【ニューカレドニア・ラグーン水族館レポート】
■第1回・暗室に煌く蛍光サンゴ
(※「3月5日はサンゴの日」ってことで、ちょっと順路を無視して、サンゴの話を書きます)
順路を先に進むと、急に照明が暗くなり、黒い遮光カーテンが。
このカーテンの向こうが、ここニューカレドニア・ラグーン水族館の
目玉展示の1つ、「光るサンゴ」の水槽。
(いちおう、「世界でここだけ」らしいです。
日本でもどっかで展示されてそうだけど、どうなんだろ。)
正直、日本の水族館を廻るときにサンゴの展示にそれほど注目したことがなく(汗)
どんなもんなんだろうと、半信半疑みたいな気持ちでカーテンを開けてみました。
うぅ、暗い。。。
直前まで、天然光をふんだんに使った明るい水槽が続いていたので
正直、目が馴れるまでは完全に暗闇にしか見えませんでした。
(実際、あとから来た日本人観光客は「なんだここ、暗いねー。」
と言って、目が馴れる前に去っていった)
それでもしばらく暗闇に目を馴らしていると、
徐々に、サンゴの放つ繊細な光が認識できてきます。
おぉ、神秘的。
基本的に魚や甲殻類等の泳ぎ回る生物は水槽に入っていないようなので、
動き自体はまったく無い展示なのですが、 思わず魅入ってしまいました。
あとで調べてみたところ、ここで展示されている「光るサンゴ」というのは、
サンゴ礁の比較的深い場所(解説パネルによると水深35m程度)に棲息する、
「蛍光色素を持つサンゴの仲間」のことらしい。
※参考:色鮮やかに光るサンゴを発見、深い海なのになぜ?
(出典:ナショナルジオグラフィック日本版サイト:
)ほとんど光の届かない紅海の深い海で、色とりどりの蛍光を放つサンゴを科学者たちが発見した。
35mの深さというと、だいたい水面直下と比べて
数%~せいぜい10%以下の光量になっているはず。
(正確には、光の波長によって吸収率が異なるので、赤い光はほぼ存在せず
青い光がかすかにとどく環境。
より数学的には「ランベルト・ベールの法則」という計算式で
算出できるのだけど、詳細は省略します)
うーん、このエリアが真っ暗な理由が分かるわ。
自然環境を(肉眼での観覧に耐えうる範囲で)忠実に再現した展示なのだなぁ、
と感服しました。
■「昼」と「夜」の再現水槽が面白い!!
メイン水槽はずっと暗いままなのですが、
その横にすこし小ぶりの水槽が。
こちらは、数分おきに「昼」と「夜」を繰り返します。
こちらも面白くて、ついついしばらく見比べてしまった。
UVが当たると、蛍光サンゴがポワァっと光を放つのが分かります。
なんだか、暗闇でホタルを眺めるのにも似た、なんともいえないロマンティックな気分。
■解説も充実!(フランス語読めないけど。)
発光生物と、「光るサンゴ」について書かれた解説パネル。
(※英文/仏文ですが、クリックすると大きな写真で全文が読めます)