
というか、これまであちこちの水族館で参加したバックヤードツアーの中でも、トップクラスに楽しかったかもしれない。
魚類やイカタコからスナメリまでいろんな生き物のことを知れるのと、エサやり体験のような誰でも楽しめるコンテンツとかなり高度な内容の説明が両立されているのと、なにより説明してくださった飼育員さん自身がきっと生き物が大好きで「水族館でなぜ生き物を飼うか」ということを真剣に考えていることが伝わってくる、そんなバックヤードツアーでした。
ツアー最後には個別の質問にも丁寧に答えてくれて、特に質問というわけではないのですが、本当に楽しかったお礼を伝えながら少しだけ水族館雑談。(お忙しいのにすみません)
最後に「ヒメコウイカの繁殖の展示、ぜひ見ていってくださいね!」と教えていただきました。

浅い海に棲む小型のコウイカ、ヒメコウイカ。
飼育下での繁殖はおそらく初ではないか、とのことでした。(近々、繁殖賞の受賞なるか?!)

おそらく日本でここだけの、飼育下繁殖したヒメコウイカ。
■ツアーに参加するほどの時間はない!という方へ
バックヤードツアーとても楽しかったのですが、「そこまでの時間はない!」という人もいると思います。
実は宮島水族館には、気軽にバックヤード気分を味わえるコーナーがあります。

館内の2階、大水槽(ゆったり水槽)の脇の扉の奥が、「飼育体験コーナー」。

木造のキャットウォークが組まれていて、大水槽を上から眺めることができます!
飼育員の仕事内容について分かりやすく解説されたパネルなんかもあるので、順路からはちょっと脇に外れた展示エリアだけど、ぜひお見逃しなく!

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